MacBookを買ったけど、AppleCare+って入った方がいいのか悩んでいる人は是非この記事を読んでください。
結論から言ってしまえば、AppleCare+を契約する価値はありません。
この記事では、AppleCareがなぜ加入する必要がないのか、その他の代替手段について詳しく解説していきます。
MacBookの修理費用の相場
先ずはMacBookの修理費用(相場)がどの程度かかるのか確認してみましょう。
以下でMacBook Pro 14インチの場合の修理費用※をまとめています。
MacBook Proの場合 | AppleCare+加入時 | 未加入時 |
---|---|---|
画面割れ 外部筐体破損 | 12,900 円 | 4 万円~ (要見積) |
その他修理 可能な損傷 | 37,100 円 | 5 万円〜 (要見積) |
バッテリー交換 | 0 円 (80%未満の場合) | 20,800 円 |
Applecare未加入時のApple Supportで修理費用が公開されているのは、バッテリー交換のみになります。その他破損(画面割れ/外部筐体/内部損傷など)に関しては、破損状況によってその都度見積もるような形になりますので、ここで書いているのはあくまでも修理相場になります。(状態によってもっと安くなる可能性もあります。)
因みに少し安めと言われているMacBook Airに関しても修理相場はそこまで変わりません。
ここで注意しておきたいのは、画面割れの修理であってもAppleCare未加入時には、数万円近くはかかるということです。特に最新のRatinaディスプレイモデルであると、画面割れで5 万円かかることもあるようです。
※ Applecare+ for Mac 引用:修理サービスは、Macおよび付属アクセサリについて、(i)材質上または製造上の瑕疵が生じた場合、(ii)バッテリーが保持する容量が本来の容量の80%未満になった場合、および(iii)過失や事故によるMacの損傷が生じた場合に利用できます。なお、(iii)の場合は1年間に2回の利用に限られ、画面または外部筐体の損傷は1回につき12,900円(税込)、その他の損傷は1回につき37,100円(税込)のサービス料がかかります。過失や事故による損傷に対する未使用のサービスは失効し、次の1年間の継続保証期間内に使用できる2回のサービスが新たに付与されます。
MacBookにアップルケアが不要な理由
そんなに修理費用がかかるのだから、「やはりアップルケアは必要なのでは?」と思うかもしれませんが、ここからはそれでも僕がアップルケアは要らないと思う理由を挙げていきます。
AppleCare+の値段が高すぎる
先ずはその費用の問題です。
AppleCare加入費用は、MacBook Air/Proで以下の通りです。
タイプ | AppleCare+費用 (3年間) | 月額換算 (÷ 36ヶ月) |
---|---|---|
MacBook Air (M2) | 31,800 円 | 約 883 円 |
MacBook Pro 13′(M2) | 34,800 円 | 約 966 円 |
MacBook Pro 14′(M1) | 36,800 円 | 約 1,022 円 |
MacBook Pro 16′(M1) | 51,800 円 | 約 1,438 円 |
iPhoneのAppleCare+と比べると、やはり落下などのリスクが少ないので、費用は安くはなっていますが、それでも月額に換算して883円〜1,438円程度の費用が発生します。
この金額を高いと感じるか、安いと感じるかは人それぞれかもしれませんが、僕は高いと思います。
なぜなら保険というものは発生する確率 × 費用 × 対象物数で加入すべきかどうか判断すべきかと思っていますが、AppleCareの場合はMacBookのみが対象でこれだけの費用がかかることになります。
修理時の自己負担(免責)が高額
またアップルケアに加入しておけば、どんな故障破損も無償で修理してくれると思っているかもしれませんが、実はAppleCareに加入していたとしても自己負担の修理費用(免責額)がかかります。
以下の表は、Macbook Proの場合の自己負担(免責額)と3年間に一度利用した場合の費用をまとめたものです。
画面割れ 外部筐体破損 | その他修理 可能な損傷 | |
---|---|---|
Applecare加入費用 | 36,800 円 | 36,800 円 |
自己負担額 (免責額) | 12,900 円 | 37,100 円 |
