買い物袋を片手に帰ってきたときや、子どもを抱えたまま玄関を開けたいとき。スマートロックがあると少し楽になりそうだと思っても、引き戸の前では話が止まりがちでした。
一般的な後付けスマートロックは、室内側のサムターンを「回す」ことが前提です。上下や左右へ動かす引き戸の鍵は、その前提から外れてしまいます。
CANDY HOUSEはオンライン発表で、新しい小型スマートロック「セサミ6 Pro mini」と、引き戸向けの新製品を公開しました。本体を小さく・省電力にしただけではなく、スマートロックの回転を引き戸の錠前に必要な直線的な動きへ変換する。
その考え方が今回の肝です。
毎回このCEOの発表は面白いよね


最初に結論を書くと、今回の新製品は、設置スペースが限られるドアや、これまで後付けスマートロックを付けにくかった引き戸をスマート化したい人が、まず適合を確認したい選択肢です。
ただし、ここで勢いよく「引き戸にも付く」と決めてしまうのは早いです。取り付け可否は、引き戸の形状や鍵の構造で変わります。CANDY HOUSEも現在、鍵の写真を添えた個別相談を案内しています。必要なスペースと錠前の形を見てから判断したい製品です。
この記事では、発表内容と現在公開されている公式情報をもとに、2つの新製品がそれぞれ何を担うのかを整理します。
CANDY HOUSEが2つの新製品を発表
今回のオンライン発表で公開されたのは、スマートロック本体の「セサミ6 Pro mini」と、引き戸へ対応するための新製品です。名前は似ていますが、担当する仕事は少し違います。
セサミ6 Pro miniは、従来のセサミ6 Proより本体幅を抑えた小型モデルです。公式ページでは、サムターンの中心軸からドア枠までの距離が20mm以下の鍵にも設置できると案内されています。今まで「数ミリ足りない」ために諦めていた人には、いちばん分かりやすい変化かもしれません。




一方、引き戸向け新製品は、回す力を引き戸の鍵に合う動きへ変えるための仕組みです。CANDY HOUSEは、これまで対応が難しかった幅広い引き戸への対応を目指すと説明しています。ここが従来の「サムターンを回すだけ」のスマートロックと違うところです。
ここで押さえておきたいのは、セサミ6 Pro mini自体が引き戸を直接開閉する製品ではないことです。引き戸に必要な動きを担うのは、引き戸向けの機構です。
新製品①「セサミ6 Pro mini」とは
セサミ6 Pro miniは、セサミシリーズの新しい小型スマートロックです。鍵のつまみを回すためのモーターと制御機構を持つ、本体側の役割を担います。
発表では、内部設計の見直し、消費電力の低減、回転角度の検知精度の向上が主な進化点として紹介されました。数字だけを見ると地味ですが、どれも「付けられるか」「電池交換をどれだけ忘れていられるか」に効く部分です。
| 項目 | セサミ6 Pro miniで注目したい点 |
|---|---|
| 本体 | ギア配置を見直して小型・薄型化 |
| 電源 | CR123A一次電池に加え、3.7V充電池に対応 |
| 電池寿命 | 公式では500日以上を案内 |
| 角度検知 | 1秒あたり3回の検知に対応 |
| 鍵の回転 | 360度を超える複数回転の鍵にも対応すると案内 |
| 設置性 | ドア枠との距離が20mm以下の鍵にも対応可能と案内 |
消費電力を抑え、電池寿命は500日以上に
発表では、最新の半導体採用により消費電力を抑え、電池寿命を約500日まで伸ばしたことが紹介されました。現在の公式ページでも、セサミ6 Pro miniの電池寿命は「500日以上」と案内されています。
500日は、およそ1年4か月です。スマートロックの電池交換は、必要になるまで意識しにくいものです。だからこそ、交換の頻度が下がるだけでも、使い続けるときの気楽さにつながります。
また、3.7Vの充電池にも対応します。一次電池で長く使いたい人も、充電式で繰り返し使いたい人も、自分の管理しやすい方法を選べます。


