最近スマートリングを装着している人もたまに見かけるようになったが、依然としてまだまだ普及率が伸びていないこのデバイス。
個人的にはちょっといいかも?と思いつつ、その金額と何ができるのかよくわかっていなかった関係もあって手を出すのを躊躇っていたのだが、以前もスマートバスマットのレビューでお世話になったissin株式会社より、レビュー用として頂くことができたので、早速今回試してみました。
そもそもスマートリングとは?
まずはスマートリングってなんなのかという部分を個人的なおさらいの意味も含めてまとめておきたい。
スマートリングというのは要は「指輪型の複合センサー」と思って頂ければ良い。指輪の形状の中に、皮膚温や心拍数、加速度を計測できるセンサーが搭載されており、それ自身がバッテリーと通信モジュールを内蔵しており、スタンドアロンで長時間動作が可能という代物だ。
同じようなことができるのは、スマートウォッチをはじめとするウェアラブルデバイスなのだが、なぜスマートリングが良いかというと以下の図がわかりやすい。
指は手首よりも脈波信号が強いため、医療現場では手首ではなく指で測定されます。
スマートウォッチよりも、もっと簡単に、もっと正確に自分の体調を知ることができます。

要は手首でも測ることが出来るのだが、やはりベルトの装着感によっては正しく計測することができなかったり、もしくは寝てる間の呼吸数を計測するために、スマートウォッチを寝てる間中つけるということは、人によってはストレスを強く感じる人もいるかと思う。

個人的には、寝てる時は時計は外して寝たい
また寝てる時に汗をかいたり、もしくは運動時に汗をかくということを考えた時に、少しおしゃれなレザータイプのベルトなんぞつけようものなら、すぐにベルトがダメになったり、匂いが気になるなどもあると思う。
そういう観点で、スマートウォッチは「時間+ツール+おしゃれ」として使用して、スマートリングは「複合センサー専用」として使用するのは、個人的には理にかなっていると思っている。
Smart Recovery Ringの特徴
スマートリングの特徴にも近くなるのだが、このSmart Recovery Ringのポイントは「睡眠の質」「ストレス計測」「体重計との連携」だと思う。
睡眠時の計測はストレスなく
最大の利点は、就寝中にストレスなく装着できる点。重さも存在感もほとんど感じないため、寝返りをうっても違和感がなく、自然に眠りにつくことができました。しかも、毎朝アプリで確認できる睡眠スコアが思った以上に詳細で、「深い睡眠がいつあったか」「寝つきはどうだったか」など、客観的に見られるのが面白い。
ストレスを可視化して、心身を整える
心拍変動から自律神経のバランスを読み取り、ストレスレベルを見える化。仕事が立て込んだ日と、リラックスした休日とでグラフにしっかり差が出ていたのは驚き。見える化されることで、「今日はちょっと頑張りすぎたな」「この週はペースを落とそう」といった振り返りがしやすくなりました。
体重計と連動させて、体全体の健康管理を一目で
issinのSmart Bath Matと同じアプリ上で、体重・体組成とスマートリングのデータを統合管理できるのはとても便利。朝のルーティンで体重を測り、夜は睡眠データを取得、ストレスや心拍数は日中に記録されていく——そうした日々の記録がすべて一つのアプリにまとまっていく感覚は、まさに「スマートヘルスケア」の体現です。


実際に使って使い心地を確かめてみる
サイジングキットでサイズはしっかりと確かめよう
先ずは購入前の確認ですが、いきなり製品を買うのはやめましょう。
購入サイトからは、サイジングキットを購入することができるので、こちらでしっかりと装着予定の指のサイズを確かめてから、最終的なリングを購入するようにしよう。


因みにサイジングキットについては、特に追加料金がかかることはなく、本体価格の中に入っているような形になっています。
流れとしては以下のような形です。
- 購入サイトからサイジングキットを購入(本体価格を含めて支払い)
- サイジングキットでサイズを確かめたら、中に同封される案内に従ってサイトで製品を注文する(追加料金なし)
- 本体が到着
他社のスマートリングでは、サイジングリングと実際に届いたサイズが違かったなどの話もあったが、Smart Recovery Ringはそのようなことはなく、届いた通りのサイズになっているので、そこは安心して良いと思う。
ということで、早速本体の開封の儀もやっていこうと思う。


