新型コロナが続いている中で、高齢の家族をどうしても介護施設入れなくてはならなくなってしまいました。今の介護施設がどうなっているかというと、コロナウイルスは肺炎の症状が出るので、老人ホームなどで万が一コロナのクラスターが起きてしまうと大変なわけです。
しかし面会などがどうなっているかというと、ほぼ「面会謝絶」の状態です。
入居の際から、一切施設内に家族であったとしても入ることができず、入居後は一切会えない状態になってしまいます。しかもスマホが扱えるようなお爺ちゃんお婆ちゃんなら良いんですが、そういうデバイスが扱えるわけもなく、ほとんど連絡すら取れないような状態になってしまうんですよね。
一部オンライン面会なども施設によっては対応してくれるところはあるんですが、正直介護施設の職員は、介護のベテランではありつつも、そういったITに関しては全くできないことが多いんです。
なので、パソコンを開いてメールのリンクからZoomを起動して・・・なんてやることなんて無理というか、普通に断られます。しかも施設のWi-Fiを使うことになるので、施設によっては持ち込みのパソコンはNGだと言われたりと、どうしようもならないんですよね。
そこで米国で老人ホームの人たちの孤独感を埋めるデバイスとしてはGoogle Nest Hub Maxが役立っているという記事を見つけて、これをどうにか構築できないかと検討してみたいと思います。
今回は特に以下のような環境で同じように困っている方には役に立つんじゃないかと思います。
- コロナ禍中にITに疎い高齢の家族が介護施設に入ってしまった
- 感染防止のために、施設に一切に入ることができない
- オンライン面会を施設職員が対応してくれない(できない)
- 持ち込みのパソコン/タブレットの施設Wi-Fiの使用を断られた
- 入居中でもどうにか離れた家族との繋がりを作りたい
先ずはGoogle Nest Hub Maxとはなんなのか?
Google Nest Hub Max(ネストハブ)とは、Googleが販売するスマートスピーカーの1つで、シリーズの中ではハイエンド に位置する製品になります。
スマートスピーカーの中でもディスプレイが内蔵されたタイプのもので、このディスプレイを使ってスピーカー以上のことができるようになっています。ネストハブMax自体はいろいろな機能が入っていますが、その中でも今回は使用する機能はビデオ電話機能(Google Duo)と、デジタルフォトフレーム(Google Photo)になります。
特にデジタルフォトフレームの機能について言っておきたいのは、家族の写真を遠隔に追加して、常に最新の写真を表示できるということなんです。家族の写真を送る場合は、スマホがない場合は物理的に写真を送ったりするわけなんですが、今のコロナの状況であると、直接施設にもいけないし、送れる写真もそこまで頻繁には送れないと思います。
しかしGoogle Photoを使ったデジタルフォトフレームであれば、遠隔で写真を追加することもできますし、定期的に写真をアップロードすれば離れて過ごす家族の状況をネストハブMax経由で垣間見ることができ、それにより孤独感を埋める助けになるかと思います。
因みにGoogleのスマートディスプレイには、Nest Hub Max以外にも通常のNest Hubもあります。Google Nest HubとNest Hub Maxの1番の違いはフロントカメラの有無になります。特に今回は高齢の家族と、Nest Hub Maxを使って通話をするわけですから、フロントカメラがないとそもそも意味がありません。
Nest HubでもGoogle Duoを使って通話はできますが、Nest Hubではフロントカメラがついていないので、ビデオカメラの映像はスマホ→Nest Hubの方向だけになります。つまりNest Hub→スマホへは映像は届かないので注意してください。
Google Nestはフロントカメラがないので、今回の使い方ではNest Hub Maxである必要がある
完全スタンドアロン型オンライン面会セットアップ
今回のセットアップ構成は以下のような感じになります。
ポイントはGoogle Nest Hub Maxとモバイルルーターなどの工事不要のルーターを使用することです。これはなぜかというと大きく理由は2つあります。
1つ目は、老人ホーム施設内のWi-Fiが使用できない(もしくは安定しないなど)
2つ目は、Wi-Fiセットアップの簡便化を行うため
前述の通り、施設によっては入居者にWi-Fiなどの通信環境を一切提供していないというところも多く、こういった施設の場合は持ち込みの通信デバイスを使用するためには、通信キャリアとの契約があるポケットWi-Fiなどを使用する必要があります。
