ついにシニアモバイルシステムコンサルタント(通称SMC)を取得しました。
これでようやくモバイル系のITブロガーとして立派に活躍できるのかどうかは分かりませんが、今後も質の高い記事を書いていければと思っております。
それでは、今回取得したシニアモバイルシステムコンサルタントの資格について紹介していきます。
シニアモバイルシステムコンサルタント(SMC)とは?
先ずはシニアモバイルシステムコンサルタント(SMC)という資格はどういうものなのかですが、日本で唯一のモバイル資格であるMCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が運営する最上位資格になります。
受験するには、モバイルシステム技術検定1級を取得してから1年以上経過しないと受験すらできないものになります。
資格として、正直マイナーな資格でおそらく国内で実際に資格を持って活動しているのは数百人程度なんじゃないかと思います。
シニアモバイルシステムコンサルタント(SMC)を取得するメリット
ここではシニアモバイルシステムコンサルタントを取得するメリットについて、団体からの発表だけなく、自分なりの考察も交えて整理していきたいと思います。
他社のSMCメンバーとの交流
SMCを取得すると、いわゆるSMCとしての活動に参加することができるようになります。
他の資格と違って、SMCとは資格というよりも会員パスのような存在になります。
例えば、展示会などでSMCでしか入れないエリア(有料エリア)入ることができたり、MCPCが主催する活動に参加することで社外での人脈形成に役立てることができます。
MCPC企画事業の参画
MCPCでは、資格運営事業以外にも日本におけるモバイル推進を進めており、モバイルワイヤレス展示会と協賛したり、講習会も主催したりしています。
SMCを取得すると、いわゆるMCPC会員としての活動をすることができるようになるので、講習会の講師などを任せられる可能性があります。
これはもちろんちょっとした副業のような活動にもなりますし、さらには自身の社外での実績作り(名前を売る)にも役立てることができます。
MCPC委員会活動の個人参加
こちらはいくつか活動があるのですが、先ずはMCPC委員会そのものへの活動参加になります。
ただし自身が所属する会社がすでにMCPC会員になっている場合には個人として活動することはあまり少ないかもしれません。
あとは2年に1回改定されるMCPC検定の公式テキストの改版作業についても参画することも可能になっています。(謝礼金あり)
MCPC主催交流会の招待
またMCPCでは、毎年その年の優秀なモバイルソリューションを表彰するMCPCアワードというものも主催しています。
SMCを取得するとこういった活動にも参加することができます。
MCPCとしての個人活動
そして小さなことになりますが、シニアモバイルシステムコンサルタントとしての名刺を有償にて作成することも可能です。
ただし、個人的はフリーランスで仕事をしている人でもない限りこちらはあまりメリットは薄いかもしれません。
個人としての専門知識の証明
そして最後になりますが、シニアモバイルシステムコンサルタントとは資格というよりも、PMP資格のように日々知識をアップデートしていくことを求められる資格になります。
そのため、更新ポイント制となっており、2年間の間にMCPCに関する活動(交流会、講習会など)に参加する必要があります。
つまりSMC資格を維持しているということは、モバイルに関する最新動向を把握しているということの証明になるわけです。
試験内容は?
試験内容は大きくは2つになります。
- 認定研修への参加
- 小論文
ただし、SMCは資格というよりも会員パスのような意味合いなので、資格としての難易度は低いです。おそらく受験すればほとんどの人が受かります。
この資格の難しさはどちらかというと、MCPC検定1級を合格することと、モバイルに関する実務に従事した実績を持つかと思います。
過去問題はある?
