今回はSatechiから発売された、USB-Cハブ「V3 マルチ USB-C ハブ 8-in-1」をレビューしていきたいと思います。
本機は、2018年からSatechiで発売されているUSB-C Multi-Port Adapterシリーズの第3世代モデルとなるUSB-Cハブになります。
第2世代まではUSB-Aポートが搭載されていましたが、今作からついに、USB-Aポートが廃止され、全てUSB-Cポートになりました。しかも、HDMIは4kから8kの解像度までアップグレードされたようです。
搭載されているポートは後ほど、レビューしていきますが、以下のようになっています。
- USB-Cデータポート×3:10Gbps USB 3.2 Gen 2対応
- USB-Cデータポート:5Gbps USB 3.2 Gen 1対応
- USB-C PDポート:最大100W入力対応(デバイスには最大85Wを給電)
- HDMIポート:最大8K@30Hz対応(Macでは最大4K@60Hz)
- Ethernetポート:1Gbps対応
- SDカードスロット:312MB/s UHS-II対応
それでは早速、詳細をレビューしていきたいと思います。
Apple製品と高い親和性のある外観
今回レビューするのは、シルバーのモデルになります。 カラーはシルバー(ST-P8KES)、スペースグレイ(ST-P8KEM)、ミッドナイト(ST-P8KED)の3種類ありますが、私は無難にシルバーにしました。
箱を開けると、シンプルにマニュアルと機器が収められています。
ハブとしては割とずっしり大きい印象で、機能十分なだけにしっかりした作りです。大きさは11.4 x 5.41 x 1.6 cmで重さは大体123 gとなっています。
大きさをiPhone 12 mini (13.15×6.42×0.74cm/133g)と比較してみますと、一回りちょっと小さく、ちょっと軽いというくらいです。
ケーブルの長さは約16.6cmで、丈夫な布のような繊維でおおわれています。
意外と繊維で覆われている製品って珍しいのかな、と思いますが、長く使った場合、耐久性や汚れやすさ、見た目などの点でどうなるかちょっと気になりますね。
ポートはSATECHIのロゴを正面とすると、背面にHDMIポートとUSB-Cのポートが3つ。
下部にEthernetポートとPDのUSB-Cのポートとなっています。
裏部分には各認証マークが記載されています。
上部から、見ると独特の形状をしていることがわかります。正面や背面からポートに差しやすいように工夫された結果がこの形状なのかな、と思います。
まとめると以下のようになっています。
- USB-Cデータポート×3:10Gbps USB 3.2 Gen 2対応 (前面 x 1,背面 x 2)
- USB-Cデータポート:5Gbps USB 3.2 Gen 1対応(背面 x 1)
- USB-C PDポート:最大100W入力対応(デバイスには最大85Wを給電)(下部 x 1)
- HDMIポート:最大8K@30Hz対応(Macでは最大4K@60Hz)(背面 x 1)
- Ethernetポート:1Gbps対応(下部 x 1)
- SDカードスロット:312MB/s UHS-II対応(前面 x 1)
Satechi 8-in-1 USB-Cハブのポイント
これ一台でPC周辺機器をまとめられる
MacBookやiPadって外部接続ポートが限られていることが多いので、8-in-1のハブがあれば、接続できるデバイスがいっぺんに増えることになります。
例えば、外部SSDや外付けマイク、Webカメラ、外付けディスプレイ、有線LAN、SDカードなど様々な機器をこのハブで同時に使用することが可能になります。
また、MacやノートPCを持ち歩いて使っている場合に、自宅でこれらの機器を3本も4本もケーブルを差していくのは非常に手間が掛かりますが、ハブにさえ接続しておけばこれ一本接続すればすぐに自宅のPC環境が整えられます。
最近は、ようやくUSB-Cに統一していく流れとなっているので、とてもシンプルで喜ばしいところです。実際は、まだUSB-Aの機器と両方使うことが多いのかな、と思いますがどちらか一つと言われれば間違いなく今後はUSB-Cタイプを選択するべきでしょう。
USB-Cの機器をUSB-Aに変換して使うのは勿体ないですから。
パススルー充電
USB-C PDのポートは最大100Wで接続されたデバイスをパススルー充電することができます。15Wはハブ本体で使用されるため、実質的には85Wとなりますが、それでもノートPCの充電では困ることはないですね。
パススルー充電を使うことで、貴重なノートPCのUSB-Cポートを消費することなく、拡張することができます。
8K HDMI高画質
Windowsのみにはなりますが、8Kでの映像出力が可能になっています。(8K対応のコンピューター、ケーブル、モニターが必要です。)Mac デバイスは8K出力をサポートしていないため、最大4K(60Hz)となっています。
現在一般的になりつつある4Kの解像度が「3844 x 2160」ピクセルですが、それに比べ8Kでは「7680 x 4320」ピクセルと4Kの4倍、フルハイビジョンの16倍の緻密さを再現できることになります。
まだまだ、対応できるデバイスは”これから”という印象ですが、Satechi 8-in-1 USB-Cハブなら、プロフェッショナルなゲーマーや映像専門家にとっても、最適なPCマルチハブの選択肢になりうるでしょう。
