Pixel 3 はGoogleの3世代目のハイエンドスマートフォンです。Appleやサムソンが提供しているハイエンドスマートフォンと同様に、最高品質のカメラなど最先端の技術を搭載しています。
Pixel 3は今まで出してきたPixelシリーズの中で5.5インチFHD+OLEDスクリーンを備えた最も小さいモデルになっています。ディスプレイの画質も去年リリースされた(日本では未発売)前モデルのPixel 2よりも大幅に改善され、また視野角も広がっています。
Pixel 3の基本的な外観デザインはPixel 2 XLを踏襲しており、前部に2つのステレオスピーカー、フロントカメラ、バックカメラという外観になっています。現在発売されているハイエンドスマーフォンの中では比較的小ぶりで使いやすいサイズになっており、片手で持ちやすく、ポケットにも入りやすそうです。サイズ感としてPixel 2やAppleのiPhone XS、サムソンのGalaxy S9と同じぐらいになっています。Pixel 3の重さは148gになっており、これもiPhone XS(177g)や、Galaxy S9 (168g)と比べても軽いものになっています。
外観およびスペック
背面は前回モデルまではアルミニウムでしたが、今回からは2層のゴリラガラスに置き換えられており、またガラスの表面は艶消し加工されているので、見た目も美しく、滑らかな触り心地になっています。もちろんサイド部分はメタル加工されているので、片手で持った時にでもしっかり手にフィットするように作られています。
背面の中央部分にある光沢のある丸型のパネルは、前モデルから搭載された指紋認証になっています。因みに生体認証については、指紋のみが対応になっており、iPhone Xから採用されているようなフロントカメラを使った顔認証はPixel 3では採用されていません。
下部にはUSB-Cの充電用外部ポート、そして右側にはボリュームボタンと、ミントグリーン色のパワーボタンがあります。iPhoneと同じようにPixelにはヘッドフォンジャックがありません。背面カメラの突起に関しては1mmの薄さに抑えられています。
Specifications
- Screen: 5.5in FHD+ OLED (443ppi)
- Processor: octa-core Qualcomm Snapdragon 845
- RAM: 4GB of RAM
- Storage: 64 or 128GB
- Operating system: Android 9.0 Pie
- Camera: 12.2MP rear camera with OIS, dual 8MP front-facing camera
- Connectivity: LTE, wifi, NFC, esim, Bluetooth 5 and GPS
- Dimensions: 145.6 x 68.2 x 7.9 mm
- Weight: 148g
スムーズな操作性
CPUには現時点でのクアルコムの最新プロセッサーSnapdragon 845が搭載されており、同チップセットはOnePlus 6などの現在のフラッグシップと呼ばれる端末に搭載されているものと同じものです。(但しUK版のSamsung’s S9/Note 9やHuaweiは彼ら独自ブランドのチップセットを採用しています)
Pixel 3に搭載されているメモリは4GB RAMとなっており、これは他のハイエンドAndroidモデルで搭載している6GBや8GBと比べると少ないように感じますね。しかしPixel 3ではハード&ソフトの両方をGoogleが監修していることにより、バッテリーの使用効率が最適化されており、日々の通常使用には何も問題なさそうです。
次にアプリを変える、カメラを呼び出すなどのタッチ操作性ですが、これに関してはAppleのiPhone XSのものと比べても遜色ないレベルとなっています。OnePlus 6ではUI操作部分で少し癖がありましたが、今回のPixel 3では操作性に関してもシンプルに作られるいるようです。
バッテリー時間の向上
バッテリー時間の向上というのは、今回のPixel 3では一つの目玉になっています。
Pixel 3ではバッテリーの使用効率の向上の施策としてユーザーの日々の使用状態を機械学習し、バッテリーの消耗を抑えてくれる機能が搭載されています。この機能はPixel 3の独自のものではなく、Android Pie 9のアダプティブバッテリーという新機能からもたらされています。端末にインストールされているアプリの日々の電池消耗量や、普段使わないアプリの電池消耗を抑えるなどの技術を使われており、アダクティブバッテリーの機能をオンにするだけで、機械学習のための期間を持たずとも、ある程度のバッテリーの持ち時間の向上がみられるようです。
電池のフル充電にかかる時間は18Wのファストチャージャーを使って101分(=1時間41分)。またPixel 3は10Wまでのワイヤレスチャージ機能もサポートしており、ワイヤレス充電時間に関してはケーブルで充電するものに比べれば多少時間がかかりますが、それでも通常のスマホの充電時間よりは速度が向上しています。
Android Pie 9
Pixel 3にはまだ全体の中でも一部の端末にしか配布されていない、現時点での最新のAndroid 9 Pieがインストールされています。
主なPieでの新機能としては、通知機能の最適化、DND (Do Not Disturb) modeでの機能追加、ウィンドダウンモード(「ウインドダウン」モードは、就寝時に自動的に着信拒否モードを有効にする新しいツール。)など。
その他には、Pixel 3はGoogleがハードから作りこんでいるモデルですので、Gmailはもちろんプリインストールされており、普段Gmail派の方には嬉しい部分かもしれません。
またGoogleは今回からホームボタンとナビゲーションボタンを廃止しました。その代わりにiPhone XSで使用されているようなジェスチャーボタンを搭載し、よりシンプルなホームに刷新しています。