とはいえ、建前としては小論文の内容をもとに合否が決定することなるので、気になるのがどういう問題が出るかですね。
私自身が受験した際の過去問題は以下のような感じでした。
1日目の過去問題
- お客様にシステム導入にあたり、現状の問題を課題をヒアリングする際に留意すべき3つのポイントを挙げよ。(200文字以内)
-
(解答例)
① 顧客の業務プロセスを時間軸や役割に応じて、網羅的に課題を抽出する。
② 顧客のレベル感、正しいことを言わない、ビジネス要求と機能要求が混ざっている可能性を考慮。
③ 課題の相関性を理解し、本質的な課題を抽出していく。 - 大幅な変更要求が度々発生する案件におけるスコープ管理として、このような変更要求や仕様変更に対するリスクと対応策についてそれぞれ3つずつ挙げよ。(200文字以内)
-
(解答例)
① 予算超過リスク。
② 納期遅延リスク。
③ 品質劣化リスク。
必要なコスト・予算を見積、都度客先と交渉する。
基本的には試験開始前に実施するプロジェクトマネジメント講座で話した内容に沿っていることと、試験中は配布されたテキストをいくらでも見ても良いということになっているので、試験官も論理的に記述してくれていれば落とすようなことはしないと言ってました。
さらには200文字以内なので、小論文というほども論述する文字数はありません。ほぼ箇条書きで済むような文字数になっています。
つまりほとんど対策する必要もないレベルかと思います。
因みにウェブ上で他にも見かけた過去問を見ましたが、内容はほぼ同じでしたので、おそらく毎回同じレベルの内容が課題として出ているのだと思います。
2日目の過去問題
A社が展開する計測機器から得られるセンサーデータをクラウドシステムに上げて、そのデータを解析し、顧客にサービスを提供しようと考えている。そして、そのデータは従業員のモバイル端末からも参照できるようにしたい。
- SMCとして、本システムに対するセキュリティ対策としてどういったものが必要が対策とその理由についてそれぞれ3つずつ記載せよ。(200文字以内)
-
(解答例)
① IOTデバイスへの不正アクセス対策。耐ダンパー性、セキュアブート。
② ネットワークのセキュリティ対策。VPN、WAF、IPS/IDS。
③ 従業員モバイルへのBYOD対策。MDM、社内の運用ルール策定。 - A社がクラウドシステムを使用することのメリットについて、その理由についても併せてそれぞれ3つずつ記載せよ。(100文字以内)
-
(解答例)
① 弾力性。コンピューティングリソースを時間単位で柔軟に増減させられる。
② 高可用性。冗長構成、ディザスタリカバリ対策が容易。
③ 保守性。OS管理、パッチ作業などの維持作業が不要。
二日目の内容も、基本的は午前中に実施される「IOTシステム構築」というセミナーで説明される内容になっており、ほとんどテキストに答えは書いてあります。
クラウドシステムのメリットに関しては、テキストには書いてなかったですが、クラウドを勉強したことのある方であれば問題なく回答できると思います。
認定更新講習について
実はこれがシニアモバイルシステムコンサルタント(SMC)になる最大のメリットかもしれないのですが、モバイルに関する最新トレンド、動向を知ることができるセミナー(講習)になります。
認定講習会のみ午前中のPMI協会主催のプロジェクトマネジメント講習に参加することになりますが、午後の講習に関しては、毎回その時に最新トレンドについてのセミナーを受講することになります。
因みに今年の講習会の内容としては以下の通りでした。
認定講習会の参加料は、認定料も込みで55,000円(税込)という高額なお金がかかりますが、更新時の講習会参加費用は3,300円(税込)とかなり良心的な値段になっています。
正直この値段で講師のセミナーに参加できると思えば、意外と安いとも考えられるかもしれません。
まとめ
今回はシニアモバイルシステムコンサルタント(SMC)の資格について、書いてみました。
正直世間一般的には超ニッチ&マイナーな資格ではあるのですが、それでも国内でモバイル関係の資格というとほぼこれしかないので、その資格の中で最上位という意味では持っている意義もあるかもしれません。
さらには最近はどこの会社でも組織外の活動を奨励している中で、どうやって自分の名前だけで活動すればいいのかわからないという人もいると思います。シニアモバイルシステムコンサルタント(SMC)は、交流会も含めて色々な社外活動の実績を得る良い機会になります。
社外で成果を上げて、それが社内での評価に繋がるのであれば正に一石二鳥の資格とも言えるかもしれません。
それでは、皆さんもぜひ参考にしてみてください。
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