マンションなのに何だかWi-Fiの電波が届いていない気がしていませんか?
「せっかく4LDK対応の高性能Wi-Fiルーターのはずなのに、何故か2LDKの家でもWi-Fi電波が弱い。スマートホームデバイスの接続が安定しない。。。」
そんな人にこそオススメしたいのが、メッシュWi-Fiです。
メッシュWi-Fiであれば、サテライトデバイスを増やすことでシングルWi-Fiルーターに比べて、かなり広範囲にカバレッジを確保することができます。また、それぞれのサテライトデバイスが同じ電波を吹いて端末を管理するので、中継機を用いた場合と比べて接続できる端末数がとても多いです。
メッシュWi-Fi x スマートホームの相性は抜群!
今回はTP-LinkのメッシュWi-Fi Deco X50について使用する機会を頂きましたので、その性能や実際の使用感などをレビューしていきたいと思います。
TP-Link(ティーピーリンク)とは?
先ずはTP-Linkとは?というところから始めていきますが、正式にはTP-LINK Technologies Co., Ltdという名前の会社で、中国のハイテク産業都市でお馴染みの深圳に拠点を置く会社になります。
主に小規模な店舗や、個人向けのネットワーク機器を製造・販売している会社になります。
特徴としては、コスパの良いWi-Fiルーター、メッシュWi-Fiを数多く販売していることですね。
TP-Link製品については、以下の記事にてまとめています。
Deco X50の外観|インテリアのようなルーター
それでは早速開封〜外観を確認していきましょう。
箱を開けるとDecoが2台綺麗に収まっていますね。こういう梱包の綺麗さというのは、テンションが上がるポイントですし、個人的には好きなポイントです。
色味はホワイトのみの展開です。
質感はツルッとしてはいますが、それでいて光沢が出ないように仕上げられており、どこにおいても特に違和感のないデザインです。
上部は、Decoシリーズの特徴でもある渦を巻いたようなデザインですね。
Deco X50では、ギガビットイーサネットの有線ポートが3ポート搭載されるようになりました。これはDecoシリーズでは初となります。
個人的は、ここが一番嬉しいポイントだと思っています。以前のX90/X60/X20のモデルでは、全てポート数が2つですので、メインルーターとして使用する場合にはWAN + LAN1ポートしか使用できませんでした。
特に我が家の場合はメインルーターの周りにNASとPhilips Hueの有線ブリッジがいるので、この3ポートあるおかげで、どうにか接続ができるようになったような形です。
またLEDについても、よくある一般的なルーターだと、前面部に煌々とLEDが煌めいていることが多いのですが、Deco X50の場合、前面下部にLEDが配置されているので、デザイン的にもとても良いと思っています。
昼間に関しては、下の写真のようにほとんど気になりませんし、夜中の時間帯に関しては、アプリの設定で夜中はLEDをオフにするということもできるので、寝室に設置したとしてもLEDの光が気になりません。
LEDオフの設定は、本当になんで今まで他のメーカーでなかったのか不思議なぐらいです。
同封物は、電源アダプタとLANケーブルというシンプルな感じです。
マニュアルも同封されていますが、アプリからの直感的な操作で設定が完了するので、そういったところも好感が持てるポイントですね。
Decoアプリでのセットアップが簡単
Decoを使ってみて本当に気持ち良いと思っているのが、アプリでの設定がとても簡単ということです。
BuffaloやNEC Atermルーターの場合はセットアップや設定は全てWebページから行うことが一般的です。パソコンやネットワークに慣れている人であれば問題ないのですが、苦手な人にとってはブラウザにIPアドレスを入力して、セットアップするのは結構難しかったりします。
一方TP-Linkのルーターの場合、ルーターのセットアップというよりも、むしろスマートホームデバイスのセットアップに近いような、本当に誰でも簡単にセットアップができるような感じがしています。
以下はDecoのセットアップ方法になります。
セットアップはTP-Link Decoアプリから進めていきますので、以下からアプリをダウンロードしていきます。
TP-Linkのスマートデバイスを初めて使う場合には、まずはTP-Linkアカウントから作成していきますが、このアカウントはDecoアカウントというわけではなく、TP-Link IDになります。
そのためTP-LinkのスマートカメラTapoなどで、既にアカウントを作成済みであれば、同じものが使えるので注意してください。
ここからは基本的にアプリのフロー通りに進めていけばほとんど迷うことはないですが、セットアップが必要なのはメインルーターのみになります。
サテライトに関しては、メインルーターの設定の最後に”追加”するような形で済ますことができます。
Deco X50を選択して次に進んでいきましょう。
Decoの設定は、アプリとDecoを繋いだ状態で、SSIDやパスワードを設定していくような形になります。
SSIDの名前に関しては、自分が好きなように自由に設定することが可能ですが、SSID自体は他のユーザーからも自由に見えてしまうものになるので、他人が見ても恥ずかしくないようなSSIDにしておいた方が無難ですね。
