TP-Linkから初の縦型Wi-Fiルーターが発売となりました。
今までTP-LinkのWi-Fiといえば、横置きが基本で、日本の他メーカー(Buffalo、NEC Atermなど)と比べた時にやはり少し嵩張るというか、場所をとりがちだったのですが、今回はなんと日本市場向けに特別にカスタマイズされたモデルになっており、形はもちろんのこと、機能的にかなり日本のユーザーに合わせて作られています。
今回は発売前に先行レビューをさせて頂けることになり、早速使ってみましたが、
これは売れそう。
と思えるぐらいの出来の良さでした。
早速詳しく解説していきましょう。
TP-Link(ティーピーリンク)とは?
先ずはTP-Linkとは?というところから始めていきますが、正式にはTP-LINK Technologies Co., Ltdという名前の会社で、中国のハイテク産業都市でお馴染みの深圳に拠点を置く会社になります。
主に小規模な店舗や、個人向けのネットワーク機器を製造・販売している会社になります。
特徴としては、コスパの良いWi-Fiルーター、メッシュWi-Fiを数多く販売していることですね。
TP-Link製品については、以下の記事にてまとめています。
日本特別モデルの縦型ルーター。スタイリッシュな外観と機能性が両立。
それでは外観からチェックしていきたいと思います。
いきなりパッケージで気になったのは、2.4GHz帯におけるWi-Fi速度の速さですね。こちらについては詳しく後述していきます。
若干箱が大きいかなと思ったのですが、開けてみると結構ぴったりな感じです。
個人的にはもう少し箱がコンパクトの方が好きですけどね。
同封物は、シンプルにAC電源ケーブル、台座、LANケーブル(Cat 5e)だけですね。
早速設置状態を見てみましょう。
今までのTP-Linkといえば、横置きの外部アンテナがコテコテしていたのが、どうでしょう。
まさにスタイリッシュなWi-Fiルーターに生まれ変わりましたね。
裏側はこんな感じになっており、ギガビットイーサポートが4本と、2.5GbEが1つ、USB3.0ポートが1つ付いています。
ケーブルポートの中で、WAN(インターネット接続)用に使えるのは、一番下の1Gbpsポートと、2.5Gbpsポートの2つになります。
基本的にはどちらに差しても使えます。(初期設定時にWAN用を選択する)
横からのサイズ感は、比較的大きめではありますね。
実際のサイズは、200 × 189 × 59 mmで、一番横幅(奥行き?)が大きいのは、上部分になっています。
TP-Linkでは、同社のメッシュWi-FiシリーズDecoでも流線型のデザインを使っているので、おそらく今回のArcherについても、渦を巻くようなデザインにしているのかと思います。
そしておそらくみる限り排気は上部になっているようですね。
狭い棚などに上部の隙間無しで置く時には少し気をつけたほうがよさそうです。
置き方は3タイプで、縦置き、横置き、壁置き(貼り)になります。
壁に貼る場合には、台座を壁にネジで固定した後に、ルーターを取り付けます。
我が家の場合は、賃貸なので、ネジで止められないので、イメージはこんな感じです。
TP-Link Archer AX80のポイント
それではここからは、Archer AX80のポイントをいくつかピックアップしていきます。
やっぱり縦型が使いやすい
先ずは何と言っても、縦型であるということです。
一般的な日本の家庭、特に賃貸マンションの場合は、壁からのモデムとWi-Fiルーターを繋ぐようにして、設置することがほとんどだと思います。
またモデムに関しては、ケーブルがゴツかったり、同軸ケーブルがあったりなんかして、部屋の隅っこにおいてあることがほとんどかと思います。
そんな狭い場所にWi-Fiルーターを設置することを考えると、横置きよりも縦置きの方がやはり設置しやすいです。
2.5GbE対応の爆速ルーター
そして、もう一つのポイントが2.5GbE対応という部分ですね。
ここ最近のハイエンドルーターで、2.5Gbps対応のルーターは出てはいますが、正直今回のAX80の値段帯でこの機能がつくことが驚きでした。
自宅がNURO光のような最大2Gbpsまで契約できる光回線や、自宅内のNAS(ネットワークストレージ)間の接続速度を上げることができますので、テレワークが多い昨今の自宅内作業の効率化を狙えますね。
因みに同封されているイーサネットケーブルは、RJ45のCat.5eだと思うのですが、こちらはケーブルの規格としては100BASE-T(1Gbps)までの対応になっています。
ですが、マルチギガビットイーサネット(IEEE 802.3bz)という規格対応により、従来のCat 5eもしくは6であっても、それぞれ2.5Gbps/5Gbpsまでサポートするようになりました。
VPNクライアント/サーバーにもなれる豊富なルーター機能。もちろんTimeMachine対応。
さらにびっくりだったのが、管理ソフトの機能の充実さです。
- VPNサーバ(OpenVPN、L2TP、IPsec、PPTP)
- VPNクライアント
- SMB/FTPサーバ
- TimeMachine対応
- IPv4 over IPv6
- ポート転送など
VPNサーバ機能だけでなく、クライアント機能もあるので、個人利用だけでなく、ちょっとした支店間のVPN接続にも使えそうです。
もちろんVPNサーバ機能もあるので、外出先からVPNでNASに接続するなんてことも可能です。
さらにUSBポートにUSBストレージを挿せば、SMB/FTPサーバとして動作します。
さらにさらに、なんとMacのTimeMachineにもサポートしています。
これは驚きですね。
この値段帯でここまでソフトの機能が充実しているのは、正直みたことありません。
