iPhoneやAirPodsを水没させてしまったことってありませんか?
因みに私も以前やってしまいましたことがありますが、やってしまうと、若干パニックになってしまいますし、何よりもどう直せばいいのかWEB検索もできなくなってしまうので、ついつい自己流でやってしまいがちです。
今回はそんなiPhone/AirPodsなどのスマートフォンを誤って水没させてしまった時に、どうにか自力で復旧させるための手順を紹介していきます。
水没したiPhoneの修理費用
先ずはそもそも水没したiPhoneの修理費用がどの程度かかるか確認しておきましょう。
以下はApplecareに加入していない状態での水没時の修理費用になります。
(AppleCare+保証対象外) | その他の修理 | 画面の修理 | バッテリー交換料金 |
---|---|---|---|
iPhone 16 Pro Max | 123,800 円 | 56,800 円 | 19,400 円 |
iPhone 16 Pro | 105,800 円 | 50,800 円 | 19,400 円 |
iPhone 16 Plus | 96,800 円 | 50,800 円 | 19,400 円 |
iPhone 16 | 87,800 円 | 42,800 円 | 19,400 円 |
iPhone 15 Pro Max | 114,800 円 | 56,800 円 | 15,800 円 |
iPhone 15 Pro | 105,800 円 | 50,800 円 | 15,800 円 |
iPhone 15 Plus | 96,800 円 | 50,800 円 | 15,800 円 |
iPhone 15 | 87,800 円 | 42,800 円 | 15,800 円 |
iPhone 14 Pro Max | 107,800 円 | 56,800 円 | 15,800 円 |
iPhone 14 Pro | 99,800 円 | 50,800 円 | 15,800 円 |
iPhone 14 Plus | 92,400 円 | 50,800 円 | 15,800 円 |
iPhone 14 | 83,800 円 | 42,800 円 | 15,800 円 |
iPhone SE (第3世代) | 44,000 円 | 19,400 円 | 11,200 円 |
正直ものすごく高いと思うのですが、実はもっと安く済んだりするケースがほとんどじゃないの?と思う人に、実際の僕自身が取得した修正見積書をみてください。
本当にこれだけお金がかかります。
iPhone/AirPodsの防水性能とは?
先ずはそもそもみなさん勘違いしている人が多いのですが、iPhone/AirPodsは防水ではありません。
特にiPhoneの防水性能を表すIPレートに関してはIP68になっているので、ついつい水中で使えちゃうんじゃないかと思ってしまうのですが、正確には違います。
因みにIP68の定義としては以下のとおりです。
IP68の性能例 | |
---|---|
防塵 | 完全な防塵構造 |
防水 | 水面下での使用が可能 |
やっぱり水面下と書いてあるようにも思えますが、iPhoneの正確な防水性能としては、公式には以下のとおりに書いています。
これを見ると、iPhoneのタイプ別に防水性能が違うということと、そして基本的にはどれも最大30分間という短い時間限定であることがわかります。
タイプ | 防水性能 |
---|---|
iPhone 12 (mini/Pro/Max) iPhone 13 (mini/Pro/Max) iPhone 14 (Plus/Pro/Max) | 最大水深6メートルで最大30分間 |
iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max | 最大水深4メートルで最大30分間 |
iPhone 11 iPhone XS | 最大水深2メートルで最大30分間 |
iPhone 7 iPhone 8 iPhone X iPhone XR iPhone SE(第2世代) iPhone SE(第3世代) | 最大水深1メートルで最大30分間 |
さらに注意書きとして、この防水性能に関しては永続的に保証しているものでないことも記載がありますね。
防沫性能、耐水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する可能性があります。
因みにiPhoneの水の侵入経路を考えると、比較的にわかりやすいのは充電ジャック部になりますが、そこは比較的に気密性が保たれているので、どちらかというとスピーカー/マイクなどの音声入出力部だと言われています。
この部分が長い時間水中の中で置いたままの環境であると、徐々に浸水していきやがて壊れるわけですね。
またAirPodsに関しても同様にApple公式にもはっきりと、防水ではなく耐水仕様になっていると明確に記載があります。
AirPods(第3世代)とAirPods Pro(第2世代)にはIPX4等級の耐汗耐水性能があります。水上または水中でのスポーツやエクササイズには対応しません。耐汗耐水性能は永続的に維持されるものではありません。
AirPods Pro (第 1 および第 2 世代)、AirPods (第 3 世代)、AirPods (第 3 世代) MagSafe 充電ケース、AirPods (第 3 世代) Lightning 充電ケース、AirPods Pro (第 2 世代) MagSafe 充電ケースは、耐水・耐汗仕様です。防水・防汗仕様ではありません*。AirPods Pro (第 1 世代) の MagSafe 充電ケースやワイヤレス充電ケースは耐水・耐汗仕様ではありません。
つまり結論、iPhone/AirPodsは水の中では使えないということです。
iPhone/AirPodsの水没は無料保証対象外
そして当たり前かと思うのですが、念の為調べておくと、iPhone/AirPodsを誤って水没させてしまった場合において、通常Apple製品についてくる1年間の無料ハードウェア保証は対象外となります。
Apple公式のiPhone や iPod の液体による損傷は保証対象外にも書いてある通り、水没を保証して欲しいのであれば、無料保証ではなく、AppleCare+に加入しておく必要があります。
iPhoneの水没マークはどこにある?