これでメインルーターの設定が完了したので、あとはサテライトデバイスを追加するのですが、サテライトの追加は驚くほど簡単です。
単純にメインルーターの範囲内でサテライトの電源を入れれば、それでおしまいです。
このTP-LinkメッシュWi-Fiの設定は本当に簡単ですね。
アプリにDecoが登録されて、SSIDのネットワークが作られれば基本的にはOKです。
ただ以下の設定だけは必ずやっておくことをお勧めします。
- 最新ファームウェアへのアップデート
- LEDコントロールで深夜帯のLEDオフ
セットアップの時間は、慣れれば本当に数分で完了すると思います。
本当にこのアプリでのセットアップというが便利で良いですね。
他のDecoシリーズとの違いは?どれを買えばいいの?
今回Deco X50を使ってみていますが、検討する際に気になるのが他のシリーズとの違いで、いったいどれを買えば良いのか悩むかと思います。
X50というのはDecoシリーズの中ではミドルエンドに位置するようなデバイスで、前モデルのX60と比べると、スペックが良くなったところもあるし、削られているようなところもあるというような感じです。
以下にDecoシリーズデバイスを比較してみました。
X90 | X60 | X50 | X20 | |
---|---|---|---|---|
イメージ | ||||
クラス | ハイエンド | ミドルエンド | ミドルエンド | ローエンド |
対応バンド | トライバンド | デュアルバンド | デュアルバンド | デュアルバンド |
Wi-Fi速度 | 5GHz1:4804Mbps 5GHz2:1201Mbps 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:2402Mbps *W52&53のみ 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:2402Mbps *HE160対応 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:1201Mbps *W52のみ 2.4GHz:574Mbps |
内蔵アンテナ数 | 4本(端末用) 2本(メッシュ用) | 4本 | 2本 | 2本 |
CPU | 1.5GHzクアッドコアCPU | 1GHzデュアルコアCPU (X60 V3の場合) | 1GHzデュアルコアCPU | 1GHzデュアルコアCPU (X20 V4の場合) |
有線ポート | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 | ギガビットポート×2 | ギガビットポート×3 | ギガビットポート×2 |
購入先 | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
Decoの中では、X90が唯一トライバンド対応のハイエンドデバイスになっていますが、スペックが一番高いだけあって、価格に関しても他のものと比べて倍近くになっています。
逆にX60/X50/X20は、スペックに違いがあるものの、値段としてはほぼ変わらない感じですね。
では、これからDecoを買う人はどれを買えば良いのかですが、個人的にはX90以外ではX50で間違いないと思っています。
X90をメインルーターにして、X50サテライトというのもの面白いかも
というのも、X60とX50の大きな違いはアンテナ数とポート数の違いぐらいになります。アンテナ数が多ければそれだけ速度や接続品質が安定したりすることもありますが、一般的なマンションや戸建てのサイズからすると、ほとんどこの違いは感じることがないと思います。
速度に関してはそもそもインターネット側に左右されますしね。
それよりも有線ポート数が2ポート→3ポートとなったことの方が普段使用する上では便利だと思います。
Buffalo 5400A6Xとの比較
ここでは我が家で今まで使っていたBuffaloのプレミアクラスのWi-Fi6ルーター、5400A6XとDeco X50を比較してみたいと思います。
https://simple-was-best.com/buffalo-wsr-5400a6x/
外観で比較する
まずは外観の比較になります。
当たり前ですが、Buffaloのルーターは、基本的にどれもモデムのような形になっていますね。
高さはDecoの方がコンパクトですね。
ただ横幅を比較すると、Decoの方が圧倒的に大きいということがわかります。
元々Buffaloの場合は、ルーター自体はどこかの棚にしまっておくような設置を想定しているので、薄くコンパクトにしておりますが、Decoの場合は普段の生活の中に溶け込むようなデザインにしているので、この横幅でもそこまで見た目は気にならないと感じています。
スペックで比較する
それでは技術仕様でも確認していきましょう。
客観的に仕様だけで比較すれば、5400A6Xの方がハード的なスペックは高いことがわかりますね。
5400A6XがDeco X90相当という感じが言えると思います。
因みに他のDecoデバイスとの比較という意味では以下が比較表になります。
X95 | X90 | X60 | X50 | X20 | |
---|---|---|---|---|---|
イメージ | |||||
