テレワークも当たり前の生活になってからというもの、専用の仕事部屋が欲しいなと思う日々が続いていますが、なかなかそうも行きませんよね。
とはいえ、どうにか仕事の効率化を考えると行き着く1つの解がノイズキャンセリング搭載イヤホンになりました。(あくまでも僕の場合)
正直前々からノイズキャンセリングイヤホンについては気になってはいたのですが、個人的にカナル型のイヤホンを四六時中ずっと着けているのが好きじゃないというのと、テレワーク中の打合せの多さにワイヤレスイヤホンのバッテリーが耐えきれなくて、最近はiPhone付属の有線イヤホンばかり使っていたんですよね。
ただやはり今回ノイズキャンセリングを導入しようと決意し、ついにBoseのフラッグシップモデルのNoise Cancelling Headphone 700を買ってしまいました。
本製品は2019年に発売されたものですが、2020年以降にBoseから発売されているQCシリーズ(QuietComfort)されているものがミドルエンドとすると、NC700のみが唯一ハイエンドモデルになっています。
発売から2年以上経過した今も他メーカーの最新モデルと性能的にも引けを取りません。
それでは、今更ながらにもなりますが、Bose Noise Cancelling Headphones 700をレビューしてみたいと思います。
ノイズキャンセンリングとは?
先ずはノイズキャンセリングってどういう機能なのかをおさらいしておきたいと思います。
一般的にイヤホンやヘッドホンの機能紹介で書かれるノイズキャンセリング機能というのは、実は2種類あります。
- パッシブノイズキャンセリング(PNC)
- アクティブノイズキャンセリング(ANC)
両方ともノイズキャンセリングしてくれることには間違いないのですが、どうやってノイズ(騒音)を消しているかが違います。
どちらのノイズキャンセリングがより優れているかといえば、もちろんアクティブノイズキャンセリング方式です。
たまに安いワイヤレスイヤホンで、ノイズキャンセリング対応と書かれているものがありますが、あれは要は遮音性を高めたパッシブノイズキャンセリングイヤホンということだと思います。
ただアクティブノイズキャンセリングにもデメリットがあって、それはバッテリーです。
NC機能をオンにしている状態は、常に外部のマイクから集音した音をモニターし、ノイズキャンセリングのために逆位相の音を生成しているような状態です。そのため、たとえ音楽を再生していなくてもバッテリーをどんどん消費することになります。
例えば、ノイズキャンセルで有名なSONYの完全ワイヤレスイヤホンWF-1000XM4の連続再生可能時間は、NCオンで最大8時間、NCオフで最大12時間となっています。
Bose NC700の魅力
それでは実際に1週間テレワークでBose NC700を使ってみましたので、そこで感じたNC700の魅力をいくつかピックアップして紹介したいと思います。
10段階までの調整可能なノイズキャンセリング
まずは何よりもノイズキャンセリング機能ですよね。
Boseといえば、ノイズキャンセリングの先駆け的な存在でしたし、そのノイズ除去技術はやはりすごいです。
ヘッドホンを着けて、NCオンにした瞬間に、周りの音がスッとなくなっていくような感覚になります。
ノイズキャンセリングの強さは10段階で調整することができ、10が一番強くノイズを除去し、0にすると逆に「外音取り込みモード」になるので、ヘッドフォンをつけた状態で会話することができます。
因みにNCオンにした状態だと、本当に周りの音が聞こえなくなるので、隣でつけているテレビの音はもちろん、後ろで話しかけてくる家族の声も一切聞こえなくなるので、怒られないように注意してください。
我が家では基本テレワークになっているのですが、まだ子供が小さいのでよく泣き声が聞こえるのですが、NC700でNCオンにすると、微かに聞こえる程度で集中して仕事を続けることが可能です。
見た目と質感が最高
そしてNC700の大きな魅力の1つはやはりその見た目と質感です。
一般的なヘッドフォンだとヘッドバンドの横の部分が伸びて、耳の高さに合わせて調整することになると思うのですが、NC700の場合は、ヘッドバンドとイヤーパッドの間の部分が滑らかに繋がっています。
これがとても着けていて心地がよく、またメガネなども引っかかることもありません。
一般的なヘッドフォンはゴツゴツしているようなデザインですが、NC700はスリムで滑らかな流線型のデザインになっています。
長時間着けていても痛くならない装着感
ヘッドフォンをつけるときに少し気になるのが、圧迫感だと思います。
特に長時間つけていると、頭が痛くなったりすると思いますが、NC700のヘッドフォンは正直「絶妙」なフィットを出してくれます。おそらくプロテインレザー製のイヤークッションも良い効果を出してくれていると思うのですが、連続して3〜4時間つけていても全く気にならないぐらいの心地よい装着感です。
Bluetoothマルチポイント接続が超絶便利
そして個人的にかなり気に入っているのが、このBluetoothマルチポイント接続になります。
この機能は、複数の Bluetooth デバイスに接続できる機能で、接続を切断したり再接続したりせずに、 2 台のスマートフォンもしくはタブレット間の接続を切り替えることができます。
通常、1つのBluetoothデバイスを2台の端末、例えば「仕事用とプライベート用」、もしくは「iPhoneとiPad」と2台でつかいたいことってありますよね?
