この記事ではTP-LinkのWi-Fi6ルーター、ArcherシリーズからAX53をレビューしていきたいと思います。
因みに名前のArcherとは、弓で射手のことを指しており、AX53の特徴でも複数の外部アンテナが立ってる様子がまるで、弓矢を背中に指しているような感じですね。
自宅のルーターを新しくしたいなと思っている人、TP-LinkのWi-Fi6ルーターって実際どうなの?って思っている人に、我が家の設置要件(2LDK)で実際の速度やカバレッジなどを紹介していきたいと思います。
TP-Link(ティーピーリンク)とは?
先ずはTP-Linkとは?というところから始めていきますが、正式にはTP-LINK Technologies Co., Ltdという名前の会社で、中国のハイテク産業都市でお馴染みの深圳に拠点を置く会社になります。
主に小規模な店舗や、個人向けのネットワーク機器を製造・販売している会社になります。
特徴としては、コスパの良いWi-Fiルーター、メッシュWi-Fiを数多く販売していることですね。
TP-Link製品については、以下の記事にてまとめています。
Archer AX53の外観
先ずはArcher AX53(以下AX53)の外観を確認していきましょう。
カラー展開はブラックのみ、表面はツルッとしたプラスチック形状になっています。
かなり光を反射するぐらいツルツルになっているので、指紋とか少し気になりそうです。
外部ポートは、すべてギガビットイーサ(1Gbps)になっており、WANポート x 1、LANポート x 4のような感じになっています。
これだけあれば、メインルータとしては十分なポート数ですね。
因みにAX53は、ルーターでよくありがちな電源ケーブルを抜いて、電源OFFにするのではなく、背面のポート横にある電源ボタンで電源を入れるような感じになっています。
設置方法は、床置きもしくは、裏面のピン穴を使って、壁面に設置することも可能です。
特にAX53の形状は、床置きの場合の設置面が大きいので、どちらかというと壁面設置することに最適化されているようにも見えますね。
サイズ感としては、カタログ値で260.2 × 135 × 41.6 mmになっています。
iPhone 12を横に置いてみましたが、サイズ感としては奥行きに関してはコンパクトになっているのですが、横幅が26cmもあるので、設置場所には少し気を付ける必要がありそうです。
アプリで楽々セットアップ
TP-Linkのルーターの特徴して挙げられるのが、そのルーター初期設定の簡便さになります。
Buffaloでも設定する用のアプリがあることは知っていましたが、正直あんまり使ったことがありませんでした。
TP-Linkの場合は、ArcherシリーズはTetherアプリ、DecoシリーズはDecoアプリと、アプリが複数別れているのですが、今回はTetherアプリを使ってセットアップしていきます。
セットアップはTP-Link Tetherアプリから進めていきますので、以下からアプリをダウンロードしていきます。
TP-Link Tether
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TP-Linkのスマートデバイスを初めて使う場合には、まずはTP-Linkアカウントから作成していきます。
そのためTP-LinkのスマートカメラTapoなどで、既にアカウントを作成済みであれば、同じものが使えるので注意してください。
ここからは基本的にアプリのフロー通りに進めていけばほとんど迷うことはないですが、途中でWi-Fiの接続を変える(ルーターに接続する)ところだけ注意しましょう。
アプリを開いて右上の「+」マークをクリックし、デバイスを追加しましょう。
デバイスの種類は「ワイヤレスルーター」→「スタンダードルーター」になります。
ここでは、ルーター側の接続準備を行なっていきます。
具体的には電源を入れることと、ケーブルをWANポートに挿していきます。
準備ができたら、スマホの設定画面に切り替えて新しいWi-Fiルーターに接続しましょう。
SSIDは初期設定のままになっているので、「TP-Link-xxxxxx」のような感じになっているはずです。因みに「xxxx_5G」とついてあるのもありますが、ここでは関係ないので、どちらでも良いです。
それではあとは初期設定を進めていきます。
先ずはルーターの細かい設定をするためのアカウントパスワードの作成です。
次の設定は以下の通りに進めていけばOKです。
- 接続タイプ:自動検出されたものをクリック
- MACアドレス:変更しない
- スマートコネクト:オンにして、SSIDを適当なものに変更(例:TP-Link-Archer-xxxxxxx)
- 自動アップデートを有効にする
因みにスマートコネクトというのは、別名バンドステアリングという技術で、2.4GHzと5GHzの接続を動的に切り替えてくれるものです。
便利な機能ではあるので、ONにしておくことをお勧めします。
これで全ての設定が完了しました。
実際のスペックはどれぐらい?
それではここでは実際にAX53を使用してみて、その実測値を測ってみましょう。
遅延/速度の実測値
我が家での設置環境の場合のレンテンシー(NW遅延)とWi-Fi速度を測ってみました。
実測値 | TP-Link Archer AX53 |
---|---|
レイテンシー (PC-ルータ間) | 4.93 ms |
Wi-Fi速度** | 30 Mbps |
レイテンシーに関しては、5ms未満になっているので、全く問題ありませんね。
一方でWi-Fi速度は、少し残念な結果になりました。我が家の場合は、ルーターと計測端末が部屋全体の対角線に設置されている関係で、かなり障害物が多くなってしまっています。
そのため、5GHzでの通信はできなくなってしまい、2.4GHzの20MHz帯での通信になってしまっています。ただそれだとしても、もう少しスピードは出てもいいんじゃないかなと思ってしまいますね。
カバレッジを計測してみる
カバレッジに関しても計測してみました。
我が家の場合は配線の関係で、モデム/ルーターの位置と、パソコン書斎が真逆になってしまっているので、カバレッジがかなり取りづらくなってしまっています。
今回のAX53の場合でも、同じ部屋もしくは隣の部屋ぐらいであれば5GHzの電波が届くのですが、2個奥の部屋には流石に5GHzはもう届かず、2.4GHzになってしまっています。
Archer/Decoシリーズとの違いは?
