1つの外付けHDDに全部のデータを保存し続けていたりなんかまさかしていませんよね?
HDDはいつか必ず壊れます。それは明日かもしれませんよ。
今回は、ちょっとバックアップと冗長構成(RAID)の重要性について、紹介していきたいと思います。私自身、HDDが急にギーギー音を出して読み込めなくなった経験が何回かあります。(一度ではない)データというのは壊れた後に後悔しても、もうどうしようもないんです。
壊れる前の対策が重要です。今回はそんなことを書いていきたいと思います。
バックアップを取る意味とは?
先ずはそもそもバックアップって何のために取るのかを考えてみましょう。データはいつもiPhoneに入れっぱなしにしていたり、もしくはパソコンのフォルダに入れているだけの人はいませんか?
ずっと前からこのままで壊れたことないし・・・いる?
とか思っている時に、その時(データ破損)は来るんですよ。
基本的にデータというものは永遠に残ることはありません。データデバイスにもいくつか種類があって、それぞれ故障する頻度は違いますが、例えばHDDの場合は、内部に磁気ヘッドと言って、物理的な読み込み装置があります。
この内部の磁気ヘッドや基盤などのパーツが経年劣化や、HDD自体の熱などによる影響で曲がってしまったり、磨耗してしてしまうことで、読み取り機能自体が正しく動かないということが発生します。
こうなってしまうと、もう物理的に故障しているわけですが、中のデータも同様に壊れてしまい、取り出すことができなくなってしまいます。
さて、今パソコンもしくは一つのHDDに今まで十数年間カメラで撮り貯めたデータを保存とかしていませんか?HDDは上記に書いたように、物理的にいつかは必ず磁気ヘッドが磨耗して壊れます。思い出の写真が一度壊れてしまうと、もう二度と戻ってきません。そうならないために必ず重要なデータはバックアップを取って、複数箇所にデータを保存しておくことが必要になるのです。
データを複数箇所に保存する方法は、簡単に言うと以下の方法があると思います。
- 複数の外付けHDDに保存する
- 外付けHDDのデータと、それらを定期的にDVDなどに焼いておく
- RAID(ハードディスク冗長)をしておき、複数HDDに保存しておく
この中で、個人的には一番スマートで運用しやすさを考えると、やはり「RAID」を組んだHDDを使用するのが、一番簡単で安全な方法だと思います。その他のやり方はある程度、自分で定期的にデータをコピーするようなやり方をしなきゃならなくなるので、結果的に実施を忘れてしまったりするとあまり複数バックアップの意味がなくなります。
そのため、バックアップは全自動に複数HDDに保存してくれるようなRAIDを使うことがオススメです。
クラウドサーバでデータ保存は過去の写真データ保存には不向き
これ以外にも、Dropbox、Box、iCloud、OneDrive、Google Drive、Amazonフォトなどのクラウドサーバにデータを保存しておくというやり方もあります。しかしこれらのサーバは基本的には月額費がかかるものになっており、無料で使えるのは5GB程度だと思います。おそらく十数年写真を撮り貯めているような人だと、データが500GB〜1TBになることがあると思います。
今後ずーっと、クラウドサーバを契約し続ける覚悟があるのであれば、クラウドにこう言った写真データを保存しておくことも選択肢としてはありだと思いますが、滅多にアクセスしないような静的なデータ保存はやはり自宅のHDDなどに保存しておくことが一番費用対効果が高いと思います。
データ復旧には高額な費用がかかる
因みにもしデータが破損して壊れてしまったら、どういう手段があるか教えておきますね。
先ずはデータの壊れ方によっても復旧方法と費用が変わってきます。以下は障害のタイプを簡単に説明したものです。
障害タイプ | 症状 | 症状 | データ復旧難易度 |
---|---|---|---|
論理障害 | 「ファイルが壊れていて読み込めません」などエラーが出るファイルがなくなる | ファイルシステムの損傷 ウイルスによるクラッシュ人的操作ミス(誤消去など) | 専用ソフトがあれば簡単 |
物理障害 | 「ギーギー」「ガーガー」のような異音がする読み込み速度が著しく低下する | HDD内のパーツが故障していて、読み込み不能 | 非常に難しい(専門業者によるハード修理が必要) |
もし障害が論理障害であれば、専用のデータ復旧ソフトなどがあれば、自分で修復することも可能です。その場合は、ソフト費用だけの1万円〜程度済みますが、復旧業者に頼むともう少しかかる(〜6万円程度)場合があります。
