もうスマートロックを使い始めて、少なくとも5年近く経ちますが、正直前回のSwitchBotロックProが、ある意味賃貸向けの住居に使えるスマートロックの到達点だと思っていました。
しかしどうやら違ったようでした。
今回なんとSwichBotから、CES2025でも発表のあった新デバイス、SwitchBot ロック Ultraが発売となりました!
因みにCES2025でのレポートについては以下も一緒に見てみてください。


今回のSwitchBot ロック Ultraについてですが、一言で言えば

SwitchBotが住設系スマートロック業界に殴り込んできた
という感じですね。
何がどうウルトラなのかを、皆さまよりひと足さきに試させていただける機会をもらえましたので、今回はSwitchBot ロック Ultraについて徹底的レビューしていきたいと思います。


住設(住宅設備)系のスマートロックに進化
ここだけ少しだけ私が感じた言葉なので、ちょっとだけ補足しておきます。
個人的な意見にはなりますが、今のスマートロック業界については、賃貸などに後付け対応ができるタイプと、注文住宅や分譲住宅などでHM/工務店で取り付けた状態の住設系スマートロックの2種類があると思っています。
住設系スマートロックとは、住宅設備として新築やリフォーム時に住宅に組み込まれるタイプのスマートロックを指します。これらは住宅メーカーや工務店が施工時に取り付けるもので、ドアと一体化したデザインや高度なセキュリティ機能を特徴としています。
具体的なメーカーの例としては、以下のものがあります。
- 美和ロック株式会社:鍵・錠前の総合メーカーであり、住宅向けの電気錠システムを提供しており、日本メーカーのNinja Lock(ニンジャロック)と提携しています。
- LIXIL:住宅設備大手のLIXILは、スマートホームサービス「ライフアシスト2」を提供し、その中でFamiLock(ファミロック)というスマートロックも提供しています。
- 積水ハウス:住宅メーカーとして、PLATFORM HOUSEというブランド名で、タッチ操作やアプリ連携が可能なスマートロック技術を採用しています。いわゆる電子錠になっており、カードやボタンで解錠できるものになっています。
これらの住設系スマートロックは、住宅の設計段階から組み込まれるため、後付けタイプに比べてデザイン性や機能性が高く、住宅全体のスマートホーム化にも寄与します。
住設系スマートロックの特徴としては、なんと言ってもその見た目の”つけていない感”ですね。
ドアと一体型となっていたり、ハンドルとシームレスに繋がっている”ように見える”ので、ほとんどスマートロックの感じがしないというのが一番の特徴かと思います。
また国内の有名なHMや鍵メーカーが提供しているというのも相まって、なんとなく安心感があるというのもあります。
一方で機能的には、SwitchBotのような海外メーカーのものよりは劣っていたり、自分で自由に交換ができない”HM”頼りになってしまい、そもそも金額が数倍〜10倍以上だったりします。とはいえ、結局は電池式で動作しているものなので、信頼性というよりも単純にブランド価値で販売できているような感じになります。
個人的には今回のSwitchBotが追求しているのはこの”おしゃれさ”、”スマートロックじゃない感”という部分に徹底的にこだわっているような感じです。
製品概要|SwitchBot Lock Ultraの全てがわかる!
ということで、まずは機能的な部分を簡単に紹介していきます。
SwitchBot ロック Ultraの3つの魅力は、大きく3つあります。


後付け感のないデザイン


3重のバッテリーシステム


解錠スピード
それぞれ1つずつ簡単に紹介していきたいと思います。
後付け感のないデザイン
先ずはこのスマートロックの1番の推しはこの見た目ですね。
今までのスマートロック、SwitchBot はもちろんですが、QrioやSesameなども含めてどれもこれもサイズが大きくなかったでしょうか?
その中でもSesameは、個人的にはサイズ感だけで言えば最もコンパクトで好きだったのですが、今回のロックUltraはそれすら超えてきましたね。
表面は、高級感溢れるアルミ合金になっており、カラーはブラックとホワイトの2色展開になっています。
物理的な解錠方法は、ロックProと同様に中央のボタンのクリック、もしくは指で捻るように解錠することができます。