バックボタンに関しては今まで通り使えますが、今回導入されたジェスチャーボタンを使えば、様々な操作が可能になっています。タップしてホームに戻ったり、押し続けることでGoogle Assistantを起動、上部に1回フリップすればアプリスイッチャーとしても使用でき、2回フリップすればアプリドローワーが起動します。
ジェスチャーボタンを右にフリックすれば、最近使用したアプリを表示できるなど、様々な機能をジェスチャーボタンで操作することができ、この機能は設定ボタンでカスタマイズすることも可能だ。
今のところこの新しいジェスチャーボタンはいい感じです。でも以前ナビゲーションボタンに比べると、まだ慣れていないせいか素早く操作できないです。またAppleのiPhone Xから使用されているiOSのジェスチャーボタンやOnePlus、Huaweiのものと比べると、個人的にはそこまでスムーズかつ直感的にはなってないと思います。
カメラ
カメラの性能にはついて間違いなく、現時点で市場のなかに出ているもののなかでも最高の性能だと言えます。
リアカメラは12メガピクセルのものを使っており、画質は素晴らしく生き生きとした写真を撮ることができます。Google HDR+アルゴリズムにより、明暗差が大きいところでの撮影でも、詳細な写真を撮れます。
また暗いところでの撮影でもPixel 3のカメラは素晴らしいです。また今後GoogleからNight Sight Modeという暗所向け用の新機能もソフトアップデートにより提供される予定なので、益々期待できますね。
Googleのこういったカメラ機能のおかげで、ユーザーは特別な撮影技術無しで、撮影ボタンを押すだけでプロ並みの写真が撮れるというのは素晴らしいですよね。
Top shotに関しても、前評判通りの機能ですね。バースト撮影した上で、AIが独自に良い写真を判別して表示してくれる機能で、これがあれがもしシャッターの瞬間目を閉じたりしても安心ですね。
Pixel 3に搭載されたSuper Res Zoomも標準デジタルズームから大幅に改善されているみたいですが、この部分は正直iPhone XSのダブルレンズには見劣りするような気がします。
フロントのインカメはダブルレンズ、8メガピクセルになっており、ワンタップでズームアウトが出来るなど、セルフィーしやすい形になっています。さらに広角での撮影が可能になっているので、セルフィでのグループ撮影が更にやりやすくなっています。
但し、セルフィでのグループ撮影画像は、画質という面ではあまり良くなさそうです。
ポートレートモードは、インカメ、リアカメラの両方でサポートしています。また以前より髪のエッジなどの境界部の区分が向上しており、またボカシ具合は撮影後に調整することも可能です。モーションオートフォーカスについても、タップしてフォーカスオブジェクトをセット、あとはカメラがピントを合わせてくれるなど、かなり使いやすくなっています。
その他まとめ
- USB-Cタイプのイヤホンと、3.5mmイヤホンジャックアダプタが同封。
- スピーカーは音量をかなり上げても音割れせずにクリアに聞こえます。
- DND(Do Not Disturb)機能は、ワンフリックで起動することが出来ます。
- 触覚フィードバックについては、現時点のAndroidスマホの中ではベストと言っていいでしょう。ただ、やはりApple iPhone XSのものに比べるともう一息。
- e-SIM機能についてもサポートしていますが、今後オペレーターがどこまでサポートしていくのでしょうか。日本のキャリアではまだサービス提供されていません。
- Active Edge機能により、握るだけでGoogle Assistantを簡単に起動出来ます。
- 今回Pixelスタンドが同時発売されています。Pixelスタンドに乗せてGoogle Assistantを使えば、専用のスマートディスプレイのような形にもなります。
価格
Google Pixel 3は64GBで9万5,000円、128GBで10万7,000円で、ブラック、ホワイト、ピンクの3色展開です。
費用比較として、Google Pixel 3XLは64GBで11万9,000円、Huawei P20 Proは10万3,680円、OnePlus 6は529ドル(約5万9000円)、iPhone XSは64GBで11万8,000円、です。
総評
今回のPixel 3を一言で表すと、改善です。
Android Pie 9の新機能は、全てが滑らか動き、シンプルでパワフルな機能が搭載されています。更に特筆すべきは、リリースから3年間のソフトウェアアップデートが保証されてることです。これはApple iPhone意外では、貴重なサポートです。
端末の外観は、ラグジュアリーとは言い難いですが、iPhone XSとはまた別の方向性で、デザインを仕上げてきており、ガラス面とメタルでサイドを囲ったデザインは正に美しいですね。
外観デザインも、ソフト機能どちらを取っても、他のAndroidスマホと比べても洗練されており、この部分はGoogleメイドのスマートフォンならではと言えますね。
もちろん完璧ではないですが、バッテリー時間は大幅に改善されており、ガラス面は美しくメタル部よりも硬く丈夫な作りになっています。現状Face unlockはついてはいませんが、今後機能として見られる可能性はあるでしょう。
しかし11万8,000円のiPhone XS以外の端末であれば、正にベストなスマートフォンと言って過言はないでしょう。
プラスな点
スムーズで直感的なデザイン、素晴らしいスクリーン、握りやすい外観、Android Pie 9の3年間サポート、防水、カメラ、ワイヤレスチャージ
マイナスな点
大きめの角張ったデザイン、後から追加出来ないメモリ・ストレージ、ヘッドホンジャックがない、バッテリー時間は向上しているが実際はこれからの使用状況確認次第、顔認証無し
この記事は、以下記事の抄訳です。(一部金額情報などは日本向けに修正済み)
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