この記事では、Apple製品を購入する際に必ず聞かれるAppleCareへの加入について、そのメリットとデメリット、そして代替手段がないかどうかについて解説しています。
一緒にAppleCareの価値を考えてみよう
それでは早速AppleCareとはそもそも何なのかから始めていきましょう。
AppleCareとは?
まずは改めてAppleCareについて確認していきたいと思います。
AppleCare(正しくはAppleCare+)は、簡単に言えばメーカーの延長保証という類のものになります。
一般的にいう保険という意味合いよりも、Appleが基本的に提供しているハード保証にプレミアムサービスが付加されているようなイメージです。
以下が具体的にAppleCareに付帯するサービス種別になります。
- ハードウェア製品限定保証の延長(1年間→2〜3年間。4年目以降も延長可能)
- テクニカルサポートの優先案内
- 故障・修理時の特別価格
- バッテリー劣化保証(80%未満のみ)
- 盗難・紛失保証(iPhoneの対象プランのみ)
因みにAppleCareの加入は、購入時もしくは購入日から30日以内のみ可能になっています。
AppleCareの保証内容
AppleCareは、基本的にはAppleのハードウェア保証に関する一般的な名称になるので、保証内容が実は各種デバイスで微妙に異なっていることに注意しましょう。
AppleCare+ for Mac
先ずはMac(ノートPCもしくはデスクトップ)向けのAppleCare保証内容になります。
MacBook | Mac(デスクトップ) | |
---|---|---|
対象機器 | Mac本体 バッテリー 電源アダプタなどの付属品 Apple純正メモリ(RAM) | Mac本体 バッテリー 電源アダプタなどの付属品 Apple純正メモリ(RAM) Apple USB SuperDrive |
費用(一括) | 1年間:10,400円〜 3年間:27,800円〜 | 1年間:5,400円〜 3年間:14,400円〜 |
費用(月額換算) | 月額 772円〜 | 月額 400円〜 |
月払い | ❌ | ❌ |
加入期間 | 1年間 or 3年間 | 1年間 or 3年間 |
延長可否 | ○ | ○ |
利用回数制限 | 無し | 無し |
画面割れ(外部筐体破損) | 12,900円 | 12,900円 |
その他故障 | 37,100円 | 37,100円 |
バッテリー交換 | 0円 (80%未満時のみ適用) | 0円 (80%未満時のみ適用) |
紛失 | ❌ | ❌ |
盗難 | ❌ | ❌ |
注意するべきところは、デスクトップ向けとノートPC向けでAppleCareの加入料金が倍近く違うというところです。
ノートPCは持ち歩いて使うという関係で、故障率も上がる傾向になっているので、加入料金が高くなることは仕方がないですね。
そして一番の特筆すべきところに関しては、AppleCare加入時の免責費用になります。
AppleCareに加入しているのにも関わらず、内部故障に関してはなんと+4万円弱費用がかかるというヘンテコな保証内容になっています。
AppleCare+ for iPhone
次にiPhone向けのAppleCareになります。
AppleCareの中で一番故障頻度が多いデバイスになっているので、その分費用が最も高額です。
iPhone | iPhone 盗難・紛失プラン | |
---|---|---|
対象機器 | iPhone本体 バッテリー 付属のUSB-C – Lightningケーブル | iPhone本体 バッテリー 付属のUSB-C – Lightningケーブル |
費用(一括) | 2年間:29,800円〜 | 2年間:31,800円〜 |
費用(月額換算) | 月額 1,480円〜 | 月額 1,600円〜 |
月払い | ○ | ○ |
加入期間 | 1ヶ月〜 or 2年間 | 1ヶ月〜 or 2年間 |
延長可否 | ○ | ○ |
利用回数制限 | 無し | 無し |
画面割れ(外部筐体破損) | 3,700円 | 3,700円 |
その他故障 | 12,900円 | 12,900円 |
バッテリー交換 | 0円 (80%未満時のみ適用) | 0円 (80%未満時のみ適用) |
紛失 | ❌ | 12,900円 |