クラス | ハイエンド | ハイエンド | ミドルエンド | ミドルエンド | ローエンド |
対応バンド | トライバンド | トライバンド | デュアルバンド | デュアルバンド | デュアルバンド |
Wi-Fi速度 | 5GHz1:4804Mbps 5GHz2:2402Mbps 2.4GHz:574Mbps | 5GHz1:4804Mbps 5GHz2:1201Mbps 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:2402Mbps *W52&53のみ 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:2402Mbps *HE160対応 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:1201Mbps *W52のみ 2.4GHz:574Mbps |
内蔵アンテナ数 | 4本(端末用) 2本(メッシュ用) | 4本(端末用) 2本(メッシュ用) | 4本 | 2本 | 2本 |
CPU | 1.7GHzクアッドコアCPU | 1.5GHzクアッドコアCPU | 1GHzデュアルコアCPU (X60 V3の場合) | 1GHzデュアルコアCPU | 1GHzデュアルコアCPU (X20 V4の場合) |
有線ポート | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×2 | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 | ギガビットポート×2 | ギガビットポート×3 | ギガビットポート×2 |
購入先 | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
実測値で比較する
それでは実際に使ってみて速度やNW遅延(レイテンシ)を確かめてみました。
速度の結果としては、インターネット速度に関しては我が家のJ:COM回線の場合は、上限が低いのでほとんど変わらないということになりました。
またNW遅延(レイテンシ)に関しては一長一短と言えるような結果となりました。因みにレイテンシーの測定方法は、パソコンからルーターに対してPingを打ったとき応答速度を使っています。
今回はサテライトにパソコンが繋がっているので、サテライトまでであればDecoの方が圧倒的に速い。ただし、メインルーターまでと考えると、サテライト経由になってしまうので、+3msほど多くかかることになります。
ただ5400A6Xと比較して、その差は1ms程度になるので、体感としてはほぼ変わらないということが言えると思います。
実測値 | Buffalo AX5400 | TP-Link Deco X50 |
---|---|---|
レイテンシー (PC-ルータ間) | 5GHz: 5.07 ms 2.4GHz: 5.40 ms | サテライト: 3.67 ms メインルーター: 6.59 ms |
インターネット速度* | 5Ghz (DL 100.6 Mbps UL 7.9 Mbps) 2.4GHz (DL 26.7 Mbps UL 6.85 Mbps) | DL 112.9 Mbps UL 9.61 Mbps |
Wi-Fi速度** | 5Ghz 約170Mbps 2.4GHz 約20Mbps | 約300Mbps |
** iPerf3を使って、PC-スマホ間で計測
そして圧倒的な差が出たのは、Wi-FiのLAN速度になります。
これはインターネットスピードではなく、あくまでもPCースマホ間の通信速度をiPerf3というコマンドを使って計測する方法なのですが、Buffaloのプレミアモデルが20Mbps/170Mbpsのところを、DecoX50のメッシュWi-Fiの場合だと、なんと300Mbpsという速度を叩き出しました。
これはもちろん電波状況が改善したということもありますが、おそらくメッシュWi-Fiの特徴でもあるサテライトデバイスそれぞれが処理を分散させるというメリットも関係してここまでの差が出たのかと思います。
カバレッジで比較する
Wi-Fiカバレッジに関して、かなり顕著に差が出ました。
我が家の場合はルーターの位置と、パソコンが置いてある部屋がほぼ対角線の一番遠いところに位置しており、プレミアモデルの5400A6Xといえども、実は無線が届いていませんでした。
※因みに5400AX6のスペック上は、戸建て3階建/マンション4LDKまで対応ということになっていますが、我が家は2LDKです。
以下はWi-Fiヒートマップになりますが、見てわかるように左上のWi-Fiカバレッジが弱いことがわかりますね。(緑>黄>赤の順に電波が弱いことを示している)
2.4GHzであれば、まだマシにはなっていますが、それでも電波が届いていない(十分でない)ところが確認できます。
それではDeco X50に変えてどうなったのかですが、下の結果で見てわかるように圧倒的にカバレッジが改善しました。
サテライトが増えているため、当たり前とも言えるのですが、この結果でわかることは例えマンションや、そこまで部屋が大きくないところだったとしても、カバレッジが届かないエリアが出ている場合には、メッシュWi-Fiを導入する価値はあるということですね。
OneMeshとEasyMeshとの違いは?