他社のスマートリングでは、やたらとでかい充電台も見ていたので、箱を開けてみて少しびっくり。
どちらかという、少し小さめのイヤホンぐらいのサイズ感のケースが入っていました。
同封物は、このケースとUSB-Cケーブル(30cm)と、本体リングのみ。


ケースを開けるとこんな感じにリングだけが入っています。


少しわかりづらいかもしれませんが、リングの内側に充電端子があり、これがケース内の端子と張り付くことで、充電される仕組みになっています。
充電時間は、カタログ値で2時間程度です。


外側はチタンで、内側は樹脂のようなコーティングになっています。
ただ外側のチタンについては、かなり薄いように見え、あまり金属感はありません。むしろあまりにも金属感が強いと、重さが出てしまうのかもしれません。
内部の構造は樹脂で丸見えのような形になるので、ちょっと賛否あるかもしれませんが、なかなか面白いですね。


重量は測ってみましたが、2.8g(但し軽すぎるので、自宅のスケールでは正しく測れていない可能性あり。そのため本数値は参考値)、厚みも2mm弱といったところです。(カタログ値 2.2mm)




装着感はほとんど気にならない 〜「つけてるのを忘れる」って本当にある〜
カラーはブラックとシルバーの2色展開になっているのですが、私は今回はシルバーを選びました。完全に好みの問題ですが、ブラックとは結構目立つので、つけてる感が強めな印象です。
指はどこにつけるのが正解か分かりませんが、少なくとも利き腕じゃない方の人差し指につけてみました。


初めてSmart Recovery Ringを指にはめた瞬間、「あれ、軽っ!」というのが率直な感想。
重さはわずか約 2.8 g で、たとえるなら紙のクリップを指に置いた感じに近い。しかも内側のエッジも丸く仕上げられていて、スムーズに指に馴染ます。ただ他の指に指輪をつけている場合は多少は干渉する感じはするので、そこは好みなのかなと思います。




日中はもちろん、実験としてお風呂上がりのスキンケア・洗い物・子どもとのじゃれ合い・ランニングまで、意識的に「リングの存在を気にする場面」を過ごしてみたけど、ほとんど気になることはありませんでした。
防水については、日常生活防水 IP68 / 5ATM(=5気圧)になっているので、基本的に手洗いやシャワー程度であれば問題なく使用できます。(水中に長時間沈めることはできないので注意)
そして何より驚いたのが睡眠時の快適さ。
私は普段、アクセサリーは寝る前に全部外す派なので、Apple Watchをつけていれば睡眠データが取得できるという話を聞いた時に、計測できるのは面白いんだけど、寝てる時に時計はつけたくないなというのが本音でした。
このリングに関しては基本的に指輪と同じような形なので、ほとんどつけていることを気にすることなく使用できます。布団の中での引っかかりもなく、朝起きたときにリングの存在を思い出すレベル。
ちょっと面白いのが、アプリ内の“リカバリー”。これは充電残量ではなく、むしろ“今、自分がどれだけ回復できているか”という指標で、まるでRPGのステータス管理のようで楽しい(笑)
因みにリカバリーの定義は以下のようになっているようで、確かにちょっと寝足りないなと思うような日には50%近くになってる感じがします。


身体がストレスや負荷にどれだけ適応し、回復できているかを示す指標。心拍変動(HRV)、安静時心拍数(RHR)、睡眠時間などを基に計算され、0〜100%で表されます。
- 67%以上 |十分な回復
- 34%〜66%|適度な回復
- 33%以下 |積極的な休息が必要な状態
心拍数や皮膚温度はApple Watchと比べてどうか? 〜「どっちが正しい?」よりも「どう使うか」〜