ポケットWi-Fiと聞くと海外旅行中に使うイモトのWi-Fiなどを思い浮かべるかもしれませんが、国内で使用する場合には、モバイルルーターという名称ですね。今回モバイルルーターを使うに当たってどれを使おうかと悩んだんですが、今であればやはり楽天UN-LIMITの1年間無料プランを使うのが一番お得になるかと思います。その他にはUQ Wimaxでも、比較的通信エリアも広く、こちらは通信量はずっと無制限になるので、楽天モバイルの無料キャンペーンが終わった後にはこちらを使うのもアリかと思います。
また2つ目のセットアップの簡便化については、Google Net Hub Maxの仕様上の問題があります。
Google Nest Hub Maxのセットアップは、全てスマホで行う必要があります。セットアップにはインターネットに繋がる状態で、スマホを近くに置いて、セットアップをしてあげる必要があります。ネストハブ本体をWi-Fiに接続するためにももちろんスマホが必要です。つまりもしセットアップ時のWi-Fiと、老人ホーム内のWi-Fiが違う場合には、現地にいってスマホでセットアップしてあげる必要があるんですね。
今回は一切施設には入れないので、セットアップ済みのものを丸々施設に送ってあげる必要があるわけですね。
そのために、工事不要のスタンドアロンなモバイルルーターとネストハブMaxを一緒に送ってあげて、施設では電源をONにするだけで済むにようにしてあげたいと思います。
必要な機器リスト
セットアップに必要な整理していきたいと思います。
Google Nest Hub Max本体
先ずはGoogle Nest Hub Maxですね。
気をつけて欲しいのはGoogle Nest Hubではなくて、もう少しお高めのNest Hub Maxの方が必要になります。Nest Hubであるとフロントカメラがないので、今回やりたいことに合わなくなってしまいます。
因みにネストハブMaxの設定は全てスマホのアプリで行う必要があるので、これ以外にもiOSもしくはAndroidのスマホ/タブレットが必要になります。
通信キャリア契約回線 + モバイルルーター本体
次に一緒に送る必要があるのは、通信キャリア契約回線とモバイルルーターになりますね。
通信キャリア契約回線の中では今一番オススメできるのはやはり楽天モバイルになるかと思います。なんて言ったって、1年間無料キャンペーン期間中ですから、途中でダメなら解約してしまえば良いわけですし、通信量も楽天エリアであれば無制限、それ以外のauエリアでも上限5GBですから、今回の使用の仕方であれば、十分だと思います。
またモバイルルーター本体を選ぶ場合には、単にSIMフリーのLTE対応のものを買うと失敗します。というのも楽天モバイルは対応周波数が限られているので、周波数に対応していないルーターを買ってしまうと一切繋がらなくなってしまします。
なので、必ずバンド3とauローミング回線のバンド18が使える機種を選ぶようにしてください。色々調べるよりも素直に楽天モバイルで販売されているMP02LNを買うのが無難だと思います。
もしくは楽天モバイルが既に無料キャンペーンがなくなっている場合には、UQ Wimaxという使うのも良いと思います。こちらは通信エリアも比較的に広いですし、また通信量は元々無制限なので通年で安心して使用できるプランかと思います。
今回も楽天モバイルがなければこちらにする予定でした。
セットアップ手順
では、早速やっていきましょう。
Googleアカウント
先ずはGoogleアカウントの作成から始めましょう。
もちろん今までの使っていたものがあれば、そちらを使い続けて良いですが、今回の使用方法では家族向けGoogleフォトの写真をそのままネストハブMaxにデジタルフォトフレームとしてスライドショーにしようと思います。
そのため、家族専用として1つアカウントを使った方が良いと思います。
モバイルルーターのセットアップ
次にWi-Fiを準備したいので、モバイルルーターをセットアップしちゃいましょう。
とはいっても、ほとんど設定は不要になっています。楽天モバイルでセット購入しても、個別に楽天市場やAmazonなんかで手に入れてもどちらでも一緒です。なので、お得に買える方で購入すると良いでしょう。
設定は本当に何も入りません。購入したモバイルルーターの裏蓋を開けて、楽天モバイルのSIMカードを挿入すれば、あとは勝手にネットワークに接続して、Wi-Fiが使えるようになっています。
APN(アクセスポイントネットワーク)の設定もMP02LNであれば、自動的に入るのですが、一部会社によってはできないものもあるようです。その場合は、手動でAPNを設定してあげる必要があります。
APNの手動手順は → こちら (Aterm MR04LNだけど、画面はほぼ一緒です)
念のため、「Aterm MP02LN」の取り扱い説明書は → こちら
Google Nest Hub Maxのセットアップ
次にGoogle Nest Hub Maxになります。