当初は、ボタンクリックなんて単純に”凄そう”に見えるだけでほとんど使わないんじゃないかと思ったんですが、ロックProを1年以上使っている私からすると、これめっちゃくちゃ便利です。



一度ハマるとこれしか勝たん
さらにシングルクリックもしくはダブルクリックを設定で変更可能になっているので、子供のいたずら防止だったり、配達員が誤って触ってしまうときにでも安心です。
サイドには、SwitchBotロゴがありますね。


因みにどれぐらい”スマートロックじゃない感”なのかというと、ロックProとで横に並べてみました。


ロックProも正直かなり格好いいと思っていたのですが、こう並べると同じメーカーのものとは思えませんね。
基本的に玄関のノブなど、住宅設備は丸みを帯びたものが多いので、スマートロックも角ばっているよりも丸い方が馴染みますね。
そしてロックUltraの1番のデザイン的な変更は、カギのノズル部分をカバーで完全に覆い隠したことですね。
これにより、玄関のドアとスマートロックが完全に一体化し、まるで住宅設備のような見た目にグレードアップしているように見えます。


内側のキャップは、バネのようになっているので、ある程度の高さであれば、この中に完全収納が可能です。
また今回からバッテリーカバー部分に、装飾として木製シート(3種類)を貼ることができるようになりました。
ダーク、ライト、ホワイトの3種類から選べるようになっているので、木製の扉を使用しているユーザーの場合は、ほぼ溶け込むようなデザインにすることもできます。








三重の給電システム
ついにここまで来たかという感じですね。
簡単に今までの進化の経緯を書いてみます。






ということで、ロックUltraではついに3重給電システムに対応となりました。
因みに何が3重なのかというと、バッテリー自体はこんな感じですね。
- 充電式メインバッテリー(1年間)
- 予備バッテリーCR123A (1,000回)
- 微電流解錠コンデンサ(5回)
ここまで電源が準備してくれるのであれば、ほぼ締め出されることの心配はいらないかもしれませんね。ちなみに私自身は過去にスマートロックで2回ほど締め出されています。


メインバッテリーは、USB-Cケーブルで充電できるようになっており、これだけ約1年間持つそうです。


予備バッテリーは、CR123Aという特殊タイプの高出力電池を使用しています。




最後のコンデンサは基盤内のものなので、確認することはできませんが、これはロックProでも入っていた緊急解錠機能で、内部に少しだけ電気を溜め込んで数回だけ解錠できるような機能です。
これで、メインが死んでも予備が、予備が死んでいてもコンデンサが解錠してくれるという三重設計になっているということです。



これだけ対策してれば十分でしょ
因みに私個人の話として、SwitchBotロックで締め出されたことは過去4年以上ありません。
また実はロックProでもA/B冗長電源と緊急解錠を組み合わせれば、3重ロックだったんじゃないかと思うのですが、確かにほとんど冗長にさせる必要って実はないんですよね。
というのも基本的にメインバッテリーが死んでいることに気づいたら、ほぼ即充電するんです。だって締め出されたくないから。
それならメインのバッテリーをより大きくしてあげた方が結果的にそっちの方が便利だよねというのが今回の思想でしょうね。
全くもって理に叶ってると思います。
より静かになった解錠
そして解錠速度ですが、これは目に見えて早くなりました。
今までのロックProでは、ボタンをクリックしてウィ〜ンとモーターがなって解錠するという以下にもロボットが操作しているような速度だったんですが、今回に関しては音を聞いてもわかるぐらい圧倒的に早いです。
ロックProと比較して、解錠速度は78.6%UP、モーターの回転動力も50%UPになっており、比較にならないぐらい早いことがわかります。
以下で比較してみました。
また解錠の音についても、標準で既にロックProよりも静かなのは明らかなのですが、さらに解錠モードを選ぶことができ、高速モード、標準モード、静音モードの3種類から選択可能です。
通常時には高速モード、夜になった時には静音モードにと使い分けることができますね。
夜間モードが地味に便利


この機能は個人的には、ロックProにもあってもよかったと思う(今後ソフト更新?)のですが、夜間になるので、自動的に鍵を施錠したり、夜中に閉め出されないようにモードを変更したり、静音モードにする機能です。
正直自動施錠は以前も対応していたのですが、ここまで細やかな設定が自動でされるのはめちゃくちゃ便利です。
ロックUltraを購入した人はマストで設定すべきです。