ここでは、TP-Linkの他のルーターとAX53を比較してみたいと思います。
Archer AX90 | Archer AX72 | Archer AX53 | Deco X90 | Deco X50 | |
---|---|---|---|---|---|
イメージ | |||||
クラス | ハイエンド | ミドルエンド | ミドルエンド | ハイエンド | ミドルエンド |
対応バンド | トライバンド | デュアルバンド | デュアルバンド | トライバンド | デュアルバンド |
Wi-Fi速度 | 5GHz1:4804Mbps 5GHz2 : 1201Mbps 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:4804Mbps *HE160対応 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:2402Mbps *HE160対応 2.4GHz:574Mbps | 5GHz1:4804Mbps 5GHz2 : 1201Mbps 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:2402Mbps *HE160対応 2.4GHz:574Mbps |
アンテナ数 | 8本 | 6本 | 4本 | 4本(端末用) 2本(メッシュ用) | 2本 |
接続デバイス数 | 100台 | 80台 | 42台 | 200台 | 150台 |
CPU | 1.5GHzクアッドコアCPU | 1GHzデュアルコアCPU | デュアルコアCPU | 1.5GHzクアッドコアCPU | 1GHzデュアルコアCPU |
有線ポート | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 (WAN/LAN) ギガビットポート× 3 (LAN) | ギガビットポート×1 (WAN) ギガビットポート× 4 (LAN) | ギガビットポート×1 (WAN) ギガビットポート× 4 (LAN) | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 | ギガビットポート×3 |
USB対応 | USB 3.0 ポート × 1 USB 2.0 ポート × 1 | USB 3.0 ポート × 1 | – | – | – |
カバレッジ (A〜D評価) | A | B | C | A+ (メッシュ) | A+ (メッシュ) |
参考部屋数* | 3LDK ~70平米 | 2LDK ~50平米 | 1LDK ~40平米 | 戸建 3階建 | 戸建 3階建 |
価格帯** (1個) | 25,000 円 | 13,500 円 | 9,000 円 | 25,801 円 | 13,800 円 |
**価格は2022年6月時点のもの。最新価格は価格をクリック。
AX53自体は、TP-LinkのArcherシリーズの中でミドルクラスに位置するルーターになりますが、正直部屋のカバー率という意味では、少し弱めです。
Wi-Fiルーターの場合は、スピードで選ぶよりも先ずはどの程度の部屋をカバーできるのかということを最初に考えましょう。Wi-Fiルーターの処理能力がどれだけ高くても、結局のところ電波がしっかり届いていないと本来のルーターのスピードを出すことはできません。
逆に言えば、Wi-Fiルーターと操作する端末(スマホ・PC)との距離が近い、例えばワンルームのような部屋の場合には、正直そこまで高級なWi-Fiルーターは不要となるわけです。
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AX72とAX53の違いは?
ここではArcherの同じくミドルクラスであるAX72とAX53を比較してみましょう。
先ずはスペック的な比較として前項の通りなので、ポイントだけ絞って比較をしてみました。
Archer AX53 | Archer AX72 | |
---|---|---|
イメージ | ||
対応部屋サイズ* | 1LDK | 2LDK |
USBファイル対応 | × | ○ |
最大速度 | 5GHz:2402Mbps 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:4804Mbps 2.4GHz:574Mbps |
接続台数 | 42台 | 80台 |
スペック的には同じミドルクラスとは言えども、AX72の方がミドルハイエンドといった感じになりますね。
最大速度に関しては完全に理論値になりますので、実際にはWi-Fiルーターの真横で計測したとしても、もう少し遅くになります。また最大速度を出すためにはスマホやパソコン側でも同様な速度に対応している必要があるので、あくまでも目安だと思ってください。
通常使う分には速度よりもWi-Fiカバー率の方が重要になります。
サイズ感としては、AX72の方が若干大きいですが、ほとんど変わらないと言ってもよさそうです。
厚みもAX72の方が大きいですね。
AX72と比べてみると、AX53が若干おもちゃのように見えてしまうのは、私だけでしょうか?
アンテナ数は、AX53が4本、AX72が6本です。
アンテナが多ければそれだけ色々な方向に電波を飛ばせるので、それだけ広くカバーできるというわけですね。
では、この2機種のどちらが良いかなのですが、もちろんAX72の方がスペックも良いので、予算に余裕があるのであれば、AX72をお勧めします。ただし、部屋がそんなに広くなく、最低限のWi-Fiが使えれば良いという人にはAX53で十分と言えますね。
まとめ|1LDK〜40平米程度の部屋ならこれで十分!
今回はTP-LinkのArcher AX53をレビューしていきました。
- ミドルクラスのスペックとしては十分
- 接続できる台数は42台というスマートホーム向き
- 1LDK以上の部屋になると設置場所に気を付ける必要あり
全体的にスペックとしては、低めにはなっていますが、その分値段も抑えられているので、ワンルーム〜1LDKぐらいにはこれぐらいでちょうどいいんじゃないかなと思いますね。
それでは、皆さん是非参考にしてみてください。
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