Nest Hub Max のセットアップは、実際に使用するときと同じ Wi-Fi ネットワークに接続した状態で行う必要があります。そのために介護施設のWi-Fiに接続するという場合には、現地で設定をしなくてはならなくなってしまうわけなんですが、コロナの状態では一時入室も断られるわけですね。
なので、今回はGoogle Nest Hub MaxをモバイルルーターのWi-Fiに接続してしまいましょう。
Google Homeのダウンロード
設定は全て、スマホ側で実施してあげる必要がありますので、以下をダウンロードしましょう。
Google Home
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スマホをモバイルルーターに接続する
次に設定で使用するスマホを用意したモバイルルーターに接続しましょう。これは次のネストハブMaxのセットアップする際に同一ネットワークに接続されているデバイスを検出するようになっているので、予めスマホとネストハブが同一Wi-Fiに接続しておく必要があるためです。
スマホの画面からWi-FiをMP02LNのものに切り替えておいてください。
SSIDは、MP02LNの正面にも表示されていると思いますが、おそらく”aterm-xxxxx”というものになっているはずです。パスワードは、モバイルルーターの裏面にも書いてあると思いますし、同封のシールにも記載があると思います。またMP02LNの設定メニューからも確認することも可能です。
Nest Hub MaxをWi-Fiに接続する
ではスマホ側でアプリを開いてセットアップしていきましょう。
手順として難しくなく、アプリを開いて追加管理>デバイスセットアップからあとは手順通りに進めていきましょう。
その後に、Wi-Fiのセットアップになりますが、SSIDをモバイルルーターのものに選択してあげて、パスワードを入れていきましょう。SSIDとパスワードは、スマホで設定したものと同じものを選択してください。
Google Duoのセットアップ
次にGoogle Duoのセットアップになります。
Google Nest Hub Maxでビデオ通話を行うためにはスマホ側でGoogle Duoの設定をしていただく必要があります。
先ずはスマホ側で以下のアプリをダウンロードしましょう。
Google Duo
Google LLC無料posted withアプリーチ
インストールが完了したら、あとはカメラ・マイク・連絡先などのアクセス許可の通知が出ますが、基本的には全てOKにしましょう。(連絡先のアクセス許可はシステムからプライバシー設定で変更することもできます)
サインインするアカウントは今回一番最初の手順で作成したGoogleアカウントのものを使いましょう。
そしてここが一番面倒なんですが、Google Duoの本人認証のために、SMSを使ったコード認証が必要になります。もし施設に入る家族がスマホもしくはSMSが届くガラケーを持っているのであれば、そちらを使うべきですが、もしそういったものを何も持っていない家族の場合は少々面倒です。
今回は楽天モバイルの契約をしているので、SIMカードと電話番号はあるので良いんですが、肝心のスマホを別で調達してあげる必要があります。今回使用するMP02LNのモバイルルーターでは残念ながらSMSは受信できないので、SIMフリー端末を別で手配するか、もしくはお使いのスマホの支払いが済んでいるものであれば、手数料掛からずSIMフリー端末にすることも可能です。
キャリア別のSIMロック解除方法 → ドコモ、ソフトバンク、au
Google アカウントに家族の連絡先を登録しておく
次にGoogleアカウントに、連絡をとる可能性のある家族の連絡先を登録しておきましょう。
先ずはこちらからGoogleアカウントにアクセスして、今回の手順で作成したGoogleアカウントでログインし、家族の連絡先を登録しましょう。
Nest Hub Maxを使って家族と繋がる
さて、これでほぼ設定は完了となりましたね。早速使っていきましょう。
Google Duoでテレビ電話をしてみよう
Google Nest Hub Maxでビデオ通話をするためには、先ずはGoogle Duoでの設定が終わっていることが条件になります。
1対1電話
先ずは1対1通話になります。
通話をする際にスマホからネストハブMaxに電話をする方法と、ネストハブから他の端末に電話をかける方法の2種類があります。
スマホからネストハブMaxに電話をする
スマホからネストハブMaxに電話をかけるには、電話をかけるスマホにもGoogle Duoを登録しておく必要があります。この場合、ログインするアカウントと電話番号は自分のもの(今回の手順で作成ものではない)を使ってください。
そして、スマホ側の電話帳(Google アカウント)に、今回の手順で作成した家族用のGoogleアカウントと契約した楽天モバイルの電話番号を登録しておきます。
