今回紹介するのはパーティション管理ソフトのMiniTool Partition Wizardです。
パーティションって何のこと?なんのために使うの?
一見「自分は使いそうにないなぁ」「難しそう・・・」と思った人も、使ってみれば簡単に使うことができ、きっと便利だと感じると思いますよ。
今回僕が使ってみるのは、「MiniTool Partition Wizard無料版」になります。では早速やってみましょう。
- パソコンのドライブがCドライブだけだからDドライブを追加したい
- パソコン/外付けHDD/SSD、USBメモリを処分したいんだけど、データ漏洩が心配
- 簡単にディスクベンチマークテストをやってみたい
MiniTool Partition Wizard無料版でできること
先ずはMiniTool Partition Wizard無料版で何ができるのかを説明します。
できることは以下のような感じになっています。
主な用途 | 無料版 | プロ版以降の上位モデル | |
---|---|---|---|
パーティション管理・変更機能 | C/Dドライブの容量の変更 | ○ | ◎ |
データ復元機能 | 紛失データの復元 | ×(プレビューのみ) | ◎ |
ディスク検査機能 | ディスクベンチマークテスト | ◎ | ◎ |
ディスク変換機能 | ファイルフォーマット変換 | ○ | ◎ |
ディスク複製機能 | HDD/SSD換装 | △ | ◎ |
ディスク抹消機能 | データ完全消去 | ◎ | ◎ |
Bootableディスク作成機能 | Win-PEメディアの作成 | × | ◎ |
各Versionごとの機能詳細は公式ページのVersion比較をご覧ください。
無料版でできるのはパーティション管理・変更機能をメインとして、そのほかのディスク関連の機能もありますが、いくつか制限があります。
無料版では機能制限が多いようにも見えますが、実際の用途を考えればHDD/SSD換装や、Windowsブータブルメディアの作成など、PCを自作するような人でなければ使わない機能ですし、個人で通常使用するような機能は無料版でも十分便利に使えますよ。
パーティション変更でDドライブを作成してみる
先ずはパーティション管理変更の機能になります。
我が家にあるSurface Proなんですが、デフォルトではCドライブしかありません。CドライブとDドライブの一般的な違いは以下のような感じになっていますが、最近のパソコンについてはCドライブしかないものも多いです。
Cドライブ | OSなどのシステムデータ |
Dドライブ | それ以外のデータ(書類、写真など) |
そもそもCドライブとDドライブが分かれている理由としては、Cドライブに格納してあるOSなどのシステムデータに何か問題が起きたときに、データ復旧をかけるとします。
しかしもしCドライブに全てのデータあるとしたら、そこに格納してあるシステムファイル以外の書類、写真などのデータにも影響を与える可能性があります。そんなときには、論理的にDドライブを作成しておくことで、安全にCドライブのデータをフォーマットすることができるのです。
ここで注意したいのは、ここでいうデータの問題というのが、論理障害であるときのみ上記のようなパーティションが有効です。逆にHDD自体の機械的な物理障害が起きてしまった場合には、C/Dドライブなどの分け方は意味がありません。
ただ論理障害には有効であるという意味では、念のためDドライブだけ作成しておくというのも良いと思います。
Surfaceのような現在CドライブしかないディスクにDドライブを作成する手順は以下になります。
先ずはMiniPartition Wizardを開いて、Cドライブを確認してもらうと、ファイルシステムのところが”BitLocker”となっているのがわかります。
これはいわゆるデータが暗号化されている状態で、このままだとパーティションの変更をすることができません。
なので作業にあたり、暗号化を一時的にオフにする必要があります。
ディスクの暗号化をオフにするには、Windowsの「設定」>「更新とセキュリティ」をタップします。
その後、左のバーの一番下に「デバイスの暗号化」があるはずですので、これをタップして、デバイスの暗号化をオフにしてください。
*もし「デバイスの暗号化」自体がない場合には、パソコンの管理者でない可能性があります。
作業終了後に必ずデバイスの暗号化をオンに戻すのを忘れずに!
