どうも、こんにちはIoTプロフェッショナルのTakaです。
当サイトでも練習問題を作成しているIoTシステム技術検定ですが、この度無事に上級に合格することができ、「IoTプロフェッショナル」として活動できるようになりました。
このIoTシステム上級資格に関しては、そもそも受験者も少ないので、あまりどのような試験なのかよくわかっていないところも多く、過去問も公開されるようなものではないので、これから試験勉強をしようと思っている方には何をどこから勉強すればいいのかわからないところもあると思います。
私自身、中級資格こそ持っていましたが、上級を勉強するにあたって、どこから手をつけたものか悩みましたので、この記事では本資格の普及も願い、試験内容や私が実施した勉強方法などを紹介していきたいと思います。
前提知識
先ずは今回受験するにあたって、私の前提知識は以下の通りです。
正直元々がモバイルシステム/無線技術/AI・機械学習/プロジェクトマネジメントの知識を持っていたので、IoTシステム技術というのは、それらを体系的に並べただけの資格でもあったので私にとってはあまり難しいものではなかったのは事実です。
ワタシの勉強時間
これは、本当に全然参考にならないかもしれませんが、今回のワタシの勉強時間はこんな感じです。
勉強開始時期 | 試験1週間前 |
勉強時間 | 4時間程度 |
勉強方法 | 小論文の書き方 |
参考書の有無 | 無し |
なぜならばなんですが、この試験はそもそも技術知識を問う試験ではないんです。
プロジェクトマネジメントの試験を受けた方はなんとなくイメージつくかもしれませんが、自分のIoTビジネス知識や経験を基に、コンサルティングのような回答をしなさいという感じなので、勉強しようがないと言った方がいいかもしれません。
そもそもIoTプロフェッショナルとは?
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が主催しているこのIoTシステム技術検定ですが、国内ではほぼ唯一IoTシステムの技術的な知識を図る試験になっています。
因みに似たような検定として、家電業界などが開催する「スマートマスター検定」などもありますが、あちらはどちらかというと家電売り場での販売員が、営業マンとしての専門知識を図る資格になっており、住宅におけるスマート家電を問うようなものになっています。
一方で、IoTシステム技術検定というのは、IoTシステムを構築、提案するようなエンジニア向けに資格になっており、IoTシステムを支えるハードウェア、ソフトウェア、通信技術、そしてプロトタイピングなど、正に企業におけるIoTシステム提案・構築・企画設計を行うための知識検定になります。
IoTシステム技術検定は、基礎/中級/上級と3段階に分かれており、合格するとそれぞれ以下のような名称を名乗ることができるそうです。
検定 | 名称 | 対象者 |
---|---|---|
IoTシステム技術検定 [基礎] | IoTアドバイザー | 新社会人・学生 |
IoTシステム技術検定 [中級] | IoTエキスパート | システム構築知識を持つ技術者 |
IoTシステム技術検定 [上級] | IoTプロフェッショナル | IoTビジネスモデルのシステムリーダー |
目的
IoTシステム技術検定の最上位資格であり高度なIoTビジネスモデルの企画、設計構築、運用のリーダーとして活躍できる人材を育成する。
必要な知識レベル
IoTのシステム構築・活用に関する、より実践的な専門技術
適用可能な実務レベル
IoTシステムについて顧客の要求を理解し、課題を整理のうえ、システムを企画・計画し戦略的提案を行います。また、IoTシステム構築のリーダーとして活動できます。
認定
高度なIoTシステム、業界固有または業界をまたがるサービスを構築する実践的な専門技術の講習を受講し、講習を踏まえ、論述式試験に合格した方に付与されます。
正直なかなかこれだけみても、結局のところなんなのかわからない部分もあるのですが、受験した本人から言わせてもらうと、IoTプロフェッショナルとはIoTシステムにおけるビジネスモデルの企画・設計し、システム構築までできる人間という感じなのかなと思っています。
というのも、試験内容もどちらかというと、技術を問うことはほとんどなく、技術を聞いているのは中級までで、上級試験に関しては、「新しいIoTビジネスモデルを考えろ」という試験内容なのです。
IoTシステム技術検定[上級]の試験情報/合格率
MCPCの試験は、結構なマイナーな検定試験になっているので、あまり合格率の公開がされないことが多いのですが、IoTシステム技術検定に関しては、比較的受験者数も多いので、公開情報があります。
また上級に関しては、ウェブでも公開されていますが、以下の通りでした。
IoTシステム技術検定[上級]の合格率 | 約 48.9 % * |
受験料 | 55,000 円(税込) 再受験者:27,500円(税込) |
試験時間 | 1日目:1日講習 2日目:半日講習+小論文 |
当日の受験者数 | 33人ぐらい? (内2人は少なくとも再受験者) |
正直、合格率が思ったよりも低くてびっくりしました。
上級資格は、都内だけの開催だったはずなので、地方から受験しに来る人はわざわざ都内まで移動してきて、受験料5万円を払った上で、半分落ちるんですから、結構恐ろしいと思いませんか?
