Nature RemoなどのスマートIOTデバイスを手がけるNature社が2021年5月から新しくNatureスマート電気という新電力プランを始めました。
Nature社は元々スマートリモコン以外にもNature Remo Eという自宅の電力量を見える化するデバイスを販売しており、元々電力に対する連携を匂わせていましたね。そして今回はその連携の幅をなんと電力事業にまで広げたような形です。
今回のこの電気プランの目玉はなんと言っても「Nature Smart Eco Mode」という自動節電機能じゃないかと思っています。
Natureスマート電気とは?
では早速Natureスマート電気の料金プランについて詳しく確認していきます。
選べる3タイプの料金プラン
Natureスマート電気では以下の3プランが用意されています。
フラットプラン

先ずはフラットプランになります。
フラットプランは、3つのプランの中では一番シンプルな料金体系になります。
通常電気料金である基本料金が0円になり、使った分だけお金がかかるものになります。
さらに電気は通常の大手電力会社から仕入れられる固定プランになるので、電力需要が増えることによる電気料金の急騰が起こる心配はありません。
ただその代わりに1kWh当たりの電気代は、通常よりも高くなっているので、電気をたくさん使う人(月400kWh以上)であれば得する可能性が高いですが、逆に電気をあまり使わない人の場合は、他の新電力プランの方がお得になりそうです。
Natureスマート電気 | |
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東京電力エリア | 26.4円/kWh |
関西電力エリア | 22.4円/kWh |
東京電力 従量電灯B | |
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基本料金(30A) | 858.00円 |
基本料金(40A) | 1,144.00円 |
基本料金(50A) | 1,430.00円 |
電力量料金 (120kWhまで) | 19.88円 |
電力量料金 (120kWh超過300kWhまで) | 26.48円 |
電力量料金 (300kWh超過) | 30.57円 |
スマートプラン

そして次のスマートプランは、市場連動型の料金プランとなります。
そもそも市場価格とはなんなのかというと、簡単に言えば30分ごとに市場需要によって取引される電力価格のことです。最新のJEPX (Japan Electric Power eXchanges)にて確認することができます。
価格は、6月の通常時で約5〜10円の間で取引されています。

電力をよく使う時間帯の電気代は高くなり、逆に需要の低い時には電気代が安くなるといった感じです。
5~10円/kWhと聞くと、めちゃくちゃ安いのでは?と思う人もいるかもしれませんが、実際にはこの取引価格に様々な手数料が付加されることになるので、実際は倍近くになります。
以下でNatureスマート電気のスマートプランの電気代を試算してみました。
Natureスマート電気 | |
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基本料金 | 858円 |
託送料金 | 東京エリア:7.45円/kWh 関西エリア:8.03円/kWh |
電力購入料 (推定) | 5~10円/kWh |
事業運営費 | 4.5円/kWh |
合計 | 東京エリア:16.95〜21.95円/kWh 関西エリア:17.53〜22.53円/kWh |
試算結果だけ見ると、一番高い時でも22円/kWhという比較的安めの電気代になりますし、さらに電力需要の低い時間帯であれば、17円/kWhというぶっちぎりの安さを叩き出します。
ただこの金額もあくまでも推定の電気代になるので、実際の電力需要によってはもっと高くなる可能性もありますし、逆に安くなるかもしれません。
ハイブリッドプラン
最後にハイブリッドプランですが、こちらは電力需要の高まる夏・冬は固定電力料金、秋・春は市場連動価格を採用することで、一年を通じて最適な電気料金を狙っていく料金プランになります。
4月〜7月、11月〜12月検針日 | スマートプラン(市場連動) |
8月〜10月、1月〜3月検針日 | フラットプラン(固定価格) |
実際以前発生した電力料金の高騰も、冬季に発生しましたし、夏場もエアコンの使用率が上がるため、電力料金は比較的乱高下しやすいと考えられます。
市場価格には上限がついているので万が一のガードに
因みに市場連動型と聞くと、2021年1月に発生したような、急激な電力の高騰を心配する人もいるかもしれません。そもそもあの時の電力高騰は様々な要因が重なって起きた出来事なので、あれ以来高騰したという話は聞いたことがありません。

但し、万が一高騰するということも考えられるので、Natureスマート電気では購入する電気代に上限(100円/kWhまで)が設定されているので、万が一以前のような急騰が起きてしまった場合のガードにはなると言えそうです。
Nature Smart Eco Modeで自動節電

スマートプランの場合は、市場価格と連動した電気代になるので、電気代を抑えることができますが、電気代が高くなる時間帯の場合は、出来るだけ電気を節約していきたいものです。
Nature社が提供しているスマートリモコンとNatureスマート電気を連携させることで、電力需要の高い時間(電気代が高い時間)には、自動でエアコンの温度を調節し、自動的に節電をしてくれる機能がNatureスマート電気には搭載されています。
電気プランと家電を連携させるのは、日本の他のどの会社も実施していない方法で、日本初の仕組みになるそうです。
因みにどういう仕組みなのかというと、スマートエコモードをONにすると、市場連動価格が高くなったことを感知してエアコンの温度が自動で調節され、価格が下がると元の設定温度に戻るような仕組みなっており、自動的に電気代を抑えるように調整してくれることができます。
自宅をスマートホーム化しているようなライフハッカーとしては、是非試したくなる機能の1つですね。

