年々新しいWi-Fi規格が出てきますが、なかなか壊れるものでもないので、繋がっていれば問題ないと、買い替えのタイミングが測りづらいのが無線LANルーターですよね。
最近だとWi-Fi 6Eとか7とかが最新の規格ですが、iPhoneで言うとようやく15Proや15Plus、Macで言うとMacBookProのM2コアモデルなどがWi-Fi6Eに対応したばかりです。
新しい規格の無線LANルータは値段も高く、今持っているガジェットで対応製品がないと言う状態だと、なかなか新規格の無線LANを選びにくいと思いますが、いつまでも古い規格の無線LANを使い続けるのも勿体無いというか、気持ちが悪いものですよね。
今回は、比較的新しい無線LANルータであるWi-Fi6対応のTP-Link AX80と、新製品のWi-Fi6E対応のAXE5400を提供いただき両方を同時に使うことができました。
仮に、今Wi-Fi5対応ルーターを持っていて、そろそろ買い替えを考えている方の参考になるような目線でレビューしていきたいと思います。
外観の比較|ほぼ一緒 縦置き×壁付け可能でコンパクトなのに高性能
両製品を並べてみました。
筐体は同じものを流用しているようです。外観でわかる違いはほぼ見られず。
かろうじて刻印がAX80はシルバー、AXE5400はゴールドで、Wi-Fi 6Eの文字が追加されているので見分けることができる程度の差でした。
横から。AXE5400の方にだけ、TP-Linkの横にWi-Fi 6Eの刻印が入っています。
上から、LANポート×3、1Gbps LAN/WANポート、2.5GbpsLAN/WANポート、スイッチ類となっています。
AX80にだけ、USB3.0ポートがありますが、AXE5400では省略されています。
外部HDDを使って、USB接続で簡易NASとしたい方や、プリンタのネットワークプリンタ化をしたい方は、AX80でないとできないので注意が必要です。
Wi-Fi速度の比較|Wi-Fi6環境では実用面で甲乙つけ難し
両方のルーターを使って、スピードテストを2種類行いました。
1つ目は、Fast.comのスピードテスト。
こちらはAXE5400の方が若干早い結果です。
ちなみに、回線環境はフレッツ光の1Gbpsプラン(IPv6プラス)になります。
次は、I-O DATAから出ているWi-Fiミレルと言うアプリを使用した速度計測結果です。
そこまで明確な差は出ませんでした。時間帯も若干ずれましたので、インターネット速度は時間帯による差とも考えられるため、参考程度に考えてください。
同じく、Wi-Fiミレルでのヒートマップ計測結果。
こちらは差が顕著に出ています。
AX80の方が平均して二割程度いい数字が出ていますね。
これは、今回計測に使ったiPhone15がWi-Fi6までの対応のため、Wi-Fi6Eの6Ghz帯が使えていないことや、AXE5400が5GHzで最大2402Mbpsなのに対し、AX80が5GHz帯で、最大4804Mbpsと倍の速度が出る他、ストリーム数もAXE5400が6に対し、AX80が8と多いため、このような結果となっているものと思われます。
とはいえ、これは両方ともに電波強度がグリーン判定の中の話ですので、私の部屋(70平米クラスのマンション)の間取りの場合では両方ともOKと言うことなので差があるからどうのと言うことではないです。
ただし、もっと広い間取り(80m2〜100m2など)の場合では、NG判定の範囲が出てくるのがAXE5400の方が早いのではと思われますので留意が必要です。
AX80 | AXE5400 | 差 | 比率 | |
---|---|---|---|---|
玄関 | 715 | 533 | 182 | 75% |
トイレ | 533 | 351 | 182 | 66% |
洗面所 | 719 | 500 | 219 | 70% |
キッチン | 745 | 579 | 166 | 78% |
ルーター前 | 713 | 451 | 262 | 63% |
リビング テーブル | 725 | 580 | 145 | 80% |
リビング 奥 | 742 | 549 | 193 | 74% |
個室上 奥 | 565 | 571 | -6 | 101% |
個室上 収納前 | 561 | 527 | 34 | 94% |
個室下 | 537 | 344 | 193 | 64% |
テラス | 219 | 172 | 47 | 79% |
平均 | 615 | 468 | 147 | 77% |
機能面での比較|ほぼ変わらず。
機能を含めた総合的な比較を行ってみました。
結果としてはほぼ変わらず。価格帯もほぼ一緒ですので、先述したUSB3.0の要・不要くらいしかありませんでした。
ちなみに、NASが必要であれば、USB接続よりもLAN接続の本格的なNASの方が使いやすく機能も充実していますし、最近のプリンタはWi-Fi内蔵が多いということもあり、AXE5400ではUSBポート削除によるコストダウンというよりは、昨今の技術情勢に合わせてあえてUSBを省略したのではと思いました。
AX80 | AXE5400 | ||
---|---|---|---|
製品画像 | |||
規格 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | |
対応バンド | 5GHz、2.4GHz | 6GHz、5GHz、2.4GHz | |
WI-FI速度 | 5GHz:4804Mbps 2.4GHz:1148Mbps | 6GHz:2402Mbps 5GHz:2402Mbps 2.4GHz:574Mbps | Wi-Fi非対応機種では、AX80の方が実用速度は高い |
スピードテスト結果 | iPhone15にて測定 | ||
fast.com | 400Mhz | 440Mhz | 若干AX5400の方が高め |
WI-FIミレル | インターネット速度 Down:206Mbps Up:441Mbps WI-FI速度:693Mbps | インターネット速度 Down:252Mbps Up:330Mbps WI-FI度:707Mbps | ほぼ変わらず |
ヒートマップ結果 | 100% | 77% | AX80の場合を100%とした時の平均値 今以上に部屋数が増えてくると体感差が出ると思われる |
バンド数 | 2 | 3 | |
2.5GビットWAN/LAN | 1 | 1 | |
LANポート数 | 4 | 4 | |
USB3.0ポート | 1 | 0 | USBポートに外部HDDを接続して簡易NASとしたい場合や、USB接続でネットワークプリンタ化をしたい方はAX80一択 |
金額 | Amazon | Amazon | |
コメント | Wi-Fi6対応モデルでは性能が高く、コスパ良い。6Eが不要と割り切ればこちらが満足度高し | 将来を見据え、Wi-Fi6E対応が欲しい場合におすすめ。混信のほぼ無い6GB帯を使用できるため、6E対応機種であれば混信の多い集合住宅などでは優位性あり |
比較のまとめ|将来性を考えるとAXE5400に軍配
- Wi-Fi 6E対応ルーターで6GHz対応
- 縦置きスリムデザイン
- USBポートはない
外観、速度面、機能面含めた総合比較を行ってきましたが、Wi-Fi性能についてスペック上の差はあるものの、私の環境では、有意な差はみられませんでした。
金額もあまり差がない製品ですので、以下のような条件に当てはまる方は、AXE5400を選んだ方が実用面での性能が変わらず長く使えて良いと思います。
両製品とも値段が近く、スペックに若干差異があり、購入検討の際に悩まれる方も多いと思いますが、私の場合は、どちらも同じような値段帯で実用面で変わらないので、将来性を見据えて、AXE5400が合っていると思いました。
両製品ともに動作も安定しておりとても良い製品ですので、購入検討の際には上記のような視点を参考にしていただけたらと思います。
それではみなさん是非お試しあれ。
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