デュアル回線の本命:eSIM(イーシム)のメリットと日本での対応状況

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eSIM(イーシム)って最近たまーに見かけるんですが、あんまり世の中(特に日本)ではまだまだ普及しておらず、携帯に詳しい人でもない限り、イマイチなんのことなのかわかりませんよね。通信回線の安い海外、特に中国などは回線を複数契約することが普通になっており、そのために沢山のSIMカードを持ち歩くという不便さがありました。

所謂山賊携帯と呼ばれる違法改造のスマホなどが当たり前の中国では、無理やりSIMカードを2枚刺せるようにした携帯などは5~6年前は結構ありました。

そういったニーズ(勿論中国発ではないんですが)に対応する形でeSIMという仮想的にSIM情報を書き換えることができる規格ができたわけですね。

今回は、eSIM(イーシム)が一体なんなのか、そしてどんなメリット及びどうやって使えばいいのかを調べていきたいと思います。

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そもそもSIM(シム)とは?

先ずはそもそもSIMってなんなのかという部分なんですが、 SIMは、Subscriber Identity Module Card (加入者識別ICカード)というものです。この技術は、3Gから導入されたものですが、それ以前の携帯では携帯自体に加入者情報が焼きこまれていて、端末をそのままで携帯電話会社を変えることはできませんした。所謂使い捨ての携帯時代ですね。

SIMカードが記憶している識別番号は主に(1)IMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる加入者を識別する顧客番号のようなものと(2)MSISDN(Mobile Subscriber Intergrated Service Digital Network Number)と呼ばれる携帯電話番号情報になります。

今のスマートフォンでは、上記のような情報は全てSIMカードに書き込まれているため、SIMカードを入れ替えることで、接続する接続網を、例えばドコモからauへ、auからソフトバンクと言ったように自由に切り替えることが可能です。

(但し、ドコモ/ソフトバンクとauは、使用している周波数(電波)が違うので、端末によってはつながりません。)

スマートフォンは、ドコモ/au/ソフトバンクの接続網と繋がったあとに、SIMカード内の顧客番号を使用して、自社の契約ユーザーかどうか判断し、確認が取れればそこでようやくインターネットができるようになります。(詳細は割愛)

今までのデュアルSIMというと、スマートフォンに物理的にSIMカードを2枚刺すことで、例えば通話専用SIMとデータ専用SIMのような使い方をしていたわけなんですが、それでもいくつかの制限(デュアルスタンドバイ出来ない)がありました。

eSIM(イーシム)とは何か?

そこでeSIMという新しい規格が出たことで、今まで物理的なSIMカードに書き込んでいた情報をソフト的に管理しようということができるようになりました。そもそもSIMカードは、加入者管理という意味合いと共にセキュリティ管理(違法な情報を使って接続できないようにする)という使い方もあったのですが、新しい規格ではこういったセキュリティの部分もカバーされた上で対応しています。

主な使い方としては、SIMの情報を、スマホの設定もしくは専用のアプリから都度追加したり、書き換えたりすることができます。

例えば、海外旅行先で今までWiFiを持って行ったり、現地の安いSIMを購入していたユーザーは、eSIMであれば、インターネットで事前に通信キャリアのプランを購入しておくだけで、あとはその情報をスマホに入力しておくだけで、現地でインターネットができるようになります。

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eSIM(イーシム)のメリット

eSIMのメリット及び便利な使い方としては、以下のような感じなると思います。

  • 物理的なSIMカードが不要になるため、SIMピンも不要になる
  • 通信キャリア間の切換えが設定アプリだけで可能になるので、お店に出向く必要もなくなる
  • 1 つの電話番号を仕事用に、別の電話番号を個人用の通話に使うことができるため、一つのスマホで複数の用途に使える
  • 海外に旅行した際に現地のデータプランを追加するできるので、お店の人と英語で話す必要がない
  • 音声通話プランとデータプランを別々にすることができる
  • DSDS(Dual SIM Dual Standby)が可能に。

SIMカードって基本的に一度刺したら、抜くことってほとんどありませんよね?ただ中古スマホを購入したときや、格安SIMに切り替えるときや、海外でSIMを購入したときなどにSIMを抜く必要が出てくるんですが、そのときにiPhoneの場合SIMピンが必要なんですね。SIMカードはICカードになるので、何度も外せば傷も付きますし、正直ちょっと面倒です。eSIMになればこれが必要なくなるのは地味に嬉しいポイントだと思います。

また仕事用に専用のスマホを持っている人って結構いると思います。端末は会社支給のものだと思うので、費用的には関係ないといえば、個人には関係ないんですが、それよりもスマホ2台を常に手元に持っておくことって相当面倒だと思います。正直仕事中ならまだしも、電車移動中などに仕事用のスマホを手元にずっと持っておくことって面倒ですし、それだけでポケットがパンパンになってしまいます。一つのスマホで複数の電話番号およびプランを契約できるメリットは、持ち物のスリム化という意味でも是非やりたいことの一つになると思います。

こういったことができるようになったのも、端末のデュアルSIM対応化の技術DSDS(Dual SIM Dual Standby)ができるようになったためです。これはなんなのかというと、以前のSIMが2枚入れられる端末では、SIMカード自体は2枚させるんですが、SIMカードの切換えは、スマートフォンを一度再起動する必要があったり、同時接続ができず、片方使っている場合には、もう片方の接続は切らないとならなかったりしました。