因みにiPhoneを水没させたかどうかわからないという方には、SIMカードを挿す部分に水没を示すマークが見えるというのは、公式に書いてある通りなんですが、実は水没を示すマークは内部の基盤の中にも存在します。
以下はiPhoneの中を開けた時の写真になりますが、真ん中にあるのがSIMカード部分の水没マーク、そして左側にあるのがスピーカーメッシュ裏部分にある水没マークになります。
この部分が赤くなっているということは、しっかりと水が侵入しているということを示すわけですね。
iPhone/Airpodsが水没した時にやってはいけないこと
ここからは万が一iPhone/Airpodsを水没させてしまった時にやってはいけないことを解説していきます。
ここで解説する方法は、iPhone/Airpodsを復旧させるためにやっていけないことというよりも、水没したiPhoneを悪化させずに、如何にデータバックアップを取るかを目的としています。
というのも実は、iPhone/Airpods含め精密機械において一度水没したものは治りません。
治ったように見えても、内部基盤のどこかしらが徐々に錆びていき、壊れていきます。そのため、最初ちゃんと動いたかなと思っても、数日後に急に電源がつかなくなったということはよく聞く話です。
電源を入れる&充電する
先ずは基本になりますが、電源を入れてはいけません。
というのもiPhone/Airpodsというのは当たり前ですが、精密機器になります。水を入れた状態でバッテリー含めて通電をさせてしまうと、確実に内部でショートを起こし、内部のあらゆる接続部が故障する可能性があります。
そのため、水没させてしまったかもという人に関してできることは、まずは電源を切って、タオルに包んでそのまま修理店に持ち込むことです。
因みにAppleCare+に加入していたとしてもデータバックアップに関しては自己責任になりますので、普段からiCloudにデータをバックアップしていた人以外は、iPhoneの電源が入る状態にしてデータをバックアップしておかないと、たとえiPhone自体を新しく交換したとしても内部のデータ(写真など)は戻ってきません。
そのためにも、水没したかも?という人に関しては先ずはデータ取り出しを無事に行うためもできるだけ状態を保ったまま修理してもらう必要があります。
ドライヤーで乾かす
これもよくやりがちなのですが、ドライヤーで乾かすなんて方法は無意味なのでやめましょう。
先ずそもそも完全に水没したiPhone/Airpodsは内部基盤にしっかりと水が染み込んでいます。
そのためドライヤーなんかを外側から当てたところで無意味です。というよりもドライヤーの温風により、表面温度が高温になり、それによって内部の部品が変形してしまう可能性があります。
iPhone/Airpodsを振って水を出す
その次にiPhoneを振って水を出そうという試みです。
これも言わずもがなですが、やめましょう。
内部基盤の写真を見て分かる通り、iPhone/Airpodsの中はかなり気密性が高く作られています。
そんな気密性の高いiPhone/Airpodsが水没しているわけですから、水滴にとって内部は迷路のようなものです。
iPhone/Airpodsを振ったところで出てくるわけがありませんし、そもそも振ることにより、今まで水がかかっていなかった他の部分にまで水が広がることにより余計に故障するリスクがあります。
息を強く吹いたり、エアーコンプレッサーで水を飛ばす
iPhoneをドライヤーにかけたり、振ったりしてはいけない理由と同じように、iPhoneのSIMカードポートなどから息を強く吹きかけたり、エアーコンプレッサーで水を飛ばすようなことも無意味です。
水を強い力で内部で飛ばしてしまうと、iPhoneを強く振るのと同じような作用で内部の奥の方まで水分が飛んでしまい、余計に故障が進んでしまいます。
そのまま米びつに入れる
