昔と会社人生って変わってきて、1つの会社に生涯勤め上げるというのも、当たり前じゃなくなってきた気がします。そもそも世界のトップ企業であるあのTOYOTAですら、終身雇用は難しいと言わせるこの時代、改めて自分の正しい価値を知るというのはとても重要だと思う。
転職を一度でも検討したことある人は、適正年収というものに悩むと思う。特にある程度安定した企業に勤めている人の場合は、果たして自分が転職することが最適解だったのかというを、お金の面だけでは間違えて欲しくないものです。
外資系企業の年収の構造
年収という面だけを見れば、外資系企業を検討したことは誰しもあると思う。基本的に外資系の企業では、日系企業でありがちな手当類が一切ない。これは、日系企業が基本給とは別に各種手当を付けることで付加価値を付けるのに対して、外資系企業は基本給の中に全ての手当を含めているため、トータルでの基本給だけを比較すると外資系の方が多くなる。
主な日系企業に合って、外資系企業にない手当は以下のような感じだ。
手当名 | 日系企業 | 外資系企業 |
---|---|---|
残業手当 | 基本給とは別に支給される | みなし残業(裁量労働)が基本給に含まれる |
子供手当 | 子供がいる場合に付加給付される | 基本的に無し |
住宅手当 | 一定の条件で付加給付される | 基本的に無し |
資格手当 | 資格奨励のための付加給付 | 基本的に無し |
団体保険(医療など) | 社員であれば誰でも格安で加入 | 基本的に無し |
企業内遺族補償 | 遺族向けの保障 | 基本的に無し |
退職金 | 退職時まで積立られる | 基本給に含まれる |
見落としがちなのが最後の退職金の扱いだ。日系企業では当たり前の退職時に支払われる退職金だが、これはよく考えれば単なる積立金に過ぎないことがわかる。
基本的に外資系企業に退職金という考え方はない。会社をクビになろうが、自己都合で辞めようが、日系企業のように退職金が支払われることはない。何故ならば、退職金(手当)は基本給に含まれているというのが基本的な考え方になるからだ。
残業代の考え方
外資系企業では、いわゆる裁量労働と呼ばれる給与体系が基本になっている。時間の管理をしない代わりに成果だけをしっかりと出し続けてくれればOKという考え方だ。
また管理職ではない限り、裁量労働とはいえ、みなし残業という形で、基本給に予め一定の残業代が含まれているということになっている。例えば30Hがみなし残業であったら、30H分の残業代が基本給に含まれている。
では、30H以上残業した場合はどうなるとというと、追加で請求できる場合が多い。
一見するととても合理的で良いようにも思えますが、外資系企業によってはみなし残業の時間がとても大きく設定されている場合があります。例えば70Hがみなし残業に設定されていると70H分の残業代が入っていればいいですが、入っていなければ単に追加請求されないためのブロックにしかなりませんね。
基本的に成果主義になるので、残業をどれぐらいするかは自分次第とも言えます。成果がどれくらい出せるか、またそれを自分の上司がどの程度評価してくれるかが鍵になりますね。
これは日系企業でも外資系企業でも変わらないことかもしれません。
賞与の考え方
外資系企業の場合、賞与がある場合とない場合の両方存在しています。全くない場合には、採用時に交渉した金額を単純に12等分して、毎月支払われますし、ボーナスという概念がなくなりますね。
賞与がある場合でも、日系企業のように2〜4ヶ月分どっさり入る訳ではなく、あくまでも個人成果分だけ数十万だけ振り込まれるケースが多いようです。
適正年収の計算方法
日系企業と外資系企業の年収の計算方法を以下の図に示します。
基本給や賞与に関しては特に変なところはないんですが、見落としがちなのは、やはり手当類ですね。特に普段に額面に見えない手当、例えば医療保障や、死亡時の遺族補償などですね。
遺族補償などは、実質的に会社で生命保険に入ってくれているようなものですから、その分の相当生命保険代も含めて考える必要があると思います。
退職金とは単なる積立金に過ぎない
日系企業では当たり前の退職金は、外資系企業ではほとんどないのが常識です。そのため、転職時に積立してきた金額の一部は受け取ったとしても、もし定年時までその会社で働いていたと仮定した場合の想定退職金相当÷想定在籍年数(今が30歳であれば65歳−30歳=35年)を現状の想定年収に含めた上で比較すべきだ。
例えば、65歳まで勤め上げて退職時に2000万を貰える想定で、自己都合退職で300万を貰えたとして、残り1700万。
1700万 ÷ 35年 = 48万 ≒ 約50万
およそ50万程度は現在の年収としてみなすべきだ。つまり今の年収が600万だったとしたら、+50万(退職金相当)つまり650万程度だと考えて転職先の外資系企業の年収と比較すべき。
みなし残業分は実質的な手当になる 転職先のみなし残業時間と比較すること
もし今が既に管理職もしくは、管理職相当の役職に就いている場合にはおそらく残業代がつかない状態(みなし残業)になっている人の場合は、この残業手当分に関しても適正年収の考え方に組み入れる必要があります。外資系の場合、基本的には残業代は個別に計算されずに年棒性をとっている会社がほとんどだと思います。しかし求人によってはみなし残業XX時間以上は、個別に残業代をつけるなどと言った条件もあります。
例えば現在の役職でみなし残業20時間になっている場合で、転職先でのみなし残業時間が50時間になっている場合には、30時間多く残業代がつかないということなので、月30時間分の残業代相当分を見込み月収(+見込み年収)に加えておく必要があります。
1時間当たりの残業で得られる対価が3,500円だったとすると、3,500円 × 30時間 × 12ヶ月 = 約126万円多く見込み年収に加えて考えることができる。勿論、本当に毎月50時間やるわけではない場合には、ある程度調整して見込みを計算していくことも必要だろう。
最後に
外資系企業って金額だけ見ると結構魅力的に見えますよね。でもついつい自分に自信を無くして今の給与以上であればOKだなんて思っていると、結果的に年金・退職金まで考えると減っていたなんてことにもなりかねません。
是非、今以上だからいいやと思わずに、一度しっかりと立ち止まって検討されるのも良いと思いますよ。
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