盗難 | ❌ | 12,900円 |
月額 1,480円というのは、正直どんなサブスクだろうと思ってしまいますが、これだけ払ってもその他の故障時には+12,900円払うというかなり高額なメーカー保証になります。
基本的にAppleCareでは盗難もしくは紛失時には、たとえAppleCareに加入していても一切保証がないのですが、またiPhoneだけは唯一盗難紛失プランが用意されています。
個人的には「紛失」が入っているのが、他の保険と比べてもかなり珍しい保証かと思っています。
AppleCare+ for iPad
次はiPad向けのAppleCare保証になります。
iPad | |
---|---|
対象機器 | iPad本体 バッテリー Apple Pencil Apple製iPad用キーボード 付属のUSBケーブルと電源アダプタ |
費用(一括) | 2年間:11,800円〜 |
費用(月額換算) | 月額 580円〜 |
月払い | ○ |
加入期間 | 1ヶ月〜 or 2年間 |
延長可否 | ○ |
利用回数制限 | 無し |
画面割れ(外部筐体破損) | 本体:4,400円 アクセサリ:3,700円 |
その他故障 | 本体:4,400円 アクセサリ:3,700円 |
バッテリー交換 | 0円 (80%未満時のみ適用) |
紛失 | ❌ |
盗難 | ❌ |
iPad向けの保証で面白いのは、Apple PencilやApple製のiPad用キーボードが保証に含まれるという点です。
基本的にPencilやキーボードに関してアクセサリという扱いになるので、個別にAppleCareに入ることはないのですが、iPadでAppleCareに加入している場合には、iPadと一緒に保証を受けることができます。
純正のiPadキーボード「Magic Keyboard」は、4万円〜5万円近くするので、これが一緒に保証内になるというのは嬉しいポイントになります。
AppleCare+ for Apple Watch
次は、Apple Watch向けのAppleCareの保証内容です。
Apple Watch | |
---|---|
対象機器 | Apple Watch本体 バッテリー |
費用(一括) | 2年間:10,800円〜 |
費用(月額換算) | 月額 550円〜 |
月払い | ○ |
加入期間 | 1ヶ月〜 or 2年間 |
延長可否 | ○ |
利用回数制限 | 無し |
画面割れ(外部筐体破損) | 無印:9,200円 Edition/Ultra:10,700円 |
その他故障 | 無印:9,200円 Edition/Ultra:10,700円 |
バッテリー交換 | 0円 (80%未満時のみ適用) |
紛失 | ❌ |
盗難 | ❌ |
Apple Watchの保証内容は、本体価格から考えると比較的高額です。
さらに毎日つける腕時計と聞くと、なんだかよく壊れてしまいそうな気もするのですが、実は腕時計ってそこまで壊れません。そんなに腕時計が壊れるものであれば、高級時計と呼ばれるものがそんなに流行らないと思います。
故障時にもそれなりに自己免責費用がかかってくるので注意しましょう。
AppleCare+ for Headphone
次はAirPods向けの保証になります。
Apple Watch | |
---|---|
対象機器 | AirPods、Beatsイヤフォン、Beatsヘッドフォン本体 バッテリー 付属のUSB充電ケーブル |
費用(一括) | 2年間:4,600円〜 |
費用(月額換算) | 月額 191円〜 |
月払い | ❌ |
加入期間 | 2年間 |
延長可否 | ○ |
利用回数制限 | 無し |
画面割れ(外部筐体破損) | 3,700円 |
その他故障 | 3,700円 |
バッテリー交換 | 0円 (80%未満時のみ適用) |
紛失 | ❌ |
盗難 | ❌ |
AirPods向けの保証に一番注意したい点については、AirPodsは「修理できない」ということです。
通常Apple製品は、Appleの公式サポート以外でも街の修理屋さんのようなところで修理することが可能なのですが、AirPodsだけは、内部が完全に接着されているので、例え公式サポートであっても修理できません。
そのため、基本的には全て交換扱いになっています。