筆者は普段Apple Watch Series 8を使っており、今回のレビューではSmart Recovery Ringと同時に装着して、1週間ほど並行してデータを取ってみた。
ざっくり言うと、心拍数はほぼ同等。極端に運動して心拍が上がった時や、夜間の平均心拍数の傾向も一致していた。
一番面白かったのが皮膚温のデータ。Apple Watchは、Series 8以降で皮膚温を取得できるようになっています。
特に女性向けの「基礎体温傾向」を取得するという観点では、時計を毎晩つけるよりも指輪として毎晩つけていく方が計測し忘れがないと思うので、圧倒的にスマートリングの方が便利かと思いました。
因みにどんな感じになるかというと、基準(平均)の体温を自動的に検出して、±0.01度単位の微妙な体調の変化——「あ、今日ちょっと喉乾燥してるかも…」くらいの感覚——を翌朝のレポートで“皮膚温 +0.4℃”みたいに出してくれます。
このとき、「データに支えられた主観」って、こういうことか!と感じた。主観で「なんかダルい」って思ったときに、数値が寄り添ってくれる安心感。これって意外とありがたい。
因みに歩数についてもApple WatchとSmart Recovery Ringで違いを確認してみましたが、若干の誤差はあるものの、このレベルの差であれば許容範囲といったところじゃないでしょうか。




実際の電池持ちは約5〜6日 〜1週間に1度の“メンテナンスタイム”〜
電池持ちはカタログ値で最大7日ですが、今回試してみた感じでは6日前後という感じだと思います。
僕の使い方はというと、睡眠中も含めて24時間常時装着しつつ、アプリで1日2〜3回チェックという感じ。ただ正直レビューのために多少頻繁にチェックしていると思うので、気持ち通常の使い方よりも電池減りは早いかもしれませんね。
なので、ケチケチ運用をすればカタログ値7日間は出るかもしれませんね。
とはいえ、リングの充電は専用のマグネット式チャージャーを使用し、フル充電でも2時間程度しかかからないので、そこまで充電に関わるストレスは感じないかと思います。
私は「夜の風呂の間や、仕事中にちょっとリングを外した数十分に充電」という習慣で、十分対応可能な感じです。
これだけの機能が入って29800円・サブスク無し
そして最後に驚きなのは、その金額です。
他のスマートリングの価格が約5万円前後になっているのに対して、Smart Recovery Ringに関しては29800円で機能制限なしで機能が可能です。
Galaxy Ringは6万円以上、さらにはOura Ring 4は7万円以上本体に支払った上で、さらに月額990円支払わないと全ての機能が使用できない。
このことを考えると、現時点([update])でSmart Recovery Ringがスマートリング界隈において、最も価格が抑えられた上で、機能的にも優れたスマートリングと言えそうです。



2025年現在で、最もコスパの良いスマートリングです!
他のスマートリングとの比較
Smart Recovery Ringが特におすすめのユーザー
- Smart Bath Matを使用している人: Smart Recovery Ring最大の特徴は、Smart Bath Matを中心とした体重管理アプリと同じプラットフォームで健康管理ができることです。体重、体組成、心拍、睡眠など、すべてを一元的に管理したいユーザーに最適。
- 日常的な健康管理を重視する人: 自律神経バランスやストレスレベル、睡眠の質、活動量など、日常の健康管理に欠かせない指標を包括的に測定できるため、日々の健康意識を高めたいユーザーにおすすめです。
- Appleヘルスケアユーザー: Appleのエコシステムと相性が良く、iPhoneのヘルスケアアプリとスムーズに連携可能なため、Apple製品ユーザーにとって特に使いやすいリングとなっています。
あと地味な部分かもしれませんが、他のスマートリングとの違いとして充電台のコンパクトさがあります。
以下の写真からでもわかるように、充電台はAirPodsよりも小さく、デスクスペースを無駄にしません。他のメーカだとやたら大きかったりするので、このコンパクトさはとても良いですね。


