今回はTP-Linkから発売されたコンパクトWi-Fi 6ルーター、Archer AX23Vについてレビューしていきたいと思います。
TP-Linkは2023年に入ってから立て続けに縦型ルーターを販売していますが、今回のデバイスでローエンドからハイエンドまで全てのモデルで縦型ルーターが販売されたことになります。
さて、今回のAX23Vですが、同社のラインナップからすると、一番下のモデルになっています。
ただ今回使ってみた感じでは、この値段でこのスペックであれば、ほとんどの1Kのような一人暮らしはこれで良いと思えましたし、さらにメッシュWi-Fiとして増設用のルーターとしても便利に使えそうな気がしています。
それでは、早速レビューしていきたいと思います。

TP-Link Archer AX23Vの外観|これが真の壁掛けコンパクト
先ずは外観から確認していきたいと思いますが、箱を見て最初に驚いたのはその小ささです。
TP-Linkのルーターといえばですが、いつも若干箱が大きいなーと思っていたのですが、今回のルーターに関しては箱からして既に小さいです。

内容物ですが、ルーター本体、台座、LANケーブル、そしてAC電源ケーブルになります。
電源ケーブルもしっかり日本仕様でコンパクトになってくれていますね。

手に持って見た感じですが、本当に小さい。
よくコンパクトルーターと銘打ったルーターが実はちょっと片手ではきつかったなんてこともあるかもしれませんが、このルーターは本当に小さいです。

実測値になりますが、150 x 130 x 40.3 mm というサイズ感になります。



重さは、278.7 g (台座含まず)でした。

背面の入出力端子ですが、1Gbps LANポートが4つと、1Gbps WANポートが1つという感じです。
その他には電源入力と、WPSボタン、リセットボタンがあります。
TP-Linkのルーターにはよく電源ボタンがありましたが、今回はありませんね。個人的には不要だと思っていたので、全く問題ないです。

正面から撮って見ました。

TP-Link Archer AX23Vのポイント
それでは、今回のAX23Vについて、いくつかポイントとなる部分をピックアップして解説していきたいと思います。
縦型コンパクト、壁掛けに最適!
今回のルーターですが、冒頭でも書いていますが、本当に小さいです。
どれだけ小さいのかですが、少し前のモデルと並べて比較して見ました。

サイズ感がかなりコンパクトになっているのはこれだけでもよくわかると思います。
また今回のこのルーターは、本当に小さいので、壁掛けに適しているんじゃないかと思っています。
他のルーターだと壁掛け対応と書いてあっても、実質的にサイズが大き過ぎ&重すぎて、壁掛けにするにはネジで直接打ち込まない限りでつけられないというのがありました。
前のモデルのルーターなどと重量も比較して見ましたが、他のモデルと比べても約2分の1程度の重量になっています。
メーカー | モデル | 重量(カタログ値) |
---|---|---|
TP-Link | Archer AX23V | 約 278 g |
Archer AX73V | 約 612 g | |
Archer AX80 | 約 570 g | |
Buffalo | WSR-5400XE6 | 約 684 g |
これだけ軽いものであれば、壁にネジを打ち込まなくても、両面テープでも十分貼り付けることが可能です。
試しに自宅にあった強力両面テープを貼って、壁に貼り付けて見ました。

因みに使っている両面テープはこちらです。
試しに1枚だけで貼ってみて、問題なさそうなので、おそらく本格的に設置するのであれば、2〜3枚で固定すれば問題なく使えると思います。

EasyMesh対応なので、コスパよくカバレッジ拡張できる
またこのルーターの良いところは、メッシュWi-Fiの業界横断規格、EasyMeshにも対応していることです。