前シリーズとの比較
ここでは前作のV2マルチ USB-Cハブと比較してみますが、なんといっても大きな違いはUSB-Aが廃止されて、全部USB-Cに置き換えられたことでしょう。
USB-Aの口が幅約14mm、高さ約6mmに対して、USB-Cの口は約8.4mm×約2.6mmとコンパクトであり、その分、接続できるポート数も一つ増えています。
V3 マルチ USB-Cハブ | V2 マルチ USB-Cハブ | |
---|---|---|
外見 | ||
型番 | ST-P8KE | ST-TCMA2 |
USB-C PD | USB-C PD x1 最大100W (15Wはハブ消費) | USB-C PD x1 最大60W |
USB-C Data | 4port USB 3.2 Gen 2 (10Gbps) x3 USB 3.2 Gen 1 (5Gbps) x1 | なし |
USB-A | なし | 3portUSB-A x3 (5Gbps) |
HDMI | 4K@144Hz or 8K@30Hz | 4K@60Hz x1 |
カードリーダー | SD 4.0 (UHS-II 312Mb/s, 2TB Max) x1 | MicroSD(UHS-I 104Mb/s) x1 SD (UHS-I 104Mb/s) x1 |
Ethernet | Gigabit Ethernet x1 | Gigabit Ethernet x1 |
サイズ | 約11.4 x 5.4 x 1.6 cm | 約10.5 x 5.1 x 1.6cm |
重さ | 約123 g | 約77.8g |
価格 | 14,799円 (99.99ドル) | 9,379円 (89.99ドル) |
購入先 | Amazon | Amazon |
Micro SDのポートは廃止されましたが、SDカードへのアダプタがあれば問題ないですね。
データの転送速度に関してもUHS-II(Ultra High Speedの略)に対応し、理論値で312MB/sの転送に対応しています。
USB-Cのデータ転送も3つのポートが10Gbpsの転送速度に対応しており、こちらも前回のV2に比べて2倍の高速転送が可能になるというアップデートが加えられています。
8K HDMIへの対応やPDの100Wへの拡張など、非常にスマートに新世代の実装へと生まれ変わったと思います。
値段の違いはありますが、今後購入するのであれば間違いなくUSB-C対応のV3を購入することをおススメします。
Satechi 8-in-1 USB-Cハブの気になるポイント
ここではSatechi 8-in-1 USB-Cハブの気になるポイントをレビューしていきたいと思います。
Ethernetポートは1Gbps
これは自宅のインターネット回線が1Gbpsまでの人であれば、全然問題にならないでしょうが、もしNURO(2Gbps~)やドコモ光10Gなどに対応した回線契約の場合は、歯がゆいところではないでしょうか。
最近ではWi-Fi 7 規格の機器なども発売されて、無線でも1Gbps超えの環境が整いつつあり、あえて有線で、Ethernet接続するからには相当の回線速度を求めている場合が多いかと思います。
2.5GbpsのEthernetインタフェースでもよかったかな、と思います。
USB-C ポートはビデオ出力には非対応
すごく便利なUSB-Cに統一してくれた喜ばしいSatechi 8-in-1 USB-Cハブですが、USB-Cの映像出力には対応していません。
そのため、モニタ接続ではHDMI to HDMIのケーブルが必須になってしまいます。
HDMIは確かに必須と思えるのですが、デスク周りをUSB-Cだけに統一したい!という希望をお持ちの方には少し残念かもしれません。
例えば、2022年に発売された27型の5K RetinaディスプレイのApple Studio DisplayはThunderbolt 3の入力となっており、本ハブでの接続はできません。
せっかく、USB-Cに全振りしたハブなのだから、モニタ出力もUSB-Cに対応していれば、半永久的に使えそうかな、という気も若干します。
まとめ|8K HDMI出力にも対応した高速、多ポートハブ
今回はSatechi 8-in-1 USB-Cハブの良かったところと、気になった部分をレビューしてきました。
- 8ポート全てこれ1つに
- 100W パススルー充電
- 8K HDMI 接続
- Apple製品と高い親和性のデザイン
- Ethernet 1Gpbs
- USB-Cはビデオ出力非対応
Satechiさんでも、本当に様々なハブ製品が発売されており、それぞれの持っているデバイスや、好みに合ったハブを選択すればよいので、そもそも万人に最適なハブというのはないかと思います。
そんな中でもV3 マルチ USB-Cハブは、潔くUSB-Aのポートを排除してUSB-Cポートだけを備えており、最新技術やシンプルなデスク環境を求めている人にとっては、最適な選択になるのではないか、と思います。
また、SDカードやUSB-Cでの高速データ転送も対応しており、写真や動画などのデータを大量にやり取りしたい方にも求められる製品なのではないか、と思いました。
それでは、皆さん参考にしていただければ幸いです。
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