もう一度MiniTool Partition Wizardを開いて、対象のパーティションを選択した状態で、「パーティション分割」をタップしましょう。あとはスライドバーが出てきますので、このバーを左右に調整して、自由にDドライブを容量を決めましょう。
因みに一般的にCドライブの最低必要容量はOSだけであれば、60GB程度になりますが、今後のアプリをどれだけ追加でインストールするか、書類の保存先をどこにするかによって、必要な量は大きく変わっていきます。またWindowsの大型アップデートや、Officeなどの更新の一時ファイルは稀に3〜5GB程度になることもあります。Cドライブの容量が少なくなると、パソコンの動作が遅くなる原因にもなるので、多めに確保しておくことをオススメします。可能であればCドライブに100GB確保して、残りをDドライブにするなども良いかもしれませんね。
ディスク復元とディスク抹消でデータを完全消去してみる
次はデータ復元とディスク抹消についてです。
普段使わなくなったパソコンやHDD、もしくはUSBをそのまま捨ててなんかしてませんよね?またメルカリなどのオークションで売ったりするときに、まさかディスクフォーマットだけで消したつもりになっていませんか?
例えば、我が家に転がっていたUSBをMiniTool Partition Wizardでデータ復元してみるとどうなるかみてみましょう。
先ずはUSBを差して、中身をみてみます。
フォルダーが空であることが確認できますよね?
次にMiniTool Partition Wizardでデータ復元をしてみると、どうなるかというと。
この通り、なんと数年前に削除したはずの写真がバッチリ残っていることが確認できちゃうわけです。
無料版であると、スキャンとプレビューのみしかできないんですが、プロ・デラックス版であれば、復元/保存も可能です。
消したつもりでも実はデータは残っているんだよ!
では、データを完全に消去するにはどうすれば良いかというと、それが次に紹介するデータ抹消機能になります。
データ抹消をするためには、MiniTool Partition Wizardで対象のドライブを選択した状態で、右クリック(もしくは左のメニューバー)して、「データ抹消」を選択しましょう。
データ抹消にいくつかレベルがあり、その度合いにより、データの抹消率が変わってきます。
例えば、下から2番目のDoD 5220.22-Mになると、アメリカ国防総省準拠の規格になっているぐらい強力なデータ消去方法です。
但し、下にすればするほどデータ抹消率は高くなりますが、その分時間もかなりかかります。
今回試しに4GBのUSBメモリを1番の上の「セクタを0で埋め尽くす(高速)」でデータ抹消してみましたが、かかった時間は30分でした。
一番強力な「超低速」を選択すればそれだけ完全な消去が可能ですが、その分時間がかかることを覚悟してください。
因みにデータ抹消後、USBメモリのデータ復元をかけてみたのが、以下になります。
完全にデータがなくなったことが確認できますね。これで一安心です。
データベンチマークでディスクの読込速度/書き込み速度を調べてみる
最後にディスクベンチマーク機能を使って、ディスクの速度を測ってみましょう。
ディスクベンチマークというと、ウェブでよく見かけるCrystalDiskMarkが有名ですが、MiniTool Partition Wizardにも同様にディスクの速度を図ることが可能です。
やり方はとても簡単で、速度を図りたいディスクを選択した状態で、上部の「ディスクベンチマーク」をタップします。
細かい設定もできますが、今回はこのまま「開始」してみます。
すると、以下のようにディスクの読込速度/書込速度をチェックすることができました。
使い方としては、パソコンを新しく変えたときや、HDD/SDDの速度を実際に図るときにちょっと使ってみるといった感じですね。
あとがき
- MiniTool Partition Wizardなら簡単にC/Dドライブ作成ができる
- パソコンデータを処分する前には必ずデータ消去をしよう
- HDD/SSD換装、Windowsブータブルメディアを作成するならプロ・デラックス版で
今回はMiniTool Partition Wizard無料版を使ってみました。
本当にシンプルな操作で、誰でも簡単にパーティションの管理変更、ディスク復元/消去ができると思います。
またMiniTool Partition Wizardの地味に良いところは、一度操作をタップしてもすぐに実行されず、保留中の動作として一旦ユーザーに確認を求めることです。
こういったディスク周りで誤操作した日には大変なことになりますから、地味に助かる機能ですよね。
MiniTool Partition Wizard無料版は、本当に多機能で無料でここまでできて良いんだろうか思ってしまうぐらいですね。
自分でパソコンを組み上げたり、SSD換装してみたいという人であれば、プロ版、プロ・デラックス版もオススメです。
是非、皆さんもお試しください!