日々色々なガジェットを触ってきて感じるのは、「中国製」というは良いのだろうか?ということ。
本業はITインフラの業界にいるので、普段から中国製の機器については、色々な思いがあったのは事実。
例えば、通信インフラにおいては、現在も含めて米国の公共設備に使われるものに中国製の通信設備は未だもって使用できない。これには無線機器やスイッチのような機器だけでなく、監視カメラも規制対象に含まれています。
因みにこの規制には、「米国の公共事業に入札する企業は、規制対象企業との取引及び機器使用を一切禁じる」とまで書かれている始末。
さらに中国製の機器は壊れやすいや、品質が悪い、コピーものばかり、、、そんな印象が10年前ぐらいまでは日本の中にはあったと思う。
安心の日本製?
実際「やっぱり日本製が一番」「安心の日本製」「日本製だから壊れにくい」なんて声も日本のみならず、一般的なステレオタイプとしても「日本ブランド」というものがあるのは事実だと思う。
だからこそ、やはり自宅用の生活家電を選ぶときにも、日立、パナソニック、SHARP、NECなんていういわゆるThe 日本の家電メーカーのものを選んでいる人も多い。
とはいえ、SHARPに関してはもう日本家電メーカーなのかは些か疑問ではあるが。
ただガジェットレビューという仕事をしている中では、正直圧倒的にnの数として多いのは、中国製だと思っている。
以下に当サイトでも度々レビューしているガジェットメーカーを国別に整理してみます。
中国企業 | SwitchBot、TP-Link、Anker、FlexiSpot、BenQ、Pitaka、CANDY HOUSE、MOFT、Genhigh、Insta360、Sharp(シャープ)?、Lenovo |
欧米企業 | Apple、Amazon、IKEA、Satechi、Dell、Bose |
日本企業 | Sony、Buffalo、NEC、Nature、Panasonic |
これをみても分かる通り、中国メーカーの勢いというのは特に国産のものとは比べ物にならないと思っている。
もちろんSNSマーケティングをしているものに中国勢が多いということはあるだろうが、それにしても日本のメーカーはマーケティング戦略が下手のような気がするのは僕だけでしょうかね。
製品の品質という意味でも、中国メーカーの粗さは確かに感じる時もあるが、多機能性と開発速度の速さを考えると、日本のメーカーはもう何周も遅れているような気がする。
特にガジェットに関しては、製品サイクルが極端に短いものが多いので、1年ぐらいで次製品を出すのが普通というような感じだと思う。一方で日本のメーカーの製品は、2〜3年ぐらいのサイクルで考えているので、新製品が出たあとは作りっぱなしになっていることが多いんじゃないかと思う。
もちろん日本製の品質の良さは素晴らしいと思う。
誰にでも使いやすく、壊れにくい。それがMade in Japan。
プロダクトサイクルがある程度長かった時代にはこれで良かったと思うのだが、やはり昨今のプロダクトサイクルの短さを感じると、出遅れ感を感じてしまう。
中国製品は質の粗さを蔑んでいた時期はもう既に終わっている
そもそも本記事のタイトルにもしたが、「安かろう悪かろう」という言葉は、値段が安いものは総じて品質も悪いということわざであるが、一昔前のIT業界ではこのことわざを営業の謳い文句として、中国製の品質の悪さをアピールしていた。
しかし今はどうだろうか。
確かに日本製の洗練された品質はないのかもしれないが、それを補うほどの圧倒的な技術とスピードがある。
これは今や世界の工場となった中国では例えばアメリカからAppleの最新端末を製作委託を受け、デザインこそアメリカでやっているのかもしれないが、生産機能は全て中国が担っている。
技術を模倣して安く作るという観点では、世界中の技術が中国に集められ模倣され、安く作られ、そしていつの間にか自国のメーカーを買収されている。実際に日本でも起きていますしね。
そして品質というのも結局、どれだけ市場に淘汰されてきたかによるかと思う。
日本の製品の品質は、日本メーカーが作り上げたものというよりも日本の要求の高い顧客が作り上げてきたものとも言える。
そのため、例え中国の企業だとしても、長い期間日本の顧客要望に応えていくと、いつも間にか少しずつ洗練されていき、そしてそれが今まで日本企業がやってきた期間よりも、何倍もの速さで行われているとしたらどうだろう。
勝てる気がしないですよね。
実際、最近の中国製のプロダクトを触っていて、もう残念だが、ガジェット機器の領域では日本製が勝てているところの方が少ない。
もちろんエアコン、冷蔵庫のような大型家電のようなプロダクトサイクルが比較的長いものは、まだまだ日本製が良いものがあるが、一方でガジェット機器のようなものは中国製の方が安くて、高機能、さらにはデザインも良いとしたら、中国製はもはや「安くてコスパが良い」という結論にしかならない。
念の為。
ただ、「こいつどうせポジショントークで中国製は安心だよと言ってるんだろ」なんて思うのかもしれないので、念の為書いておきたいのだが、別に中国製をみんな率先して使おうとか、安心の中国製だよ、なんていうつもりはない。
誰が作ったという観点を無視して、「プロダクト」という観点だけで評価した場合に、結果的にこうなっているよねということだと思う。
個人的には日本のメーカーにはもっとユーザーの声を聞いて、開発速度を上げてほしいと思うし、逆に中国からプロダクトを逆輸入(逆模倣)してほしいと思っています。
そうすることで、結果として日本に暮らすユーザーとして、むしろそういう動きをもっと期待しています。
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