TP-Linkhでは、以前からOneMeshという自社メーカー限定の仕様でメッシュWi-Fiを実現していましたが、本製品を始め、今年発売された縦型ルーターについてはSWアップデートにて、EasyMesh対応になってきています。
これにより、BuffaloのルーターにTP-Linkを繋いだり、AtermルーターにTP-Linkを繋いだりできるというわけです。
以前AX73Vで、EasyMeshを試したことがあるので、詳しい内容はこちらで確認ください。

個人的には、今回のAX23Vというのがめちゃくちゃコンパクトで壁掛けにもできるという利点があるので、今回のルーターをサテライト(拡張用)ルーターとして使うのであれば、コストも安くカバレッジも確保できるので、おすすめです。
TP-Link Archer AX23Vの実測値|5GHzをメインに使用しよう
それでは、実際にAX23Vを使って、速度などを測って見ました。
スペック上は、2.4 GHzでは最大40 MHz対応、5GHzでは最大80 MHz対応しているはずなんですが、我が家で実測した限りは2.4GHzでは20 MHzでしか接続できませんでした。


速度テスト
速度についても測定してみました。


計測については、ルーターの目の前で計測しています。
2.4 GHzで最大速度が出ていないので、ちょっと残念な感じですが、最大 112 Mbpsしか出ていないことを考えると、電波の悪いところだと、ちょっと実用にはどうなのかな?という感じです。
一方で5 GHzであれば、十分な速度が出ていますね。
Archer AX23V | |
---|---|
2.4 GHz / 20 MHz | 112 Mbps |
5 GHz / 80 MHz | 561 Mbps |
カバレッジテスト
次にカバレッジを確認していきます。
最近はiOSの仕様ので電波強度が確認できなくなってしまったので、Wi-Fi速度だけで確認しています。


結果としてですが、Wi-Fi速度だけで比較すると、2.4GHzに関しては少々残念な感じです。
特に電波が悪いところだと、10 Mbps程度になってしまっているので、音楽が映像を見る場合には少々物足りない感じになってきています。
最近のルーターはどれも同じではなりますが、2.4GHz = IoT向け回線という感じになっているので、スマホやPCでのWi-Fi利用に関しては、5 GHzでの利用をお勧めしています。
他製品との比較
ここからは他製品との比較をしていきます。
スペックで比較する
先ずはスペックについて確認していきます。
TP-Link Archer AX80 | TP-Link Archer AX73V (AX5400) | TP-Link Archer AX3000 | TP-Link Archer AX23V | Buffalo WSR-5400XE6 | |
---|---|---|---|---|---|
イメージ | |||||
クラス | ハイエンド | ミドルエンド | ローエンド | ミドルエンド | |
対応バンド | デュアルバンド | トライバンド | |||
Wi-Fi速度 | 5GHz: 4804Mbps 2.4GHz: 1148Mbps | 5GHz: 4804Mbps 2.4GHz: 574Mbps | 5 GHz: 2402 Mbps 2.4 GHz: 574 Mbps | 5 GHz: 1201Mbps 2.4 GHz: 574 Mbps | 6 GHz: 2401Mbps 5 GHz: 2401Mbps 2.4 GHz: 573Mbps |
アンテナ数 | 4本 | 2本 | 非公開 | 5GHz/2.4GHz:2 本 6GHz:2 本 | |
接続デバイス数 | 100台 | 80台 | 42台 | 36台 | 約 30台 |
CPU | クアッドコアCPU | 非公開 | デュアルコアCPU | 非公開 | 非公開 |
有線ポート | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 (WAN/LAN) ギガビットポート× 3 (LAN) | ギガビットポート×1 (WAN) ギガビットポート× 4 (LAN) | 2.5Gbpsポート×1 (WAN) ギガビットポート× 3 (LAN) | ||
USB対応 | USB 3.0 ポート × 1 | – | |||
カバレッジ (A〜D評価) | A | B | C | ||
参考部屋数* | 3LDK ~70平米 | 2LDK ~50平米 | 1LDK ~30平米 | ||
価格 | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
スペックだけ確認していくと、今回のルーター、AX23Vに関しては、ローエンドに位置するモデルになっています。
ただ単体のスペックだけ見れば、確かにハイエンドには及ばない部分もありますが、基本的にそこまで広くない一人暮らしの部屋であれば、十分に不自由なく使えるモデルだと思います。
因みに、TP-Link Archer AX1800という名前で家電量販店から販売されていますが、こちらはスペックは全く同じになっており、家電量販店向けのモデル名になります。
AmazonなどのECサイト、公式サイトではArcher AX23Vが正式名称になっています。
実際の速度で比較する
今まで当サイトで同レベルのルーターをレビューしてきているので、そちらのルーターとの速度を比較してみます。
TP-Link AX23V | TP-Link AX3000 | TP-Link AX73V | TP-Link AX80 | Buffalo WSR-5400XE6 | |
---|---|---|---|---|---|
製品画像 | |||||
Wi-Fi速度 (5GHz) | 約 561 Mbps | 約735 Mbps | 約 728 Mbps | 約800 Mbps | 約 435 Mbps |
全て最大速度での比較になりますが、ローエンドデバイスではあるので、ハイエンドに比べれば確かに遅く感じる部分もあるかもしれませんが、インターネットの実際の速度としては、約 100 Mbps が上限になってくるので、ほぼ普段の使用には問題のない速度になっているかと思います。
カバレッジで比較する
最後はカバレッジ での比較になります。