合計 | 49,700 円 | 73,900 円 |
この表を見ればわかる通り、例えAppleCare+を加入していたとしても、数万円程度の自己負担が発生するということです。
さらにApplecare+の加入費用と合わせて考えると、3年間で一度修理した場合の合計の費用負担は、なんと43,700 〜 67,900 円という高額になります。
バッテリー交換は80%未満にならないと交換できない
バッテリー交換に関してもApplecare+加入の3年間の間にバッテリーの最大容量が80%未満になった場合のみが交換対象になります。
バッテリー状態は、Macの”バッテリー”環境設定からも確認することができます。
以下は我が家でほぼ毎日使っているMacBook Proの半年後の最大容量になります。
バッテリーの消費に関して、使い方次第にもなるので、人によって価値は変わるかと思いますが、1年間で90%になったという人もいれば、2年間で80%を超えたという人も様々です。
では3年間でバッテリー交換のためだけにApplecare+に入った場合の試算についてはこんな感じになります。(損傷は起きずにバッテリーだけ交換した場合)
バッテリー交換時の 費用試算 | Applecare加入時 | 未加入時 |
---|---|---|
Applecare加入費用 | 36,800 円 | 0 円 |
自己負担額 (免責額) | 0 円 | 20,800 円 |
合計 | 36,800 円 | 20,800 円 |
つまりバッテリーだけを考えるのであれば、合計の負担額は保険未加入で実費で直した方が安いということが言えますね。
もちろん1年間に何度も修理するようであれば、Applecareの方がお得になるかもしれませんが。
macOSサポートはそもそも無償
そして「AppleCareに入ってないと、パソコントラブルに対応してもらえないのではないか?」なんて不安に思っている人がいるかもしれませんが、macOSは基本的にOSサポートは無償です。
そのためハードウェアがサポートしている限り、常に最新OSにアップデートすることが可能です。
もちろんソフト障害が起きたときには、必要なパッチは配布されてきます。(macOS部分)
またそれ以外にmacOSの調子が悪くて、どうすれば良いのかわからないという場合でも、Appleジーニアスにて電話サポートを受けることも可能です。
これら全てAppleCareに加入していなくても、ソフトサポートを受けることが可能です。
ノートパソコンに保険が必要か?
因みにそもそもノートパソコンに保険が必要なのかという疑問もあるかと思います。
その検証を簡単にしてみましょう。
保険の価値と言うものを、期待値という概念で計算してみます。
「確率を考慮した平均値」のこと。例えば、1枚300円の宝くじを買った時の期待値は、1等〜6等全ての当選確率と当選金額をかけてあげると、期待値は150円と言うことになる。つまり宝くじを購入すると50%の確率で得/損すると言うことです。
先ずはMacBookの故障率を調べてみましょう。
順位 | メーカー | 故障率 |
---|---|---|
1位 | ヒューレット・パッカード | 25.6% |
2位 | ゲートウェイ | 23.5% |
3位 | エイサー | 23.3% |
4位 | レノボ | 21.5% |
5位 | デル | 18.3% |
6位 | アップル | 17.4% |
7位 | ソニー | 16.8% |
8位 | 東芝 | 15.7% |
9位 | アスース | 15.6% |
上の表は、SquareTrade 社が調査した、メーカー別の3年間以内にパソコンが故障する確率です。この数字の信憑性はともかく、今回はアップルの故障率 17.4%を使うことにします。
そして修理費用ですが、これは修理相場によるのですが、今回は5万円と想定します。
すると、MacBookを含むアップルのパソコンの3年間の修理費用の期待値は、50,000円 x 17.4% = 8,700円 ということになります。
つまり3年間で8,700円未満の支払いの保険であれば、修理費用の期待値的には契約する価値があると言えます。
どうせ入るなら高コスパな保険がオススメ
AppleCareには契約する価値がないと言ってきましたが、それでもパソコンに何か会ったら困るという人は、出来るだけ安くて対象範囲が広い保険に入ることがオススメです。
ここではパソコンを保証してくれ、高いコスパを出してくれる保険を紹介します。
