当サイトでも度々紹介しているポイント2重取りプリペイドクレジットカードを発行しているKyashが2020年12月1日に年利1%のKyashポイントを付与する「残高利息」サービスの提供を12月8日(火)より開始すると発表しました。
今までは、Kyashでポイントが付与されたのは決済のみでしたが、これに加えてなんとKyashで資産運用という使い道が出てきました。
そうなっていると、果たしてKyashで資産運用が本当にできるのか?どれぐらいの金額が運用できるのかを検討してみたいと思います。
今回は銀行貯金に代るKyashでのノーリスク資産運用を考えてみたいと思います。
INDEX
Kyashとは?
先ずはKyashというものが何かを簡単に説明して行きたいと思います。
Kyashとは電子マネーの類になり、同類のものとなるとLINE Payなどがそれに当たります。対して、最近話題のPaypayや楽天PayなどのQRコード決済とは違って、バーチャルVISAカードが発行されます
以下でKyashについてより詳しく説明しています。

Kyashの年利1%の残高利息とは?
そもそも年利1%というのはどういうことなのかを整理してみたいと思います。
銀行からの入金のみが対象

先ずは付与条件が2つあります。
- 銀行からの入金であること
- 前月に1回以上の決済があること
つまりクレジットカードなどからのKyashへのチャージについては、付与対象外になるわけで、純粋に銀行からの資金移動がされたもののみにKyashのポイントが付与されるわけですね。
また1つ今回重要な条件変更が同時に発表されているのですが、ポイントの月間付与上限に条件がついています。
ご利用のカード | Kyashポイント付与率 | Kyashポイントの月間付与上限 |
---|---|---|
Kyash Card | 1.0% | 1,200ポイント (決済のみに利用できる残高での決済は最大100ポイント) |
Kyash Card Lite Kyash Card Virtual | 0.5% | 600ポイント (決済のみに利用できる残高での決済は最大100ポイント) |
つまり決済によるポイント付与は最大100ポイント(Kyash Cardの場合)のみで、それ以外は直接的には言及されていませんが、要は残高利息で貯めるようなことになっています。
Kyashは本当に決済事業から資産運用の方に力を入れたいんだということが現れていますね。
年利 1%=月利 約0.083%
そして年利1%という言葉に惑わされてしまいそうですが、ポイント付与は毎月の残高をベースに付与されます。その時に付与されるのは1%ではなく、あくまでも月利に換算した利率になるはずです。

単純計算になりますが、年利1%を12ヶ月で割ってあげれば、約0.083%という月利になるはずです。
資産運用シミュレーション
では、早速運用のシミュレーションをしてみましょう。
今回のKyashの取引条件変更により、決済に関わるポイントは最大100ポイントまでしか付与されなくなってしまいました。そのため、満額Kyashポイントを受け取るためには、残りの1,100ポイントを残高利息から受け取る必要が出てくるというわけです。
但し、計算したところ、月利0.083%で運用して1,100ポイントを受け取るためにはKyash残高は144万円以上あれば良いはずなんですが、Kyash残高の保有上限は100万と決まってるので、どうやっても833ポイントまでしか残高利息を月当たりにもらうことはできません。
つまりKyashとしては100万円以上のお金を入れておくことはできないので、100万円で月間833ポイント(年間1万ポイント)というのが、実質的な上限になるわけです。
残高上限のことを考えると、とりあえず100万円をKyash残高に入れておいて、とりあえず1万ポイントだけは貰えるというような感じですね。
ちょっと気になるチェックポイント
ここで、ちょっと気になるポイントを確認しておきますね。
例えKyashが倒産しても残高は100%保証される
Kyashにお金を預けるとなると、ちょっと不安になるのが、Kyashみたいな新興会社が倒産した時には預けていた残高はどうなるの?という不安が出てきます。
調べてみたところ、Kyashではこの残高を保有しているわけではなく、あくまでも資金移動をしているだけの立場のようです。そのため例えKyashが倒産したとしても預けていたお金は全て100%戻ってくることが保証されているわけです。
利息は日次で計算し、毎月付与する。また、残高は100%外部に供託しており、Kyashに何かあっても全額が保証される。「どのみちKyashの決済サービスで使うので前もって残高に移しておく。それが少しでもお金を生んでいくという効果がある。何百万、何千万ではなく、日常的な金額を入れてもらうことを想定している」(鷹取氏)
但し、今後Kyashが資金移動業だけでなく、銀行事業のような免許を取得した場合には、この部分が変わってくるかもしれませんね。因みにその場合でも銀行は預金者1人当たり元本1,000万円まで保証されることになっています。
一度入金したKyash残高の現金化は不可能
もう1つ気をつけておきたいのは、Kyash残高はあくまでも電子マネーのような状態になっているので、一度銀行から現金をKyash残高にした物については、再度現金化することはできません。
Kyashは銀行業免許を持たず資金移動業免許で今回のサービスを提供する。「残高は預金ではない。利息は引き出せると銀行預金と同じになってしまうので、現金としては引き出せない」(鷹取氏)
そのため例えば今回のシミュレーションのように84万円をKyash残高にした場合には、最終的にはこのお金を全てKyashで使い切る必要があります。
但し、Kyashは使い方としてVisaクレジットカードとして汎用的に使用することが可能なので、使いきれない心配はないとは思いますが、ある程度条件のついたお金になるということは理解しておきましょう。
結論:資産運用として1%は微妙だがお小遣い貯金としての使い方はアリ
正直大手の銀行預金利息が0.001%~0.01%ぐらいになっていることを考えると、1%の利息がつくということは凄すぎるとしか言いようがありません。
ただ一方で資産運用としての側面で考えれば1%の年間単利だけになるので、そこまで運用資産としての旨味は多くないように感じます。さらには、一度Kyash残高にしたものが、再度現金化できないことを考えると例えクレジットカードでいつかは使いきれたとしても、運用資産としての流動性に不安を感じます。
しかしこういったデメリットはあるものの、普段からKyashを使い続けていたり、毎月に利用頻度が高い方であれば、十二分に今回の残高利息のメリットを享受できると思います。何かあった時に使いきれる程度の金額をKyash残高にしておくというが上手な使い道だと思います。
高額すぎる残高は何かあった時にすぐに取り出しづらいので、普段使い切れる程度の金額をKyash残高にしておくのが吉
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