近年屋内用の見守りカメラが手に入り安くなってきています。
筆者の家にも小さい赤ちゃんがいるので見守りカメラを使っているのですが、今回Tp-Linkの新製品Tapo C220を使う機会をいただいたので、
赤ちゃんのいる家庭で使う見守りカメラという視点で筆者が使っているPanasonicの見守りカメラとの比較レビューをしていきたいと思います。
画像比較
2つのカメラの映像を切り出して比較をしました。
昼間
スペック表通りというか、やはり、Tapo C220の方が、画角も広く、映像も鮮明です。画角が広いと部屋の状況がよくわかりますのでこれだけでも優位点だと思います。
また、Tapoの方はパトロール機能といって、プリセットした位置を巡回する機能があるので、何かを監視する用途にはもってこいだと思います。
ナイトビジョン時
Tapoの方が、画角が広い分、赤外線LEDの照射角度に対して、画角のはじが若干暗めに出ています。Panasonicの方が画角が狭い分有利になっていて、見やすさという面では明るめに見えていますね。
ズーム比較(ナイトビジョン時)
ズーム比較としては一番悪い条件(高感度+赤外線LED使用時)で比較しました。
Tapoの方が若干暗めなんですが、高感度ノイズも気にならず、画素数が多い分、ズームしても詳細な画像を保っているように思うので、ズームして見るようなことを想定する場合はできるだけ画素数が多い方を選んだ方が良いと思います。
Tapo C220の良いところ
カメラとしての基本性能の高さ
400万画素の画質に、画角やパンチルト範囲の広さ、デジタルズーム機能などカメラとしての基本性能の高さが高次元でまとまっていると思います。
通常使用であればまず文句ないレベルではないでしょうか。
さらにAI機能が豊富で様々な検知が可能となっています。
動作検知 | 画面内で何かが動いた時に通知する機能。例えば危険な箇所だけとか、特定の廊下だけとか、通知範囲を絞るようなことも可能。 |
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人物検知(★) | 動作検知をした内、人物であることを自動的に判断して通知する機能。特定の人物を判別するようなことはできない。 |
ライン通過検知(★) | 映像の中に仮想的なラインを設定してそこを通過すると通知する機能。通常は敷地の管理などに使う機能と思いますが、見守りカメラとして使うなら、キッズコーナーから出てしまった時とか、バルコニーに出てしまった時に通知するなどの用途が考えられます。 |
カメラタンパリング(★) | 主に防犯カメラ用の機能ですね。カメラを損壊するような人物の行為について通知する機能です。 |
赤ちゃんの泣き声検知 | 物音の検知のうち、赤ちゃんの鳴き声を判断して通知する機能。見守りカメラとしては必須機能だと思います。 |
車両検知(★) | 動作検知をした内、車両であることを自動的に判断して通知する機能。屋内カメラというよりも屋外に向けた防犯カメラに適しているような機能だと思います。 |
ペット検知(★) | 動作検知をした内、ペットであることを自動的に判断して通知する機能。 |
猫の鳴き声検知(★) | 物音の検知のうち、猫の鳴き声を判断して通知する機能。これはベータ版の機能とのこと。 |
犬の鳴き声検知(★) | 物音の検知のうち、犬の鳴き声を判断して通知する機能。これはベータ版の機能とのこと。 |
ガラス破損音検知(★) | 物音の検知のうち、ガラス破壊音を判断して通知する機能。これはベータ版の機能とのこと。防犯カメラっぽい機能ですね。 |
また、動画撮影機能がスムーズなのも気に入りました。
Panasonicの方も動画撮影機能はあるのですが、見守りモードを設定した時や手動で撮影ボタンを押した時のみ。
これだと日常的に撮影しているような感覚がないのですが、TapoC220の方は何かの検知をしたときに自動的に撮影するようになっているので日常を撮影する用途にも適していると思いました。
柔軟な取り付け方法
固定用ベースが付属しているため、据え置きのほか、壁付け、天井付けに対応している点がとても良いと思います。
固定用マウントを取り付ける穴があります。また、固定用マウントがなくとも自立するようにクッションがついています。
固定用ベースにビスが付属しています。これを壁や天井に固定することで設置の自由度を高めています。
なんといっても高コスパ
6000円程度の価格はやはりとても魅力的です。Panasonicの見守りカメラは3倍程度なので、正直ここまで価格差があると比較対象としていいのかというレベルです。
横に並べてみてもチープさが気になることもなく(高級感がある訳ではない)質感、出す画像、アプリの作り込みなどを比べてみて、3倍以上の価格差があることが不思議なくらいよく作られている製品と感じました。
Tapo C220の気になるポイント
見守りカメラとして考えると機能面が乏しい
これは汎用カメラという立ち位置の商品だと思うので仕方がないですが、子供の見守り用途として使うとなると鳴き声検知以外に専用機能がないので専用品と比べると見劣りする印象です。