磁石での貼り付けにも対応
今回のSwitchBotロックUltraは、貼り付け面は引き続き両面テープになっています。
人によっては両面テープだと賃貸の玄関に傷がつくから貼りたくないと思っているかと思います。
一応メーカーにも確認しましたが、SwitchBotロック Ultraの専用マグネットについても今後5月以降に販売予定だそうです。
とはいえ、別にメーカーのものじゃないと動かないわけじゃないので、早く欲しい人は自分で購入してしまっても良いと思います。


ただどうやら、今回のモデルから両面テープも改良されており、より剥がした時にドア側を傷つけにくくなっているようです。
これは流石に試すことはできなかったのですが、以前よりはそこまで神経質にならなくても良いかと思います。



ちなみに我が家はロックProも両面テープでしたが、傷ひとつなく剥がせました


旧モデル(SwitchBot Lock)との比較
以下は、SwitchBotから発表されている同社が発売しているスマートロックの比較表です。



実はしれっとロックLiteが発売されていますね


表にすると、足しにロックUltraが機能的に優れていることはわかると思います。
手元のロックProと改めて並べてみました。
元の角張ったデザインから、丸みを帯びたデザインに変更されていますね。


またデバイスの厚みも大幅に削減されており、見た目もかなりスッキリしています。
正直SwitchBotのスマートロックは結構大きめの印象だったのですが、今回のロックUltraで業界最小級のスマートロックになっているかと思います。


さらに指紋認証パッドもSuica対応にひっそりと進化
また今回SwitchBotロックUltraと合わせて、指紋認証パッドについても同時に進化し、今回初めてSuicaでの解錠に対応しました。


見た目はあんまり変わらないのですが、旧製品ではSuica対応しないので注意が必要です。




Suicaで実際にロックProを解錠してみました。
かなりスムーズに解錠ができますね。
おそらくほとんどの方は指紋認証で開錠するかと思いますが、Suicaでも開錠できるというのは実は高齢者のような指紋が擦り切れているようなユーザーにはこちらの方が確実です。



年をとると指紋認証されないのよ
実際に使ってみて気になった点
開閉センサー用の磁石の貼り付け面が微妙
開閉センサーの磁石の磁束の向きが今回が明確にされ、さらに両サイドで磁束の強さが変わっているようです。
ロックUltra本体まで0-30mmの場合と、30-50mmの場合で向きが変えられるようになっています。




ただこれなんでこういう設計になっているのかは不明なんですが、基本的に磁石を壁に貼る面から見て、右と左になっているので、通常日本の賃貸の玄関ドアって、下のようにドアのフレームが確実にあるので、貼るとするとこんな感じで貼るしかないと思うんですよ。


これでも貼れなくはないんですが、若干磁石自体が斜めってるのもありますし、そもそも貼る面として考えてないので、最初に貼ってある両面テープを捨てる必要があるので、ちょっと勿体無い。
さらに使ってみた感じ、常に磁力で引っ張られているので少し剥がれやすい気がしています。
とはいえ、このタイプのドアだとこう貼るしかないですね。
まとめ|購入を迷っているあなたへ


- 住設系スマートロックのようなオシャレさ
- 三重対応された給電装置
- 人の手と変わらない解錠速度と静音性
- 磁石センサーの貼り付け位置には改良の余地があるかも
結論|2025年最高のスマートロックはおそらくこれで決まり
SwitchBotロックProが販売された時に、スマートロックの1つの完成系だと思っていたのですが、正直ここまで進化してくれるとは思っていませんでした。
見た目、信頼性、解錠速度、アプリの使いやすさ、全ての面において個人的にはこれ以上のスマートロックは現状市場にないと思います。
指紋認証との解錠もシームレス過ぎて、全玄関に導入して欲しいと本気で思っています。
スマートロックを今年から買おうかと思っている人は、まず間違いなくこれをかえば間違いはありません。
有名ガジェット雑誌でもこれからランキングを作るでしょうが、まず間違いなくこれがベストバイです。
これまでのスマートロックに不満があった方にも強くおすすめできます。
スマートロック導入を検討している方には、ぜひ試してみてください!
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