誰でも簡単に分散投資ができることが売りのウェルスナビですが、この度私は3年半のウェルスナビでの資産運用に終止符を打つことに決めました。
最初に言っておきますが、ウェルスナビ自体はとても便利で、有益な資産運用であることは間違いはなりです。
ただ手軽過ぎて物足りなくなってしまったということなんです。
ということで、今回は私が3年半もの間契約していたのにも関わらず、解約してしまったWealthNavi(ウェルスナビ)を、なぜ解約するに至ったのかを説明してみたいと思います。
僕のウェルスナビの全運用実績を公開
2017年7月から運用を初めて、3年半近く運用した結果がこんな感じなります。
運用したと言っても、実は初めて半年ぐらいで新規での積立を止めています。
積立を止めた理由としては、今回の理由とも被る部分もあるので、後ほど説明していきます。
結果としは3年半近く42万円を運用した結果、+34%(+14.5万)というかなりの運用率の状態で止めたことになります。
これだけ見ると、「ウェルスナビってすごい!!」と思えてしまうかもしれませんが、それでも私はウェルスナビを解約することに決めました。
理由1:手数料が高い
先ずはよく言われる手数料が高いことが言えます。
ウェルスナビの手数料は以下のような料金体系になっており、年率1.1%(税込)+ETF保有コストになります。
よくウェルスナビは1%の手数料という話を他のサイトでも見ますが、正確にはウェルスナビに支払う運用手数料1%の他に、通常のETF保有に関わる手数料を支払うことになります。
ETF保有コストというのは、いわゆる投資信託でいう信託報酬に当たるもので、保有しているだけで支払わなければならないコストになります。
利率に関しては、リスク許容度によっても変わるのですが、大体0.09〜0.13%と銘柄の種類と、比率、時期によっても変化します。
リスク許容度1:0.14%
リスク許容度2:0.11%
リスク許容度3:0.11%
リスク許容度4:0.11%
リスク許容度5:0.12%
(※注) 各ETFの経費率を最適ポートフォリオの配分比率で加重平均した値。2017年8月時点。
つまり合計したウェルスナビでの運用手数料は最大約1.23%(税込)ということになりますね。
因みに手数料が比較的に安いと言われているeMAXIS Slim先進国(インデックス)の手数料は記事執筆時点で、約0.1023%になります。
つまりウェルスナビはインデックス銘柄で全体的に運用しているのにも関わらず、手数料はインデックスのものよりも10倍以上高いということになりますね。
因みに一般的に1%の手数料がかかる投資信託というのは、アクティブファンドと呼ばれる日経やダウ平均などのベンチマーク以上のリターンを目指す銘柄でかかるように手数料になります。
理由2:米国株が全てという真理に気づく
次の理由としては、ウェルスナビの組入銘柄になります。
ウェルスナビは基本的には米国株(VTI)と日欧株(VEA)そして新興国株(VWO)のインデックス銘柄で構成されています。
運用開始のタイミングにもよるので、あくまでも「私の場合は」と頭に付けますが、3年半運用した結果、最も利益に貢献したと言えるのは結局米国株(VTI)であることがわかりました。
もちろんインデックス以外にも金(GLD)なども利益率としては良かったと言えますが、母数の金額を見ると実額としてはあまり大きくありません。
もし利益だけを見たのであれば、余計なものに投資をせずに、利益の出るものに集中させた方がメリットがあるんじゃないかと思うところもあります。
理由3:デタックス手法は運営の手数料稼ぎの手段なのではないか?
デタックス(DeTax)というのは、ウェルスナビで売りにしている節税対策の一つで、マイナスになっている銘柄を損失確定をさせると同時に、同じ銘柄を買い戻すという手法です。
デタックスを実施することで、本来かかるはずだったプラスになっている銘柄分の税金を払う必要がなくなり、その分手元に残る現金が増え、効率的に資産を運用することができるという話です。
ただデタックスという手段は別にウェルスナビに限った話ではなく、資産運用のやり方としてはよく知られた手法の一つで、実態としては「税金の後払い」になります。
購入時に10,000円だった銘柄が、80,000円(20%減)になった段階で、デタックス効果で売却&購入をしたとします。そうすることで、その年の他の銘柄にかかるはずだった税金が安くなります。
一方で、80,000円で購入した銘柄が、その後景気が良くなったことで、120,000円(50%増)になったとします。そこでもし銘柄を売却したとすると、税金は利確した12万ー8万=4万円 x 税金20%かかることになります。
つまり、デタックスによって税金自体が安くなるわけではなく、あくまでも中長期的に見たときに手元にある現金が一時的に多くなるので、資産運用効率が上がるというわけです。
ただ逆の見方をすると、手元に多く現金を残して得するのは、ユーザー以外にも実は運営側も得をするという風にも言えます。つまり手元に多くの現金を残しておけばおくほど、ウェルスナビの手数料の実額が増えるわけです。
ウェルスナビの手数料は預入資産 x 1.1%ですから、含み損を残さずに資産残高を出来るだけ多くした方がウェルスナビにメリットがあるわけですね。
理由4:インデックス投資にロボアドバイザーの必要があるのか?