メッシュWi-Fiを検討する際に、おそらく必ず検討に上がるのは同じくTP-LinkのOneMeshと、BuffaloやNetGear、NECが採用しているEasyMeshだと思います。
それぞれのメーカーでもしっかりと公表していないところもあるので、わかっている限りですが、以下で比較表を作ってみました。
TP-Link Deco | TP-Link OneMesh | EasyMesh | NetGear Orbi | |
---|---|---|---|---|
対応メッシュプロトコル | IEEE 802.11k/v/r | IEEE 802.11k/v | IEEE 802.11k/v/r | IEEE 802.11k/v |
完全なシームレスローミング | ✔️ | ❌ | ✔️ | ❌ |
APS (Adaptive Path Selection) | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ❌ |
対応メーカー | TP-Link | TP-Link | Buffalo, NetGear, NEC | NetGear |
中継方法 | 直列接続 並列接続 | 並列接続 | 並列接続 | 並列接続 |
最大ユニット | 10台 | 3台 | 4台 | 3台 |
ブリッジモード対応 | ✔️ | ❌ | ✔️ | ✔️ |
最大接続端末数 | ~200台* | ~100台* | ~36台* | ~120台* |
OneMeshに関しては、メッシュWi-Fiというよりもルーター+中継機という名称の方がしっくりくるのですが、あくまでもSSIDを共有して使えるというだけで、個人的にはメッシュWi-Fiのように網のようにカバレッジを構築するのには向いていないように思えます。
高性能なルーターを置いて、それに加えて足りないところに中継機を置くような使い方であればOneMeshも良いのかと思います。
EasyMeshの特徴は、唯一ベンダーニュートラルに使えるというのが一番の特徴になります。仕組みとしてはOneMeshと似ています。
DecoシリーズのメッシュWi-Fiに関しては、この中で唯一直列接続が可能になっています。
並列接続 | サテライト ← メインルータ → サテライト |
直列接続 | メインルータ → サテライト → サテライト |
直列接続ができるというのは、例えば1階がメインルーターで、2階にサテライト、3階にサテライトのような接続ができるようになるので、それだけ接続の自由度が増すことになります。
因みにOneMesh/EasyMeshでも非公式であれば、直列接続もできるらしいのですが、公式には推奨してないので、安定性というところでは疑問が残るところです。
TP-Link Deco X50の気になるところ
ここからはTP-Link Deco X50の気になるところをいくつかピックアップして解説していきます。
電源アダプタが大きい
そして地味に気になるのがこの電源アダプタです。
海外メーカーらしいと言えるのですが、電源アダプタがかなり大きいです。一応壁のコンセントに指す場合には上下のポートを邪魔しないようになってはいます。
しかしマルチタップのコンセントに接続する場合には、下の写真のように完全に横のポートを塞いでしまっています。
メリットデメリットあるのですが、個人的にはコンセント周りはただでさえ混雑しやすいので、ここら辺はスッキリしてもらうと嬉しいですね。
まとめ
今回はTP-LinkのメッシュWi-Fi Deco X50をレビューしていきました。
- 室内に溶け込むデザイン
- メッシュWi-Fiで死角なし
- スマートホーム環境に最適
- 電源アダプタが大きい
メッシュWi-Fiは戸建てみたいな大きな家を持っている人にしか要らないものだと思っている人もいるかもしれませんが、今回の我が家のようなケースではシングルWi-Fiではカバーできないケースもあります。
そう言った場合に中継機を使うこともできますが、中継機では対応できないケース/機能もありますし、今後スマートホームが益々普及していき、自宅の中でたくさんのIOTデバイスが増えていく場合には中継機よりも今回のようにメッシュWi-Fiの方が便利になることもあるかと思います。
それではみなさんぜひ参考にしてみてください。
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