AppleCare+ for Apple Display /Apple TV / HomePod
最後はまとめてのものになりますが、Apple Display / Apple TV / HomePod向けのAppleCareになります。
Apple Display | Apple TV | HomePod | |
---|---|---|---|
対象機器 | Apple製ディスプレイ 付属の電源コード 同時に購入した: ・Apple製ディスプレイスタンド1台 ・Apple製マウントアダプタ1台 | Apple TV本体 付属のSiri Remoteと電源コード | HomePod本体 |
費用(一括) | 1年間:9,000円〜 3年間:24,400円〜 | 4,200円 | 2,200円 |
費用(月額換算) | 月額 750円〜 | 月額 116円〜 | 月額 91円〜 |
月払い | ❌ | ❌ | ❌ |
加入期間 | 1年間 or 3年間 | 3年間 | 2年間 |
延長可否 | ○ | ○ | ○ |
利用回数制限 | 無し | 無し | 無し |
画面割れ(外部筐体破損) | 12,900円 | 1,800円 | Mini:1,500円 無印:4,100円 |
その他故障 | 37,100円 | 1,800円 | Mini:1,500円 無印:4,100円 |
バッテリー交換 | ー | ー | ー |
紛失 | ❌ | ❌ | ❌ |
盗難 | ❌ | ❌ | ❌ |
これらの特徴としては、基本的に加入費用が安いということです。(Apple Displayは除く)
また基本的にこれらのデバイスは持ち歩くようなことがないデバイスなので、故障率という観点でもかなり低めです。その分月額費用は100円程度になってはいますが、このレベルになってくると加入のメリットがあまり見出せませんね。
AppleCareのメリット
それではAppleCareのそもそもメリットがあるのかどうかをいくつかピックアップしていきます。
加入しておけば何かあったら即交換
AppleCareの最大の魅力は、Apple公式のサポートで、ともかく何も考えずに購入しておけば、加入期間はほぼ何があっても保証してくれるという点です。
またAppleCareのもう一つの魅力としては、加入中の不具合が起きた場合には、修理というよりも新品交換になるケースが多いです。というのも、修理をしてしまうと修理時間もかかりますし、Appleには公式製備品という商品もあるので、下手に修理したものを渡すよりも、交換品をその場で窓口で渡してしまった方が効率が良いのです。
Appleの窓口に持って行って、即新品に交換してくれる時にはAppleCareに入っていてよかったと感じられるはずです。
(iPhoneであれば)紛失保証も受けらえる
特にiPhoneに関しては、盗難・紛失の保証まで入っているので、文字通り何があってもAppleサポートで何か対応してくれるはずです。
基本的には一般的な”保険”に関しては、盗難保証が付いていることが多いのですが、紛失までカバーされるものは多くはありません。
というのも、紛失というのは一般的に利用者の過失によるものと判断されてしまい、保険の補償外になるわけですね。
AppleCareの場合は、紛失であったとしても、免責料金のみで対応してくれるというのは他の保険にはない魅力です。
とはいえ、Appleの「iPhoneを探す」機能を使うことにより、紛失であっても電源さえ入っていれば見つかるケースも多いので、実際のところどこまで請求があるのかは不明ですね。
バッテリー劣化保証が付いている
またAppleCareといえば、やはりバッテリー保証かと思います。
この保証は、AppleCare加入期間中にバッテリーの状態が80%未満になった場合、バッテリー交換もしくは代替品に交換してくれるものになっています。
条件として、あくまでも最大容量が80%未満でなければならないことと、そしてバッテリー以外の状態がおかしくなっていないことがあります。
特にAppleCareに入っていないと、バッテリー交換費用だけ自腹でいいやと思ってサポートに行くと、僕のように残念なことになってしまうことがあります。
延長料金を支払えば、継続契約が可能
また以前はAppleCareといえば、2年間(Macの場合は3年間)のみしか加入ができないという代物でしたが、最近は3年名以降(Macの場合は4年目以降)も、加入継続できるようになりました。