この状態でGoogle Duoを起動すると、おそらく以下の赤枠部分に今回作成したGoogleアカウントが表示されるはずです。あとはここから通話を開始することができますね。
もしくは連絡先に登録しないのであれば、電話番号を直接入力して通話をすることも可能です。
ネストハブから他の端末に電話をかける
次にネストハブMaxから他のスマホに電話をかける方法になります。
こちらの場合は、先ずはネストハブMaxから連絡先が見れるようにしてあげる必要があります。GoogleホームアプリからNest Hubを選択し、設定>認識と共有>認識とカスタマイズと選択し、”アカウントに基づく情報の許可”をONしてください。
これで、ネストハブから連絡先が表示できるようになっているはずです。
この状態で、ネストハブに向かって、「Ok, Google. 電話をかけて」と言ってみましょう。
するとネストハブ側でGoogle Duoが登録済みのアカウントリストが表示されるので、そこから通話可能です。
もしくは「Ok, Google. ××××(連絡先の登録名)に電話をかけて」と言えば直接電話を開始することも可能です。
グループ通話も可能
今度はグループ通話をやってみましょう。
先ずはグループ通話を開始したいユーザーそれぞれのGoogle Duoアプリ側でグループを作成しましょう。
- スマートフォンで Duo アプリを開きます。
- 画面を上にスワイプします。
- [グループを作成] をタップします。
- グループに招待する連絡先をすべて選択します。
- ビデオ通話アイコン をタップします。
スマホからネストハブMaxに電話をする
スマホからはあとはグループを選択して、「開始」をタップすれば通話を開始します。
ネストハブから他の端末に電話をかける
今度はネストハブMax側からグループ通話をしてみましょう。
- 「OK Google, グループ通話を開始して」と言います。
- グループをタップして電話をかけます。
Google DuoにGoogleフォトの写真を表示させよう
さて、次にやりたいのはネストハブMaxに遠隔で写真を追加して、家族の写真を表示させることです。
先ずは今回作成したGoogleアカウントで、Google Photosにログインしましょう。ログインできたら、アルバムを作成し、そこに表示させたい写真をアップロードしましょう。
この操作は、アカウントのログインとパスワードさえ分かれば誰でもアップロード可能ですので、家族で分担して実施しても良いですね。
次にGoogleホームアプリを起動して、フォトフレームの設定から、Googleフォトを選択し、上で作成したアルバムをタップしましょう。
これでネストハブMaxで選択したアルバムの写真がフォトフレームとして、流れるようになっているはずです。
最後にNest Hub Maxとモバイルルーターを発送しよう
設定が全て完了しました。
しかしここまでは、全て事前に実施しておく作業だったんです。結構長かったと思いますが、ようやく発送の準備が整いました。
現地の介護職員にお願いすることは、2つだけです。
- モバイルルーターの電源を入れて、AC電源を差しっぱなしで部屋に置いておいてもらうこと
- Google Nest Hub Maxの電源ケーブルを差してもらうこと
以上です。
画面表示がちゃんとできているかも一緒に念のため確認してもらいましょうね!
とても簡単でしょ?
あとは、こちらから適当な時間に家族に電話をして、ちゃんとできているか確かめてもらうだけですね。
Google Nest Hub MaxでZoom Meetingをサポート
ここまではGoogle Nest Hub MaxでGoogle Duoを使用して、テレビ電話をするということで説明してきましたが、人によってはZoomの方が使い慣れてるし、Zoomを使いたいという人もいると思います。
Nest Hub Maxでは、2020年11月時点ではZoomはサポートしていないんですが、2020年12月14日についに米国や英国、カナダ、オーストラリアのユーザー向けZoomの機能の提供を開始したそうです。
日本ではまだZoomをNest Hub Maxで使用することはできませんが、2021年には使えるようになるんじゃないかと想像しています。
まとめ
如何でしたでしょうか?
ちゃんと設定することができたでしょうか?介護施設の状況は例えワクチンができたとしても、すぐには通常通りに戻ることは難しいんじゃないかと思います。
少なくとも来年いっぱいぐらいはまだまだ今の状況が続いてしまうかもしれません。
その間に高齢の家族と一切繋がりが無くなってしまうのは、悲しいですし、家族の心と身体の健康にもよくありませんよね。
デジタルデバイスをうまく有効活用して、一緒にこのコロナ禍を乗り切りましょうね。
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