しかしDSDSの技術ができたため、複数の通信キャリアの接続を同時に行い、同時待受けということができるようになりました。もっと具体的に言えば、仕事用の電話と個人用の電話を同時に待受けすることができるようになったわけです。

Photo by freestocks.org on Unsplash

またその他のeSIM(イーシム)の使い方としては、近年のIoT化の流れに乗って、今までインターネットに繋がっていなかった実に様々な製品が、インターネットに繋げる必要が出てきました。更に、今の製品は国内だけでなく海外にも輸出されることが当たり前ですので、国ごとに製品の作りを変えるのはメーカー側にも相当の負担が強いられます。

例えば、iPhoneなどのスマートフォンはもちろんのこと、コネクティッドカー、業務用のプリンタ、Surfaceなどのモバイルノートパソコンなど、こういった端末に搭載されるインターネットモデムには、輸出国毎にSIMを差し替えることが不要なeSIMを使われることが、今後当たり前のことになってくるでしょう。

eSIM(イーシム)の対応端末

日本でのeSIM対応の端末は、残念ながらあまり多くはありません。 Apple Watch Series 3 & Series 4(セルラーモデル)、 ドコモのタブレット「dtab Compact d-01J」、そして2018年秋発売のiPhone XS/XS Max/XRなどがeSIM対応の端末になります。

またPCでも、マイクロソフトの「Surface Pro LTE Advance」がeSIM対応になっていますが、SIMカード版とeSIM対応版の2種類あるようです。因みに昨年IIJがこのSurfaceを使って、eSIMの機能検証試験を実施しました。

因みにこの中で、デュアルSIM端末のような使い方をサポートしているのは、iPhoneとSurfaceだけです。これらの端末は物理のSIMカードスロットが一つあり、それに加えてeSIMが対応しているので、デュアルSIMの使い方が可能です。

その他の端末は基本的にeSIM 1つのような使い方になっているので、デュアルSIMのような使い方は対応していません。正直今後eSIMがどういう使い方になってくるのは、注目したいところですね。

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どこで契約ができる?

結論だけ先にいうと、現状(2019年1月時点)日本では個人向けにeSIM契約単体を販売している国内通信キャリアはいません。ドコモ、au、ソフトバンク3社およびMVNO(格安SIM業者)どれもeSIMはサポートしません

Appleサポート:eSIM サービスを提供している通信事業者を探す

日本では、やはりサービスの囲い込みが定着化されており、eSIMのような自由に通信契約を変えることができる機能は敬遠されがちです。また日本では、SIMロックという囲い込みの仕組みもあるため、例えeSIM契約ができるようになっても端末側で制限をかけるという残念な状況もあります。

Apple Watchのみが個人で契約できるeSIMにはなっていますが、あれも自由にキャリアを変えるような使い方はできず、購入時に通信キャリアを契約するような形です。その他は基本的に日本のeSIM契約は、先日のIIJのeSIMサービスも含めて、全て法人向けになります。

一方海外では、eSIMのサポートが着々と普及が始まっており、米国ではeSIMサービスを開始していますので、iPhone XS/XS Max/XRを持っているユーザーであれば、是非試してみてください。

でも実は日本でも使えるeSIMがあります。GigSkyというApple SIMを提供している会社なのですが、この会社が提供しているeSIMは世界中のどこでもローミングで使えるものになっています。もちろんその中に日本も含まれているので、GigSkyを使えば、日本でもeSIMを契約できるということですね。

またその他にも、あえて海外の安い通信事業者と契約して、日本で国際ローミングの使い方をすることで、比較的に安い料金でインターネットをすることも可能だ。特に香港などのアジア圏内の通信事業者のデータ通信料金は日本の比べて破格の安さになっています。(HK$138 = 約1900円)

上記金額は、「3香港」のもの

日本のドコモの場合、1GB追加するのに約1,000円かかることを考えると、1900円/10日間でデータ通信を追加できるのであれば、緊急用に使うのであれば十分そうです。因みに日本のローミング先はドコモになっているらしいので、通信の安定性という意味は問題なさそうですね。

今後のeSIM(イーシム)の展望

eSIM規格は、ユーザーにとって様々な自由な使い方ができるようになっているのですが、残念ながら日本ではまだまだ普及していません。法人向けのサービスは2018年から少しずつ、始まって行きましたが、個人向けについては日本特有の囲い込み事情もあり、もう少し時間がかかるのではないかと予想しています。

2019年から楽天モバイルが第4の通信キャリアとして、サービスを開始します。彼らはおそらく格安SIMと同じようなレベルの価格帯でサービス展開を広げていくのでしょうが、価格だけではなく是非eSIMのような自由度の高い端末及びサービスを開始して、ゲームチャンジャーのような役割を担ってくれることを期待しています。

但し、近年はサービスのグローバル化といいますか、国ごとの垣根が年々低くなってきました。前項で紹介した「3香港」の国際ローミングではないですが、今後このような使い方が増えてくると、国内キャリアは国内だけで争っている場合じゃなくなってくるのかもしれませんね。

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