ただ気になると言えば、USB-Cケーブルを挿すと常に充電台が緑色になるので、差しっぱなしにしておくとちょっと気になります。
我が家では基本的にはUSB-Cは刺さずに充電する時だけ繋ぐようにしています。
用途別のおすすめリング比較
- 運動・フィットネス特化型:Amazfit Helio Ring
- 多様な運動・フィットネスアプリ連携と運動指標が豊富
- 睡眠・ストレスケア重視型:Ultrahuman Ring、Oura Ring
- 詳細な睡眠分析、ストレス管理、体内時計の追跡が可能
- Galaxy ユーザー:Galaxy Ring
- Galaxy スマホを使っているユーザーであれば、Galaxyとのシームレスな連携が可能
- 日常健康管理重視型(特にSmart Bath Mat併用者):Smart Recovery Ring
- Smart Bath Matと同じアプリ内で統合管理ができる唯一の製品
気になった点・デメリットも正直に書いておく
どんなデバイスにも完璧はなく、Smart Recovery Ringにも「ここはちょっと気をつけたほうがいいかも」というポイントがある。
購入を検討している人のためにも、気づいたことを率直にシェアしておきます。
防水性能は日常生活レベル。水泳は非推奨
Smart Recovery Ringは防水性能が5ATM(約50m防水)となっており、基本的には「手を洗う」「雨に濡れる」「風呂場に持ち込む(ただし湯船に沈めない)」くらいは問題なし。
ただし注意したいのは、水泳やダイビングなどの“水中での運動”には非対応という点。
お風呂で使えるかをissinさんに確認したところ、「一応問題はないが、沈めるのは推奨しない」とのこと。個人的にはシャワー程度ならOKだったが、プールでは外しておくのが無難。
水中でも心拍数や体温を測りたい人にとっては、やや残念な仕様かもしれない。
計測時の緑色は少し気になるかも
ただ使っていて少し気になったのは、計測中のリングの発光。
定期的にスマートリングが自身の心拍数や酸素飽和度を計測しているのだと思うのだが、計測中は以下のように赤もしくは緑色にリング内側が発光する。




使っていて、赤色はほどんど気にならなかったのだが、緑は結構気になるといえば、気になる。
正直Apple Watchでもたまに緑色に光ってるなと感じることはあるのだが、特に人差し指につけていると、緑色がちょうどよく目に入るような気もする。
だからと言ってデメリットというわけでもないが、気になるか気にならないかと言えば、気になるという感じだ。
睡眠以外の“リアルタイム通知”はない
スマートウォッチに慣れている人だと、「通知が来ないのが逆に物足りない」と感じるかもしれない。Smart Recovery Ringはあくまで“パッシブ(受動的)にデータを取って、アプリで確認する”スタイル。
特にデータの同期に少し時間がかかるようなイメージなので、今の状態をチェックするというよりも、1時間前の状態を振り返るというような感じです。
つまり、「今ストレスが高いです!」とか「休憩しましょう」みたいなリアルタイム通知や振動通知などはありません。
毎晩なのか、毎朝なのかは人次第ですが、自分の状態を振り返る時間をとってみるという使い方になっています。
逆にいえば、常時通知が飛んできて疲れてしまうタイプの人にはちょうどいい設計だが、アクティブな介入を期待する人にとっては物足りないと感じるかも。
(+α)ファッション性は好みに分かれるかも?
見た目はシンプルでスタイリッシュだが、ちょっとだけ存在感がある。
とくにファッションリングを重ねづけしている人や、細めの指輪が好みの人にとっては「思ったよりゴツいかも」と感じるかもしれない。
色展開が限定的なので、「アクセサリーとしての一体感」を求める人は注意。
とはいえ、“センサー内蔵でこの薄さ”は逆に驚きでもある。
まとめ


- 睡眠時の計測がストレスなくできる
- 見た目もしっかりオシャレ
- ”なんとなく”の感覚を、データの可視化をして改善に取り組める
- 完全防水ではない
- 通知機能は
今までスマートリングに少し興味はあるけれど、実際どうなの?と思っていた人にとって、Smart Recovery Ringは非常にバランスの良い入門モデルだと思います。
「日中はスマートウォッチ」「睡眠やストレス測定はスマートリング」と役割を分けるのもアリ。特に睡眠中に装着感を感じたくない人、健康管理をシンプルに一元化したい人にはとてもオススメ。
“健康は日々の積み重ねから”。
毎日の習慣に、さりげなくテクノロジーを取り入れてみてはいかがでしょうか?
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