2.4GHz帯で最大1148Mbps
そしてこのデバイスでは、2.4GHz帯のWi-Fi速度が通常よりも速くなっています。
今までのTP-Linkの場合は、2.4GHz帯は574Mbpsが基本でしたが、今回のAX80については同じ802.11axにも関わらず、おそらくアサインできる帯域を多くすることで、最大1148Mbpsまでサポートしています。
5GHzは、多くのチャネルを使って速い速度を出せるのですが、その代わり空間損失(透過性や回折性が弱い)が大きいので、あまり遠くに飛ばないという弱点があります。
2.4GHzであれば、遠くまで届くので、この帯域で1148Mbps出せるというのは便利かと思います。
その分、2.4GHz帯につながるデバイスも多いので、期待通りの帯域が確保できないこともあるけどね。
TP-Link Archerシリーズとの比較
TP-Linkから発売されている、その他のデバイスと今回の製品を比べてみましょう。
スペックで比較する
先ずはスペックで確認していきます。
Archer AX90 | Archer AX80 | Archer AX72 | Archer AX53 | |
---|---|---|---|---|
イメージ | ||||
クラス | ハイエンド | ハイエンド | ミドルエンド | ミドルエンド |
対応バンド | トライバンド | デュアルバンド | デュアルバンド | デュアルバンド |
Wi-Fi速度 | 5GHz1:4804Mbps 5GHz2 : 1201Mbps 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:4804Mbps 2.4 GHz:1148Mbps | 5GHz:4804Mbps *HE160対応 2.4GHz:574Mbps | 5GHz:2402Mbps *HE160対応 2.4GHz:574Mbps |
アンテナ数 | 8本 | 4本 | 6本 | 4本 |
接続デバイス数 | 100台 | 100台 | 80台 | 42台 |
CPU | 1.5GHzクアッドコアCPU | クアッドコアCPU | 1GHzデュアルコアCPU | デュアルコアCPU |
有線ポート | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 (WAN/LAN) ギガビットポート× 3 (LAN) | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 (WAN/LAN) ギガビットポート× 3 (LAN) | ギガビットポート×1 (WAN) ギガビットポート× 4 (LAN) | ギガビットポート×1 (WAN) ギガビットポート× 4 (LAN) |
USB対応 | USB 3.0 ポート × 1 USB 2.0 ポート × 1 | USB 3.0 ポート × 1 | USB 3.0 ポート × 1 | – |
カバレッジ (A〜D評価) | A | A | B | C |
参考部屋数* | 3LDK ~70平米 | 3LDK ~70平米 | 2LDK ~50平米 | 1LDK ~40平米 |
価格 | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
スペック的には、AX90の1つ前という立ち位置ですが、トライバンド対応じゃないぐらいで、ほぼ機能的にも遜色ないデバイスです。
アンテナ数が少ないようにも見えますが、実際の計測したWi-Fiパワーも申し分なかったです。
実際の性能で比較する
ここでは、レイテンシーとWi-Fi速度(LAN内)を計測してみます。
実測値 | Archer AX80 |
---|---|
レイテンシー (PC-ルータ間) | 約 3.56 ms |
Wi-Fi速度* | 約800 Mbps |
結果としては、Wi-Fi速度は、まさに爆速ですね。
正直ここまでの速度が出るとは思いませんでしたが、これだけLAN内でスピードが出ていれば十分です。
カバレッジで比較する
カバレッジに関しては、以前AX72とAX53について、カバレッジを計測していたものがあるので、そちらと比較してみます。
結果として、当たり前かもしれませんがAX80が一番カバレッジが安定して、取れていることがわかりました。
AX72を使っていたときは、やはり中継機がないとダメかなという印象でしたが、AX80であれば、2LDKは快適に使えて、3LDKについても置き場所によっては、かなり快適に使えそうです。
TP-Link Archer AX80で気になるところ
通常は、製品の気になるところ書いていくのですが、今回のArcher AX80のダメなところは、
ありません。本当に素晴らしい製品になっています。
まとめ
今回はTP-LinkからArcher AX80について、レビューしていきました。
- 縦型スタイリッシュ
- VPNサーバ/クライアント、TimeMachine対応
- 2.5Gbps対応
- 2.4GHz帯で1148Mbps
- IPv4 over IPv6対応
今回のデバイスに関しては、本当にびっくりです。
何よりこの値段で、これだけの機能と性能が出ているわけですから、コスパが良すぎます。上位モデルのAX90を買うよりも、AX80を買った方が使いやすいと個人的には感じています。
おそらくメッシュWi-Fi不要な部屋サイズであれば、他メーカーのBuffalo、NEC Atermの同レベル帯のデバイスと比べても、この値段でAX80を超えるデバイスは現時点で”ない”と思っています。
それでは、みなさんぜひ参考にしてみてください。
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