セゾンカードの携行品保険
個人的に一押しなのがこのセゾンカードの携行品保険「お買い物安心プラン[Y]」になります。
携行品保険というのは、外出時に携行しているもの全てを保証してくれる保険になり、対象はノートパソコンはもちろんのこと、スマホやウェアラブルウォッチ、財布、カバンなど広範囲に保証してくれるものです。
それだけ広範囲に保証してくれるのにも関わらず、費用はなんとたった月額300円で加入できるというコスパっぷりです。
3年間の費用に直すと、300円 × 36ヶ月=10,800円と、修理期待値を超えてしまっていますが、保証範囲がパソコンに限っていないので、それ以上の価値をセゾンカードの携行品保険は出せると思っています。
以下で3年間の間にセゾン保険を加入していた状態で、画面割れ以外の故障を1回、バッテリー交換を1回した場合のApplecare+の負担額の比較をしてみました。(Macbook Proの場合)
セゾン保険加入時 | Applecare+加入時 | |
---|---|---|
保険費用 | 10,800 円 | 36,800 円 |
バッテリー交換 | 20,800 円 | 0 円 |
その他損傷修理 | 1,000 円 (免責) | 37,100 円 |
合計 | 32,600 円 (▲ 41,300 円) | 73,900 円 |
これを見てもApplecare+の金額の高さがわかりますね。
月700円でスマホもパソコンもカバー「モバイル保険」
次に有名どころなのが、モバイル保険になります。
”モバイル”と名前がついていますが、無線通信ができるものであればパソコンも保証対象とすることが可能です。パソコンにはWi-FiやBluetoothがあるので、もちろん大丈夫ですね。
月額の負担は700円とアップルケアと変わらないじゃないかと思うかもしれませんが、モバイル保険の場合は700円で合計3台まで同時に保証することが可能です。
そのため1台あたりに直せば月233円という風にも考えることができるので、それであれば233円 x 36ヶ月 = 8,388円となり、今回計算した期待値よりは安いので、加入の価値はあると言えますね。
ノートパソコンに保険が必要なのはこんな人
では、MacBookにAppleCareが要らないと書いてきましたが、ではそれ以外の保険も含めてどんな人がパソコンに保険をかけた方が良いのでしょうか?
ノマドワーカー(カフェでの作業が多い人)
先ずはノマドワーカーなどのカフェでの作業が多い人ですね。
カフェでMacBookを開いている姿ってなんか格好良く見えてついつい真似したくなってしまうものです。しかしカフェでの危険性ということも同時に認識しておくべきですね。
カフェでは、テーブルとテーブルの間が狭いところも多く、その間を他のお客が通ったりしますよね。そんなときに、そのお客の鞄があなたの飲み物に引っかかってパソコンにこぼれた・・・なんてことを経験した人はいるのではないかと思います。
もちろん他人の責で故障した場合は、その人に修理費用を請求するなんてこともできなくはないのかもしれませんが、なかなか面倒で、判断が難しいところです。
カフェでの作業が多い人は、このようにパソコンに飲み物をこぼすリスクが高いので、そういったリスクに備えるために保険に入るということはあるかと思います。
出張が多い人
そしてもう一つは、出張が多い人です。
単なる外出ではなく、ここではあえて「出張」と決め打っているのは、出張時には普段と違う行動をするので、それだけ危険性が多いのです。
また荷物もたくさん抱えていることも多いでしょうし、その状態で、空港のラウンジ、新幹線でのテーブル、ホテルの作業時などと考えると様々のところでパソコンを壊してしまうリスクがあると言えるでしょう。
まとめ
今回はMacBookにAppleCare(アップルケア)がいらない理由について、解説していきました。
AppleCareはやはり少々高くてあまりコストメリットがないのかなと思っていますが、一方でMacBookの修理費用は思いの外、高額です。修理見積もりをとってみて10万円!となってしまったときには、もう新しいの買った方が安いと思ってしまいますよね。
そんな万が一の事態が起きたときに向けて、AppleCare以外の保証を考えておくというのは良いのかもしれませんね。
もちろん壊さないことが一番良いということには変わりません。
それでは、皆さん是非参考にしてみてください。
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