https://simple-was-best.com/nature-remo-automation-aircon/
Natureスマート電気のデメリット
ここからは、Natureスマート電気のデメリットについても確認していきましょう。
提供エリアは拡大途上中
Natureスマート電気を使えるのは、2021年5月時点で東京電力と関西電力エリアのみです。
九州や北海道の人は、Natureスマート電気を2021年5月時点では残念ながら使用することはできません。
但し、提供エリアについては今後順次拡大していくようです。
・2021年6月中:北陸、四国、中国、九州
・2021年7月中:中部、東北、北海道
市場価格が急騰した場合には電気代は上がる
市場連動価格というのは、説明した通り市場の需要に応じて値段が変わるような仕組みになっています。
Natureスマート電気では、一応購入価格の上限を100円/kWhとしていますが、正直100円/kWhも高すぎます。
一般的な電気料金が、高いものでも〜30円/kWhになっていることを考える万が一高騰してしまった場合には、それなりの費用負担を覚悟する必要がありそうです。
自動節電してくれるのはエアコンのみ
自動節電の目玉として取り上げられているNature Remo Eco Modeですが、現時点で連携対応できるのは、エアコンのみです。
テレビや扇風機などエアコン以外にもたくさん家電はあると思います、現状は一番節電効果の高いと言われているエアコンだけ操作可能です。
またエアコンの操作に関しても、Nature Remoアプリから操作できるのは温度や風量の調節など、一部の機能に限られているので、最新エアコンの機能(自動お掃除、AI温度調節)はNature Remoから操作できません。
一人暮らしの場合はフラットプランは逆に高い
フラットプランは基本料金が0円となっているので、一見する一番お得なんじゃないかと思ってしまうかもしれないんですが、よくよく単価を確認してみるとそんなに安くはないことがわかります。
Natureスマート電気 | |
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東京電力エリア | 26.4円/kWh |
関西電力エリア | 22.4円/kWh |
一般的に使用電力量が少ない場合には、電気料金も安くなる傾向があるのですが、フラットプランの場合は良くも悪くも値段が一定なので、毎月の電力量が少ない場合は、電気代がむしろ高くなってしまいます。
使用電力量が少ない場合は、Natureスマート電気ではなく、シンエナジーやマネーフォワードでんきなども合わせて検討してみると良いと思います。
シン・エナジーとNatureスマート電気との比較
ここでは、値段が安いことで人気のシンエナジーの料金プランと比較をしてみましょう。
Natureスマートでんき フラットプラン | シンエナジー きほんプラン | |
---|---|---|
基本料金(30A) | 0円 | 738.34円 |
基本料金(40A) | 0円 | 1,024.45円 |
基本料金(50A) | 0円 | 1,280.56円 |
電力量料金 (120kWhまで) | 26.4円 | 19.67円 |
電力量料金 (120kWh超過300kWhまで) | 26.4円 | 24.78円 |
電力量料金 (300kWh超過) | 26.4円 | 27.71円 |
特典 | ー | JALマイル 200円=1マイル |
この表をパッとみると、Natureスマート電気の方が安いじゃん!と思うかもしれません。
年間の電気代でシミュレーションしてみた結果がどうなるかもみてみましょう。
条件としては以下です。
- 年間 5,007kWh
- 30A契約
- 家族3人暮らし
この条件で試算した結果を比較すると以下のような感じです。
Natureスマート電気 フラットプラン | シンエナジー きほんプラン | |
---|---|---|
年間電気代 | 126,806円 | 124,675円 (▲2,131円) |
これを比較すると、なんとシンエナジーのフラットプランの方が安くなることになりますね。
但し、今回比較したのは固定料金のフラットプランなので、市場連動型のスマートプランやハイブリッドプランであれば、Natureスマート電気の方が安くなる可能性があります。
※市場連動の場合は金額を算出することはできないので試算はしません。
因みにシンエナジーはきほんプラン以外にもマネーフォワードプレミアムが無料となるマネーフォワードでんき(シンエナジーと提携)もあるので、家計簿アプリを使っている人であればこちらの方が安くなる可能性がありますよ。
Natureスマート電気のよくある質問
Natureスマート電気のよくある質問をまとめました。
解約違約金はある?
基本的には最低利用月などは設定されていないので、いつでも違約金なしで解約することができます。
ただし、Nature Remo 3のプレゼントキャンペーンを利用している場合には以下の条件が適用となるので、ご注意ください。
「供給開始後すぐに受け取りたい場合を選択し、供給開始から6ヶ月以内にNatureスマート電気を解約をした場合、プレゼントの商品代金である9,980円を請求させていただきます。」
オール電化には対応してる?
オール電化であっても契約すること自体は可能ですが、オール電化の場合は電気事業者からの割引が入っているケースが多く、Natureスマート電気に変えると、逆に値段が大幅に上がってしまう可能性があります。
Natureスマート電気の評判と口コミ
ここではSNSで見かけたNatureスマート電気の評判と口コミをまとめています。
まとめ
今回はNatureスマート電気について、詳しく解説してみました。
Natureってスマートリモコン家電作ってる会社じゃないのかと思っていましたが、今回まさに電力事業との融合を打ち出してきましたね。
家電を連携して、節電をしていくなんて、まさにスマートホームと言える面白い試みだと思います。
それでは、皆さん是非ご参考あれ。
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