建設事業者にとって、作業員の安全確保は非常に重要な問題だと認識されています。
こうした建設現場での安全を担保する方法としては、作業員一人一人の心掛けというのももちろん有効な対策ではあるものの、全ての安全を個人の注意力だけで担保することは不可能です。
現在の安全対策の一例としては、各建設現場に監視カメラを設置し監視員が四六時中監視し、危険なエリアや行動を取った作業員に対して、監視員で個別に安全を促すようなことで対策としています。
しかしこのような安全対策では、安全確保のための作業員が増えたり、そのために工期が伸びてしまうなどとコスト面で課題があることが知られています。
このようなケースにIoTシステムを活用することで、建設事業者に対して、効率の良い安全対策の仕組みを構築することが可能であると考えられます。
具体的なソリューションの例としては、作業員の行動をIoTデバイスに搭載された各種センサー、例えば人感センサーや接地センサーなどで、人が立ち入ったということを監視員に知らせ、その時点で監視員が目視で確認し、危険性を促すなどの方法が考えられます。
そのほかにも温度センサーや圧力センサーのデータを取得し、ある閾値を超えた場合に、特定の動作を自動的に発火させるような自動化も有効な方法です。
また建設現場は一般的に山間部などの郊外になるケースも多いため、監視センターが現場内にない場合には、インターネット回線を敷設すること自体が課題になるケースもあります。
回線については、センサーだけであればSigFoxのような細い回線でも可能ですが、画像、映像などのデータを送る場合には、セルラー回線などの利用も検討した方が良いでしょう。
これらのIoTシステムを活用することで、建設事業者としては各建設現場ごとに多くの監視要員を配備させることなく、共通の監視センターで安全管理することができるので、要員コスト削減のみならず、要員ノウハウのセンターでの集約などの効果も期待できるでしょう。
またセンサーデータを活用することで、現場だけの判断・報告だけでなく、収集した実データから分析し、センターから現場にリアルタイムで指示できるなどの効果も期待できます。
建設事業へのIoTシステムの導入は、重要かつ非常に有益な手段であり、コスト削減効果のみならず安全度を上げることによる作業員の働きやすさにも繋がり、今後ますます活用事例が増えていくことでしょう。
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