しかし、もし物理障害の場合は、HDD自体を修理する必要が出てきてしまうので、素人が自分でHDD内部を開けて修理することは不可能の近いです。そのため、データ復旧のために専用の業者にお願いする必要が出てきますが、見積もりを取ってみると、HDD一本あたり10万〜30万取られることも、珍しくありません。
しかもデータ復旧に関しては、確実に修復できますと確約できるものではないので、酷い復旧業者によっては、「HDDを開けてみて修復できるかどうか確認してみて、もし修復失敗したとしてもそこまでかかった作業費は請求します」と言われたり、「一度開けてしまったHDDは精密機械ですから、そこから一旦HDDを返却してもらって他の業者に再度修理をお願いするということももうできません」というような業者も存在します。いわゆる、一旦HDDを預けてしまうと、データを人質に取られるようなもので、直して欲しければ言い値で払えに近いですよね。
なので、もしあなたがHDDのデータ復旧をお願いする場合は復旧業者の選定は慎重に行うことをオススメします。
データ復旧業者選定のポイント
データ復旧を行う場合は、実際にHDDなどの故障したメディアを復旧業者に送ることになるわけですが、その際にこれから説明するポイントを抑えておきましょう。
日本データ復旧協会加盟の業者であること
日本データ復旧協会は、「データ復旧業界の健全化に貢献する団体」としており、一部に存在しているような悪徳データ復旧業者を正して、正確なデータ復旧方法と、業者の適正化を行っています。
そのため、この協会に名前が上がっているというだけでも安心できるポイントになると思います。
協会加盟の業者一覧はこちらです。
成果報酬型になっていること
次に重要なのは、成果報酬型であること。
業者によっては、復旧できるかどうかに関係なく、HDDを開いてみた場合には、それまでにかかった作業費を請求なんて、謳っているような業者も存在します。
正直データを復旧出来ない場合に高額な作業費を請求することはあり得えませんね。こんなこと書かれた場合には実際に作業したどうかなんてわからないですよね。何もしないで、HDDだけ人質にして作業費を請求するような詐欺みたいな行為もできるわけですからね。
必ず、成果報酬型の契約になるような業者を選びましょう。
事前に復旧可能なファイルリストを提供できること
こういった業者を利用するときに注意したいのは、見積もり作業のためにHDDを一旦業者に預けてしまった場合、あれこれやと理由をつけて、なかなか返してくれない可能性があります。また実際にどの程度のファイルが復旧できるのか確約してくれないまま、作業に入るように会社もいます。
正直、データ復旧業者の中には、ちょっと信用の置けないような会社も混じっていますので、そういった意味でも、こういった点を目安に会社を選定することをオススメします。
復旧率が高過ぎる業者は避けよう
そもそもデータ復旧率は、90%近くになるようなことは簡単な論理障害でもない限りあり得ません。
例えば、物理障害であればHDDにヒビが入ったものや、DVDメディアに傷が入ったものや、論理障害であれば、何度も削除・書き込み・完全削除などをしたものをデータ復旧しようとすると、そもそもの復旧成功率はもっと低くなるはずですし、例え復旧できたとしてもデータ復旧できるのはその中の70%程度のようなことも普通にあり得ます。
そのため、こういった全体の件数から考えると、「データ復旧率95%!!」なんていう業者は怪しさの満載なわけです。もしこの数字が本当だとすると、それは母数の全体が調整されている可能性があります。例えば初期調査にてデータ復旧が可能と診断されたものを母数とするならば、復旧率はこれに近くなるかもしれませんね。
データ復旧はそもそも確率に近いものがあるので、そのために悪徳業者が存在してしまうのですが、異常な復旧率を謳う業者よりも正確に今までの実績(できること、できないこと)を示してくれる業者を選びましょうね。
オススメのデータ復旧業者:データレスキューセンター
最後に記事執筆時点でのオススメ&私の周りで実際に利用したことのある会社を紹介しておきます。
「データレスキューセンター」は上記のポイントを全て満たしており、カスタマーサービス対応も良かったです。またこの会社は、業界の中で技術力があると評判らしく、「データレスキューセンターがデータ復旧できない」と言ったものは、他のどこに持って行っても無駄と言われるぐらいだそうです。
選定の際の参考にしてみてください。
RAID(レイド)とは?