この試験は、1.5日間のIoTシステムに関する講習と、2日目の午後からの小論文という構成になっているのですが、再受験者については、講習は免除されるので試験のみ参加ができるようになっています。
そのため、試験だけ参加している人を見るとトータル約9万円支払った再受験者がわかるわけですね。
IoTシステム技術検定[上級]の講習内容
モバイルシステム技術検定の時も同じでしたが、MCPCは最上級資格にはこのような講習をつけるのが慣例になっていますね。
講習内容は以下のような感じです。
1日目 | IoTシステムにおけるビジネスモデル IoTシステムにおけるセキュリティ IoTシステムのビジネスモデル例 IoTシステムのAI/機械学習、及びプロトタイピング |
2日目 午前 | 5Gの最新技術例(5G IoT RedCap) |
この講習と小論文がどのように絡むかなんですが、絡んでなさそうで実は結構絡んでいます。
上級は技術を問う問題は出ないのですが、どちらかというとIoTシステムにおけるビジネスモデルを考えるというのが試験内容になっています。
この講習だけで身につくようなものではないのですが、講習の中で何か新しい気づきがあれば、それをフックに小論文に仕上げることはできると思います。
IoTシステム技術検定[上級]試験の出題内容
これはウェブに公開されている通りの内容です。
【試験の形式】
問題で提示する複数の「課題/テーマ」から一つを選び、IoTシステム活用の、専門知識、課題解決、ビジネス構築について、複数の大問に回答する。
【文字数】
1,050文字以上3,600文字以下
【論文構成】
- 本当の顧客は誰か(A社など、仮名にて具体的な業種と業務内容等)
- 顧客が抱えている課題
- 技術的な訴求点(技術活用は課題解決にどのように貢献するのか)
- ビジネス上の創出価値は何か
もう少し正確に書くと、小論文は3つの問いに別れており、「課題」「解決法」「価値」という3軸でそれぞれ1000文字程度で回答する必要があります。
これは地味に嬉しいポイントで、というのも記述は全て鉛筆もしくはシャープペンで書く必要があります。
そのため、後から見直したときに消しゴムで消そうとすると、文字数の関係でなかなか上手くいかない可能性があります。3問それぞれで用紙が別れているので、多少の文字数は吸収できるかと思います。
因みに試験時間は3時間とかなりたっぷり時間があります。
2時間経過後に書き終わった人は順次試験終了ができるようになっています。
因みに僕は2時間きっちりで早々におしまいにおしまいにしました
IoTシステム技術検定[上級]の試験対策
基本的に試験対策は、特にはこれといったものがないのが実情です。
中級テキストはありますが、あれを見ても特に役に立つことはないと思います。
ただ個人的にオススメの試験対策としては、以下になります。
- 小論文の基本的な書き方を学ぶ
- 過去のMCPCアワードでのIoTシステム事例を理解する
- 総務省発行の情報通信白書を読んでおく
- IoTシステムを活用した新しいビジネスモデルを「課題」「解決方法」「価値」という軸で考えておく
1〜3まで読んでおけば、あとは4の実践として、いくつか2〜3個小論文を書いておくことをお勧めします。
特に記述式になるので、本当に漢字は書けないと結構辛い思いをするので、そういう意味でも一度は手書きで書いておいた方がいいですね。
ワタシもいくつかこのブログ内のコラムとしていくつか試験対策用に執筆してみましたので、興味がある方はそちらを見てもいいです。
ただこれは試験課題を知らないまま書いているものになるので、このまま書いてもおそらく合格しません。(新しいビジネスモデルではないので)
あくまでも参考イメージとして参照してみてください。
まとめ
今回はワタシ自身も、過去のIoTシステム技術検定[上級]の受験者に助けられた部分もありましたので、次回以降の受験者にバトンを渡す意味合いとしても記事として仕上げてみました。
おそらく過去の他の方のブログ内容の中でも、結果的に最も詳細に書いている記事になっていると自負しています。
どういう試験になるのか、半分も落ちてしまって本当に受かるのかと不安になると思いますが、この資格を取る人はおそらく普段からIoTシステムに慣れ親しんでいる人たちだと思うので、真っ当にシステム設計、システム提案を過去にしてきているのであれば、十分に対応できると思います。
ポイントは、新規ビジネスモデル検討をどれだけやってきたかという部分なので、そこだけしっかりと試験対策をしておけば大丈夫だと思います。
それでは、皆さん試験勉強頑張ってください
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