カバレッジに関しては、比較的十分に取れているといった感じです。
もちろん他のモデルと比べると、ルーターから離れるにつれ、速度低下が若干目立ちますが、それでも十分カバレッジは取れているとはいえます。
TP-Link Archer AX23Vの気になるところ
今回使ってみて、少しだけ気になった部分があるので、そこだけピックアップしておきます。
2.4GHzのWi-Fi速度がイマイチ
特に2.4GHzに関しては、最大バンド幅が40 MHzなのにも関わらず、20 MHzでしか接続できなかった、かつWi-Fi速度的にも 約 112 Mbpsということで、LAN速度として考えるとかなり遅いです。
2.4GHzに関しては、やはり干渉が大きくなってしまっているので、おそらくこの機器のせいだけでなく、周りの部屋からの干渉も影響はしているとは思います。
とはいえ、やはり感覚的に2.4 GHzで接続して、ゲーム系をやったらかなりストレスを感じてしまうかと思います。
L2TP接続には非対応
またAX23Vのソフトに関してですが、VPNサーバとしての接続方法としてL2TPがサポートしていません。
接続しているプロトコルは、OpenVPNとPPTPだけです。

PPTPは、セキュリティ的に脆弱性が問題視されて使われていないプロトコルなので、実質的にはOpenVPNのみです。
iOSでの標準VPNクライアントは、IKEv2/IPsec/L2TPの3種類になっているので、AX23VにVPN接続するためには、OpenVPNアプリを個別にインストールするなどの一手間が必要になってきます。
まとめ
今回は、TP-Link Archer AX23Vについてレビューしていきました。

- 壁掛けにぴったりな軽量&コンパクト
- EasyMesh対応だからサテライトに最適
- 2.4GHzでの速度はお察し
- L2TP(VPN)には非対応
全体の総評としてですが、確かにローエンドのルーターではあるものの、使う場所によってはむしろこの機器の方が適しているケースがあると思っています。
例えば、一人暮らしの1Kのような家であれば、無線がたくさん飛ぶ必要がありません。
さらには2LDKもしくは3LDKの家で、微妙にカバレッジが取れない場合のサテライト(メッシュWi-Fi)として使う場合に、また1〜2万円もするWi-Fiルーターを買いたくないですよね?このルーターであれば、5000円台で変えますし、セール期間に合わせればかなりお得にカバレッジ拡張できると思います。
ローエンドWi-Fiではありますが、使う場所によっては最適なルーターであるといえますね。
それでは、皆さん参考にして見てください!
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