理由2でも書きましたが、ウェルスナビの構成銘柄は全てETFのインデックス銘柄で構成されています。
割合さえわかってしまえば、自分でETFもしくは投資信託を個別に購入しても、ほぼ同じ結果が得られます。
実際私はウェルスナビの積立金をストップさせてから、自分で先進国などの投資信託を購入するようにしています。
そうなると、あとはロボアドバイザーのメリットはリバランスぐらいしか残らないのですが、これも毎日リバランスするわけもなく、月一回、構成比率を確認して、自分でリバランスをかけて仕舞えば済む話とも言えるわけです。
ウェルスナビ(WealthNavi)の良かったところ
では、そうは言いながらも3年半も保有し続けたわけなので、ウェルスナビの良かったところも、もちろんあると言えます。
積み立て分散投資が簡単にできた
先ずは積立の分散投資が簡単にできることですね。
資産運用をしたくてもどうすれば良いのかわからない、なんとなく損してしまいそうと思う人も多いと思います。事実日本人の資産運用率は、先進国の中でもかなり低いと言われており、米国50.8%、欧州27.9%に比べて、日本はたったの14.4%になっています。
これほどまでに日本人の資産運用に対する意識が低い原因の一つは、「やり方がわからない」「なんとなく怖い」というイメージだと思っています。
ウェルスナビでは、リスク許容度を選択するだけで、あとは毎月の積立額を決めるだけで、勝手に資産を世界中の株式・債権・不動産・金に分散投資してくれるという手軽さが1番のメリットなのではないかと思います。
資産分散の比率例が確かめられた
そして私は途中で積立額を停止したわけなのですが、それでもその後3年続けました。
それはやはり資産運用の知識が浅いが故に、ウェルスナビで作成されるポートフォリオというもの参考にしたかったという理由もあります。
ウェルスナビではリスク許容度と、登録者の年齢を元に、その人にあった最適なポートフォリオを作成して貰えます。
例え手数料が高くても、ポートフォリオだけは参考して自分で投資信託を買付するようなこともできたました。その間に資産運用に対する知識を増やすこともできたので、そういう幅広い意味合いでも当時の私の「ウェルスナビで資産運用を始める」という選択は間違ってはいなかったと思っています。
ウェルスナビを試すなら、直接契約するのが一番お得になる
因みにこれからウェルスナビを試してみたいと思っている人に注意して欲しいことがあります。
ウェルスナビは、現在実に多くの証券会社や金融機関が提携しています。ウェルスナビ for 〇〇といったような名前で商品が展開されているかと思います。
- WealthNavi for 住信SBIネット銀行
- WealthNavi for SBI証券
- WealthNavi for 三菱UFJ銀行
- WealthNavi for イオン銀行
- WealthNavi for ソニー銀行
- WealthNavi for ANA
- WealthNavi for JAL
こういった提携先から契約しても、直接ウェルスナビと契約しても、受けられるサービスは全く一緒になります。
但し、ウェルスナビで直接口座を開設した場合のみに得られるメリットがあります。
それが「長期割」になります。
通常ウェルスナビの手数料は1.1%(税込)になりますが、長期割りが適用されるようになると、毎年0.01%ずつ手数料が割引されていき、最大で0.99%(税込)まで手数料を節約することができます。
たかが0.11%とはいえども、運用額が大きくなっていくとそれだけ効果は大きくなりますので、もしウェルスナビを契約しようと思っている人は断然直接口座を開設した方がお得になります。
まとめ
今回はウェルスナビを解約した私なりの理由について説明してみました。
結果だけ見れば、かなりの高利益率を出してくれたわけなので、特に不満はなかったのですが、やはり長期的かつ大きな金額を運用するには、割高なサービスだったのかなという印象です。
また高い利益を出せたのは、ウェルスナビのおかげというよりも、2020年の後半から続くバブルにも近い株式の高騰が続いているためです。ウェルスナビが優秀だというよりも、インデックス銘柄が高騰しているから、利益率も高くすることができたというのが、今の状況になるわけです。
但し、今回色々と書きましたが、ウェルスナビ自体は資産運用の敷居を下げてくれた存在として、とても便利なサービスであったことは確かですし、周りにもオススメできるサービスであることには今でも変わりません。
では、みなさん是非参考にしてください。
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