そしてSNS上でライフハックとしてよく上がっている水没したものは、米びつに入れて治るという裏技ですが、こちらも推奨できません。
というのも、米びつの中は細かい粒子(粉)が入っており、その粒子がiPhone内部に入ることで余計に故障する可能性があります。
米びつに入れると治るというのは、要は内部基盤にある水分を米の粒子が吸い取ってくれるという作用になります。要は乾燥(除湿)させているわけですね。
方向性としては間違っていないのですが、そのやり方があまり推奨されない方法となります。
水没したiPhoneを可能な限り修理する手順
それでは、ここからは水没させてしまったiPhoneを可能な限り復旧させる方法を解説していきます。
電源を切る&SIMカードを抜く
先ずはやってはいけないことを書きましたが、水没させてしまったものはできるだけ早く電源を切って、SIMカードを抜いておきましょう。
内部に水分がある状態で通電させてしまうと、基盤がショートし、完全に壊れてしまいます。
先ずはともかく電源を切って、乾燥させるというのが自分でできる唯一のことです。
密閉した容器に入れてiPhoneと強力乾燥剤をぶち込む
米びつに入れてはいけないと書きましたが、内部を乾燥させるという方法に関しては間違っていません。
そのため正しい方法で除湿させてあげれば良いのです。
水没したiPhoneの背面カメラ部を見てみると、乾燥前曇ってしまっているのがわかりますが、乾燥させていくにつれて、曇りが治まっていくのがわかります。
乾燥させる際には、密封できる容器に乾燥剤を入れる方法がおすすめです。
密封させることができないと、折角の乾燥剤が外部からの湿気を除湿することに能力を使ってしまいますので、必ず密封できる容器に入れましょう。
また乾燥剤として有名なのはシリカゲルになりますが、それよりも強力な乾燥剤(オゾ)などもありますので、こういうものを使うのもおすすめです。
水没させてしまったiPhoneを乾燥させるのには、大体〜3日程度かかりますが、乾燥が完全に済むとレンズの曇りなどが一切なくなり、内部が完全に乾燥したことがわかります。
水没したiPhoneはデータバックアップをして買換えを検討しよう
ここまでで、上手くいけばiPhoneは治るかもしれませんが、やはり一度水没させてしまったiPhoneは何かしらの問題を抱えています。
特にiPhone X以降の端末での顔認証機能は、ちょうどスピーカー部分にあるので、水没した時に故障したしやすい部分です。
なので水没→乾燥した後においてもFaceIDに関しては死亡したままなんてことも普通にあります。
こういう風に何かしらのパーツが正常に機能しないとiPhoneは電源が入らなくなる可能性もありますし、一旦水没したバッテリーに関しても性能劣化を起こして、減りが早くなったり、熱を持ったりなどと、いろいろな故障が起きる可能性があります。
そのため、iPhone修理業者に持ち込んだで修理してもらったとしても、基本的に水没に関しては「修理後の動作補償の対象外」となるケースが多いです。
iPhoneを自力で修理するのは、あくまでもデータバックアップのためということと割り切って、バックアップが取れたのであれば、なるべく早く新しい機種に変更することをお勧めします。
まとめ
AiPhone/Airpodsを水没させてしまった場合に、ppleCare+に加入している&自動バックアップをとっているのであれば、自分で余計なことはせずにAppleストアに持ち込んで交換してもらうというのが第一選択肢になります。
但し、もしそうでないなら今回説明したような正しい方法で復旧の手順を取らないと、せっかくの直るものも直らなくなってしまいます。
水没させたら先ずは乾燥。
これが唯一の解になりますので、皆さんくれぐれもお気をつけください。
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