業務時間外にスマートフォンに通知が届き続けると、完全なリラックスが難しく、ストレスが溜まりやすくなります。
これに対して、近年注目されているのが「つながらない権利」です。
今回は、iPhoneの設定を活用して業務時間外の仕事の通知をオフにし、ストレスを軽減する方法をご紹介します。この記事を参考に、仕事とプライベートをしっかりと分け、ワークライフバランスを守りましょう。
私もこの設定をして週末のストレスがかなり軽減しています!
「つながらない権利」とは?なぜ必要なのか?
「つながらない権利」とは、仕事の時間外に業務に関する連絡や通知に応答しない権利を意味します。
リモートワークやデジタルツールの普及により、常に接続されている状態が当たり前になった今、業務時間外も仕事の通知が来ることが多くなり、気が休まらないと感じる人が増えています。
リモートワークが以前より当たり前になっている影響により、スマホ、メール、LINE、Slack、Chatワークスなど、以前よりもプライベートの時間における連絡手段が多様化し、また心理的な距離もかなり近くなりました。
昔はパソコンを家に持って帰ることもなかったので、会社にいる時にしか仕事は物理的にできなかったわけですが、現在は本当スマホにインストールされているアプリをクリックすればすぐに仕事ができてしまいます。
また一方で、プライベートと仕事の垣根が小さくなってしまったせいで、オンオフの切り替えに悩む人が増えています。
実際に日本労働組合総連合会の調査によると、「勤務時間外に、部下・同僚・上司から業務上の連絡がくる」と答えたい人は平均72.4%にのぼっており、同様に、「勤務時間外の職場内からの連絡」を受けた人の62.2%がストレスを感じると答えています。(つながらない権利に関する調査レポート, 2023)
ある調査では、業務時間外に仕事のことを考えるだけ・目にするだけでストレスを感じるようになるとも言われており、その内容が自分への指示じゃなかったとしても、通知が来るだけでも心理的な影響があるということになります。
海外でも同様な動きが広がっており、フランス・イタリアでは2017年の改正労働法によって「つながらない権利」が法制化されました。但し、内容としては連絡することを禁止するのではなく、やむを得ない事情なども勘案して、しっかりと労使で協議して、合意することということになっています。
2021年にはポルトガル、2022年ではベルギーで、さらに強力な規制が始まり、企業が就業時間外に従業員に連絡することを原則禁止する、もしくは連絡を遮断する権利が与えられており、違反企業には罰金という厳しい法令が施行されています。
こうした取り組みは、日本でも徐々に注目され始めています。
業務時間外にしっかりと休息を取ることは、集中力を保ち、ストレスを軽減し、長期的な生産性向上にもつながるというわけですね。
iPhoneで業務時間外の通知をオフにする方法
では、実際にiPhoneで「つながらない権利」を守るための設定方法を詳しく見ていきましょう。
ここでは、「おやすみモード」「集中モード」「通話・メッセージのフィルタリング設定」の3つの方法をご紹介します。
1. おやすみモードの基本設定
「おやすみモード」は、iPhoneに搭載されているシンプルな通知オフ機能です。指定した時間に自動的に通知をオフにし、業務時間外に気を休めたい場合に便利です。
設定手順
1. iPhoneの「設定」アプリを開き、「集中モード」を選択します。
2. 「おやすみモード」をタップし、設定画面に移動します。
3. 「スケジュール」を有効にし、通知をオフにしたい開始時間と終了時間を設定します。たとえば、夜8時から朝8時までなど、プライベートの時間を確保できます。
私の場合には、平日の19時以降と、週末には一切通知が届かないように設定しており、設定時間になると自動的にシーンがONになります。
この設定により、指定した時間には自動的に通知がオフになり、リラックスできる環境が整います。
因みに通知が来なくなると、アイコンの右上にある通知バッジも一切表示されなくなるので、ぱっと見では何も更新がないように見えます。
一方でアプリも開くことはできるので、どうしても見たい場合にはアプリをクリックして開いて確認することも可能です。
2. 集中モードのカスタマイズ
iOS 15以降に搭載された「集中モード」では、通知をより細かく管理することが可能です。特定のアプリや連絡先の通知だけをオフにできるため、仕事とプライベートを切り替えるときに活用できます。
設定手順
1. 「設定」アプリから「集中モード」を選択し、「+」ボタンで新しい集中モードを作成します。
2. 「仕事」「プライベート」など目的に応じてモードに名前を付け、カスタム設定を行います。
3. 通知を許可するアプリや連絡先を選び、それ以外の通知はオフになるよう設定します。
例えば、仕事中は「仕事モード」をオンにして、家族や必要なアプリのみ通知を許可し、退勤後には「プライベートモード」をオンにして、仕事関連の通知を完全にオフにするなど、柔軟に使い分けることができます。
私の場合には、仕事で使うOutlook、Teams、Gmail、GoogleChatなどは完全に通知をオフにするような設定しています。
因みにこの設定は、同じAppleIDで登録しているスマホでは共通で適用されるため、もし業務用スマホと同じIDで登録している場合には片方で設定すれば一緒に適用されます。
3. 通話・メッセージのフィルタリング設定
iPhoneでは、特定の連絡先のみ通話やメッセージを通知するように設定することも可能です。緊急時の連絡を逃さず、それ以外の通知はオフにしたい場合に便利です。
設定手順
1. 「集中モード」内の通知設定で、通話許可の連絡先を指定します。
2. 家族やパートナーなど、緊急時に連絡が必要な人のみを「許可された連絡先」に設定します。
こうすることで、重要な人からの連絡を受け取る一方で、その他の通知はオフにすることが可能です。設定後は、必要な通知だけが届くため、安心してリラックスできます。
「つながらない権利」を守るための工夫とポイント
1. 仕事とプライベートの境界をつくる小さな習慣
通知の設定に加えて、仕事用とプライベート用のスマホを分ける、通知を完全にオフにする時間を設けるなどの小さな工夫も効果的です。
仕事とプライベートをきっちりと分けることで、メリハリのある生活を送ることができます。
2. デジタルデトックスのすすめ
デジタルデバイスから離れる「デジタルデトックス」も、ストレス軽減に有効です。
就寝前の1時間はスマホを使わない、週末は通知を完全にオフにするなどの工夫で、リラックス効果を高めましょう。
3. 職場でのコミュニケーションと理解の重要性
職場で「つながらない権利」の理解を共有することも大切です。
特にリモートワークでは、自分が「集中モード」などの設定を利用していることを伝え、上司や同僚に理解してもらうと、職場全体で健全なワークライフバランスが保ちやすくなります。
まとめ
ここまで、iPhoneで業務時間外の通知をオフにする方法を解説しました。
設定手順を振り返りながら、業務時間外にしっかりと休息できる環境を整えましょう。業務時間外の通知をオフにすることで、仕事とプライベートの境界が保たれ、ストレスが軽減される効果が期待できます。
さっそくiPhoneの設定を確認し、自分に合った集中モードやおやすみモードを設定してみましょう。
少しの工夫で、よりリラックスした充実した時間が手に入ります。
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