また、プライバシーゾーンといって、一部の部分をブラックアウトして映さないという機能もあるのですが、これはカメラを動かしてしまうとブラックアウトした部分も一緒に動くわけではなく、あくまで画面上の一部がブラックアウトしているだけなので、どちらかというと据え置き型カメラに使うような機能と思いました。
検知機能の切り替えがワンタップでできない
検知機能で、動体検知や鳴き声検知をオンにしてくと、出入りした際など、結構頻繁に通知がなります。
これの解除をするためにメニューを数タップする必要があり、ちょっと煩わしく感じる時がありました。
できれば、アプリのメニューに【見守りモード】のような切り替えボタンをつけてもらってワンタップで切り替えできると良いなと思いました。
Matter対応してほしい
スマートスピーカー対応(Google Home、Alexa)はしているのですが、iPhoneのHomeアプリで他のスマート家電と一緒に一元管理できると助かるなと思いました。
パン、チルトの際に、画面タップでレンズが動かない
Panasonicの方は、スマホアプリ上で見たいところをタップするとそこが中心になるようにカメラが動いてくれるのですが、Tapoの方は画面に出てくる上下左右のボタンを出して、そこを押すような何タップかするような操作になるのが直感的ではなくてちょっと気になりました。
スペック比較
スペックの比較表を作成しました。
Tapo C220 | Panasonic KX-HBC200 | |
---|---|---|
イメージ | ||
画質 | 2K QHD (2440×1440) 400万画素 | フルHD (1920×1080) 200万画素 |
パンチルト | 水平:360 垂直:114° | 水平:約+153°(右側)~-153°(左側)垂直:約+29°(上側)~ -29°(下側) |
デジタルズーム機能 | あり +タップでプリセット画角に変更 | あり |
寸法 | 85x87x118(mm) | 133x98x98(mm) |
質量 (実測値) | 440g | 460g |
Wi-Fi規格 | Wi-Fi6 2.4GHz 574Mbps | Wi-Fi4 2.4GHz 300Mbps |
最低被写体照度 | 未公表(ナイトビジョンあり) | 0ルクス |
画角 | 水平:約61° 垂直:約48° | 水平:約54° 垂直:約31° |
AI検知機能 | 動作検知 人物検知 ライン通過検知 カメラタンパリング 赤ちゃんの泣き声検知 車両検知 ペット検知 猫の鳴き声検知 犬の鳴き声検知 ガラス破損音検知 | 動作検知 温度検知 赤ちゃんの泣き声検知 |
自動追尾機能 | あり | あり |
おやすみ音・子守唄 | なし | あり(ホワイトノイズなど) |
固定方法 | 固定用土台付属 | 吸盤設置 |
設置方向 | 据置・壁付け・天井 | 据置のみ |
通話機能 | あり | あり |
その他機能 | 検知エリア指定・プライパシーゾーン指定 | タイムラプス機能 |
専用アプリ | あり | あり |
価格 | Amazon | Amazon |
評価コメント | 画質や画角などが優れており、コストパフォーマンスが高い。 赤ちゃんの見守りにも使えるがどちらかというと、防犯用が充実している印象。 取り付け方法も壁付けでき、尖った機能は持っていないが、価格含め総合的にそつなくこなす優等生のような印象。 複数台の設置や防犯用途への転用も考えるのであればこちらがおすすめ。 | 良くも悪くも、ベビーカメラに特化した機能を持つ商品。画質や画角などカメラとしての基本的な機能は高くないが、温度検知機能や、おやすみ音機能など赤ちゃんの見守りに特化した機能が光る。 惜しいところを挙げると、固定が吸盤だけで、据え置きしかできない点。寝顔が見えるような角度で置こうとすると据え置き型だといい角度が見えないことが多いため、壁付けで設置できるようにマウント用のネジ切りでもされているとなお良し。 また、価格もTapoC220に比べ、3倍以上の開きがあるので、コスパ悪し。 |
どちらかというと優れている点を赤字で表記しました。
Tapo C220は汎用AIカメラといった感じで、Panasonic KX-HBC200は子供の見守りに特化したカメラといった印象でした。
まとめ
今回はTapo C220を見守りカメラとして使う場合のPanasonic見守りカメラとの比較レビューをしていきました。
- 基本性能の高さと豊富なAI機能
- 柔軟な取り付け方法
- 高コスパ
- 見守りカメラとしての機能は乏しい
- 検知切り替え機能が欲しい
- Matterできていない
- レンズを動かすのに一手間必要
前述の通り、この商品を一言で言うのであれば、コスパの良い室内用汎用カメラ。
といった感じでしょうか。
コスパよく防犯用途としても使いたいし、子供の見守りカメラとしても使いたいと言うニーズをとらえた商品と言えます。
こんな人はかなりフィットしているのではないでしょうか。
- お手頃な屋内用のカメラをとりあえず使ってみたい
- 子供用の見守りカメラとしても使いたい
それではみなさん是非お試しあれ。
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