バッテリー劣化が2年間で起きなかったという人も、3−5年目になると流石に劣化していくでしょうから、入り続けてさえいればいつかは使える保証になった気もします。
AppleCareのデメリット
逆にAppleCareのデメリットを確認していきます。
加入料金が高い
まず何よりも加入費用がめちゃくちゃ高いです。
本体費用 | 加入費用(本体費用割合) | |
---|---|---|
MacBook Pro (M2) | 178,800 円〜 | 34,800 円(19.4%) |
iPhone 16 | 139,800 円〜 | 23,800 円(17.0%) |
iPad Air(第5世代) | 84,800 円〜 | 11,800 円(13.9%) |
Apple Watch 8 | 59,800 円〜 | 10,800 円(18%) |
AirPods Pro | 39,800 円 | 4,600 円(11.5%) |
どれも基本的に本体価格の20%弱もメーカーの延長保証として費用を支払っていることになります。
確かにこれだけ支払ってくれれば、壊れた時には即新品と交換なんて対応もできるよねって思いますね。
免責費用が高い
次のデメリットは、免責費用(自己負担金)が高額であることが挙げられます。
免責費用 | 外部筐体破損 | その他故障 |
---|---|---|
MacBook Pro (M2) | 12,900 円 | 37,100 円 |
iPhone 16 | 3,700 円 | 12,900 円 |
iPad Air(第5世代) | 4,400 円 | 4,400 円 |
Apple Watch 8 | 9,200 円 | 9,200 円 |
AirPods Pro | 3,700 円 | 3,700 円 |
一般的に保険では、事故時の支払い手数料の形で、自己免責というものが定められているケースが多いです。
これは無闇に保険を請求させないとか、少額の保険請求を控えさせるための保険会社の戦略なのですが、その自己免責費用は一般的には1,000円〜10,000円程度であることが多いです。
しかしAppleCareの場合は、その免責額はMacの場合、なんと最大37,100 円と飛び抜けて高いです。iPhoneの場合でも、3,700 円〜12,900 円になっているので、高額な部類に入ります。
AppleCareの代わりは必要?
ここまでAppleCareについて考えてみましたが、やはりAppleCareだけがApple製品の保証と考えるには勿体無いと思っています。
もし何かしらの保証をつけるのであれば、AppleCareではない保険というのも良い選択肢だと思っています。
セゾンカードの携行品保険
個人的にオススメなのは携行品保険を活用したスマホ保険になります。
携行品保険は、AppleCareや損保系のスマホ保険と違って、保険の対象範囲がものすごく広く、なんと持ち歩いている家財全て*になります。(*一部対象外あり)
つまりイヤホンはもちろんのこと、スマホ、タブレット、スマートウォッチ、パソコンなどのモバイルデバイスはもとより、カメラやもしくは財布なども保険のカバー対象となるので、通常の保険と比べれコスパは比較にならないぐらい良いんです。
モバイル保険なら3台まとめて月700円
他にも有名どころなのは、モバイル保険になります。
この保険のポイントは月700円で最大3台まで同時に補償できるというところです。
月700円と聞いてしまうと、そんなに安くない?と思ってしまうかもしれませんが、イヤホン以外にもスマホやパソコン、ウェラブルデバイスなどを含めて最大3台まで1つの契約でカバーできてしまうので、実質的には1台あたり230円程度の負担で済むと考えると、コスパはなかなか良いですね。
まとめ
今回はAppleCareについて、どういった保証なのか、メリットデメリットをまとめていきました。
AppleCareが一概にダメだというわけではありませんが、使い所と保証内容をよく理解した上で、自分の使い方、ライフスタイルで何が一番良いかをよく検討してみるということが良いのではないでしょうか?
それでは、ぜひ参考にしてみてください。
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