特にBose NC700のようなハイエンドなヘッドホンを各端末ごとに購入するわけありませんし、基本的には使い回す人がほとんどだと思います。
通常はどちらのデバイスにもペアリングだけしておいて、使いたい時に片方のBluetoothを切って、もう片方につなげるという操作をすると思います。
しかしBoseの場合は、Bose Musicアプリを予めスマホもしくはタブレットにインストールしておけば、音が鳴っている方に自動接続をしてくれます。
この機能がめちゃくちゃ便利で、AirPods Proでさえ実現できていない快適感を味わうことができます。
▶︎Boseウェブサイト:複数の Bluetooth ® 接続を使用する
マイク(集音)ノイズキャンセリングできる
最後になりますが、これが今回の僕が購入を決め手となった機能です。
通常ノイズキャンセリングヘッドフォンと聞くと、基本的には聞こえる音声のノイズを除去してくれるのがメインで、マイク機能に関しては後回しになっていることが多いです。
元々音楽を試聴する目的がメインでしょうから仕方がないのですが、今のこのテレワークの状況ではマイク機能がかなり重要です。
Bose NC700には音声入力のマイクがなんと合計4個もついており、ANCキャンセリング用のマイクと合わせると合計8個のマイクが搭載されています。
- 6つをアクティブノイズキャンセリング(ANC)に使用
- 4つを音声認識に使用(2つはANCと共有)
実際テレビをつけた状態で、テレビ真横で通話をしてみたのですが、相手にはテレビの音はほとんど聞こえていませんでした。つまりNC700が周囲の音だけを除去し、マイクへの音声入力だけを届けていることがわかりました。
因みにSony WH-1000XM4も店頭で試してみましたが、マイクのノイズキャンセリングという意味ではほとんど機能しませんでした。(相手にも周りの雑音がかなり聞こえる状態)
Bose NC700の気になるところ
1週間使ってみてですが、Bose NC700の気になるところがないかなと考えてみました。
正直ほとんど突っ込むところがないぐらいとても良い製品に仕上がっていると思うですが、敢えて言わせてもらうのであれば、以下のポイントが気になったところです。
持ち運ぶには少し大きい
NC700は、折りたたむことはできないので、もし外に持ち出す場合にはこのまま専用のケースに入れて持ち歩く必要があります。
しかし正直ケース自体も結構な大きさなので、頻繁に持ち運びたくはないサイズになります。
我が家の場合はテレワークのために購入したので、もっぱら自宅専用のノイキャンヘッドホンとして活躍しています。
音質はこの値段にしては悪い
最初に言っておきますが、音質が良くない訳ではなく、あくまでもこの値段の価格帯でこの音質は悪いかなという感じです。
定価で5万弱するヘッドフォンになる訳ですから、どうしてもかなりの音質を期待してしまう訳ですが、正直にいえば「普通」といった感じです。
イヤーパッドの耐久力が弱め
そしてこういったタイプのイヤーパッドの宿命ですが、イヤーパッドが1年を超えると少しずつボロボロになっていきます。
ある程度は仕方がないのですが、他のメーカーと比べても少しボロボロになるのが早いのかな?というところもあります。
ただ純正はもちろんですが、互換のイヤーパッドが安く購入できますので、ボロくなったら付け替えるというように消耗品のように使ってもいいのではないかと思います。
Bose NC700とSony WH-1000XM4ならどっち?