さて、ここではそもそもRAID(レイド)って何なの?というところを説明しますね。
RAIDとはRedundant Arrays of Inexpensive Disksの頭文字を取ったもので、複数のHDDを仮想的に1つのHDDのように認識させて冗長性を向上させる技術になります。
何だか難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えばデータを1回書き込めば、あとはデータが勝手に複数のHDDに保存されるというわけです。
ビジネス用途では以前から当然のように使われいた技術なんですが、近年デジタルデータが普及して十数年経過してきた今、個人でもデータを大量に抱えるようになり、家庭用のデータ保存にもRAIDを使うことが一般的になってきました。
RAIDには複数の種類があるが、個人で使う分にはRAID 1で十分
一言でRAIDと言っても、実はいくつか種類があります。簡単に以下に表でまとめてみました。
種類 | 最低HDD本数 | データ容量 | 耐障害性 |
---|---|---|---|
RAID 0 | 2本 | 1TB x 2の場合 2TB (1/1) | × |
RAID 1 | 2本 | 1TB x 2の場合 1TB (1/2) | ○ (1本) |
RAID 5 | 3本 | 1TB x 3の場合 2TB (2/3) | ○ (1本) |
RAID 6 | 4本 | 1TB x 4の場合 2TB (1/2) | ◎ (2本) |
RAID 10 | 4本 | 1TB x 4の場合 2TB (1/2) | ○ (1〜n本) |
下に行けば行くほど、耐障害性(同時に故障しても良い本数)が上がるわけですが、その分HDDの利用効率は下がっていくので、費用が上がることになります。その他にも読み込み/書き込み速度が変わって行きますが、ここではあまり説明しません。(そこまで大きくは変わらないため)
では、この中で実際どれを使えば良いのか何ですが、個人用途で使用するのであれば、HDDを3本も4本も入った、大きなRAIDシャーシ(HDDサーバ)を自宅に置くことがそもそもないでしょうし、容量だけで考えれば、HDD自体の容量を増やしてしまうことで大容量の保存もできることから、HDD2本の構成になると思います。
そうなると、ほとんどの構成でRAID 1にしておけばとりあえず十分です。HDDの耐障害性に関しては、要は同時に壊れる確率をどう考えるかです。RAID 1 であっても、搭載される2本のHDDが同時に故障した場合は、どうしようもありません。但し、同時に壊れる確率と、RAID 6を組む費用を考えると、RAID 1でも十分対応できると思います。要は、1本壊れたらすかさず新しい替えのHDDを買えば良いわけですから。
まとめ
今回はバックアップの必要性と、RAIDについて書いてみました。
私個人もふと撮り貯めたHDDを見たときに、このデータが吹っ飛んだら、もうどうしようもないなと思った時に、自宅HDDのRAIDを決意したものです。あそこで決意できていなかったら、その数年後データが死んで、高額な復旧費用を払うか、過去データとのお別れの選択迫られていたことでしょう。
皆さんもそうならないために、バックアップ&RAID化は必ず実施しましょうね。
本当はオススメのRAID用の製品も紹介しておきたかったんですが、もう結構書いてしまったんで、また別の記事で書いていきたいと思います。
https://simple-was-best.com/backup-nas/
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