Bose NC700を検討している人はおそらくみんな一度はSonyのハイレゾ対応のノイズキャンセリングヘッドフォンWH-1000XM4と比較してみたんじゃないかと思います。
スペック的な比較は以下のような感じになります。
上の表に表していないスペックは多少違うところもあるかもしれませんが、ほぼ一緒です。
2つの違いを端的に表すならば、音楽試聴・映画鑑賞に使うならばWH -1000XM4、テレワークとプライベートにマルチに使うならばNC700という感じかと思います。
SonyのWH-1000XM4は本当に良い商品であることは間違いありません。店頭で何度か試したことがありますが、ノイズキャンセリング機能と音質だけでいえばSony WH-1000XM4の方が良いと感じました。
ただWH-1000XM4の唯一の欠点とも言うべき点が、マイクのノイズキャンセリングが弱いことでした。店頭でWH -1000XM4をつけたまま、電話をしてみたら、やはり周りの音がかなり相手に聞こえており、マイクのノイズキャンセリングという点では性能が良くないと感じました。
一方でNC700は、ノイズキャンセリングは十分なレベルでありつつ、さらになんと言ってもマイクのノイズキャンセリングが素晴らしいです。テレビの真横にいてもほとんど相手には聞こえていなかったですし、自宅での仕事・テレワークで使用するのであれば、こちらの方が私の使い方的には合っていました。
ノイズキャンセリングはヘッドフォンかイヤホンか
ノイズキャンセリングを選ぶときに個人的に悩んだのが、ヘッドホン(オーバーイヤーヘッドフォン)か、カナル型のイヤホンかです。
正直最新のノイズキャンセリング対応のイヤホンは、この2つのどちらかになっていると思います。
それぞれヘッドホンとイヤホンのメリットとデメリットを整理してみたいと思います。
イヤホンは持ち歩きには便利
イヤホンの一番の強みはやはりコンパクトさですね。
ケース自体のサイズも小さいですし、つけるときにも耳に入れるだけですので、見た目にもとてもスッキリしています。
ただ一方でサイズ的な制約でバッテリー時間が〜5H未満のものが多かったりするので、飛行機などの移動で使う分には途中で充電する時間を挟む必要があります。因みに私の場合は、テレワークで5時間イヤホンをつけっぱなしにすることもあったので、このイヤホンタイプのバッテリー時間の短さが気になりました。
またこれは完全な好みになりますが、カナル型のイヤホンは耳の穴にシリコンのイヤホンをねじ込むような仕組みになっていると思うのですが、個人的にあまりピッタリハマるものに出会ったことがないというのと、カナル型のイヤホンを長時間つけておきたくないというのがありますね。
ヘッドフォンは長時間再生に強み
僕が感じるヘッドフォンの魅力はなんといっても「バッテリーの長さ」なんですよね。
もちろん音質が優れていることは重々わかっているのですが、僕自身正直音質をそこまで聞き分けられるほど良い耳を持っている訳ではないので、ある程度の音質の良さのレベルになっているのであれば、あまり気にならないです。
それよりもむしろノイズキャンセリング使用時のバッテリー時間の方が気になります。
イヤホンタイプの場合、ノイズキャンセリングONにしておくと、連続使用時間が4〜5時間程度になってしまいます。もちろんをケース込みで考えれば、丸一日トータルのバッテリーは持つと思うのですが、数年使うことを考えると必ずバッテリーはへたります。
新品時に4〜5時間だったものが、2年後に2〜3時間になったとするとどうでしょうか?少し長めの打ち合わせで使うと後半で使えなくなってしまう可能性が出てきますよね。
一方で、ヘッドフォンタイプであれば、数時間バッテリーがへたったとしてもそれでも10時間以上バッテリーが持つのであれば十二分に使用に耐えうると思っています。
まとめ
今回はBoseのフラッグシップヘッドフォン、Noise Cancelling Headphone 700(NC700)をレビューしてみました。
- 高品質ノイズキャンセリング
- マイク(集音)ノイズキャンセル
- スタイリッシュな見た目と長時間つけても痛くならない装着感
- マルチポイント接続が便利
- 持ち運ぶには重い(でかい)
- 音質は値段不相応かも
購入してからほぼ毎日使っていますが、使い心地は本当に良いです。この質感といい、ノイズキャンセリングの具合といい、さらにはこの見た目も関してもしっかり僕の物欲を満たしてくれています。
またテレワークでの使用時にも、問題なく会議の音声を届けてくれてさらには僕自身の音声ノイズを調整してくれるようになっています。(たまにBluetooth接続で、音質がブレることもあるそうですが、そこはある程度は仕方ないとしてます。)
そのうちヘッドホンスタンドも買おうかなと思っていますが、それはまた別の記事で。
それではみなさん是非参考にしてみてください。
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