ただし、これは公称値です。施解錠の回数、鍵を回すときの重さ、電池の種類、利用環境によって実際の期間は変わります。「1年以上は何もしなくてよい」と期待しすぎず、余裕を持った目安として考えるのがよさそうです。
回転角度の検知精度が3倍に向上
セサミ6 Pro miniでは、回転角度の検知が従来の1秒あたり1回から、1秒あたり3回になりました。単に「反応が良くなる」という話ではなく、鍵がどこまで回ったかの誤認識を減らし、施錠・解錠を安定させるための進化です。
この改善により、180度を超えて回す鍵や、数回転させるタイプの錠前にも対応範囲が広がります。公式ページでは360度を超える複数回転にも対応すると案内されています。
自宅の鍵が一般的な半回転のサムターンではない場合、スマートロック選びは「モーターが回るか」だけでは終わりません。最後まで回り切らない、反対に回りすぎる、といった不安なく使えるかは、必要な回転量を正確に把握できるかにかかっています。
ギア配置を見直して本体を小型化
発表では、内部のギア配置を従来の三角形状から、より直線的なレイアウトへ見直したことも紹介されました。モーター周辺の余白を減らし、本体を小さく・薄くするための再設計です。
この変更は、引き戸を直接動かすためのものではありません。まずはスマートロック本体を狭い場所にも付けやすくし、引き戸向けの仕組みとも組み合わせやすくするための土台です。見た目の小型化より、「そもそも候補に入れられる家が増える」ことの方が大きいと思います。
新製品②「新引き戸ユニット」とは
引き戸向け新製品は、引き戸の錠前に必要な動きへ変換するためのユニットです。
通常のセサミは、ドアの内側にあるサムターンを回転させて鍵を開け閉めします。しかし引き戸の錠前には、つまみやレバーを上下・左右へ動かす構造があります。回転だけでは、そのまま施解錠できません。
そこで新しい引き戸向けの仕組みでは、スマートロックのモーターが生み出す回転運動を、引き戸の鍵に必要な直線運動へ変換します。言葉にすると少し硬いですが、「回すためのモーターで、スライドさせる鍵を動かす」ための工夫です。今回の発表でいちばん新しい部分は、ここでしょう。


| 製品 | 役割 |
|---|---|
| セサミ6 Pro mini | モーターで回転力を生み出し、施解錠を制御する |
| 引き戸向け新製品 | 回転運動を直線運動へ変換し、引き戸の鍵を動かす |
つまり、セサミ6 Pro miniが駆動・制御を担当し、引き戸向けの仕組みが動きの方向を変換するという関係です。どちらか片方だけが主役というより、引き戸の鍵を動かすためのチームのようなものです。
現在、CANDY HOUSEは「SESAME 6 Pro SlidingDoor(引戸)」を販売しており、引き戸の写真を添えた個別相談も受け付けています。公式ページには、引き戸自体が自動で開くわけではない、という注意も明記されています。あくまでスマート化するのは鍵の施解錠です。
引き戸に対応できると、何が変わるのか
後付けスマートロックは、洋風ドアの回転式サムターンと相性がよい製品が中心でした。そのため、和室の引き戸、店舗や事務所の引き戸、昔ながらの住宅の玄関では、導入したくても鍵の構造が合わないことがありました。
今回の新製品が狙うのは、その空白を少しずつ埋めることです。家の鍵は毎日触るものなので、対応機種の一覧に載るかどうか以上に、「自分の家にも無理なく付くか」が大事になります。
ただし、対応を目指すことと、すべての引き戸にそのまま付けられることは別です。錠前の形、可動方向、鍵周辺の段差、貼り付けられる面積などで条件は変わります。CANDY HOUSEは、そのまま取り付けられない引き戸にもオーダーメイドアダプターで対応できる場合があると案内していますが、購入前の確認は欠かせません。
どのような人に向いているか
買うべき人
- 自宅や事務所の引き戸をスマートロック化したい人
- ドア枠とのすき間が狭く、従来モデルの設置を諦めていた人
- 180度を超える回転、または複数回転する鍵を使っている人
- 電池交換の頻度をできるだけ抑えたい人
- セサミタッチ、セサミフェイス、Hub3などを含めてセサミ環境を整えたい人
見送ってよい人
- 自宅の鍵が既存のセサミで問題なく動いており、小型化や充電対応に魅力を感じない人
- 引き戸の鍵の形状や設置スペースをまだ確認できていない人
- 「鍵だけでなく、引き戸そのものも自動で開けたい」と考えている人
- まずは低コストでスマートロックを試したい人
購入前に確認したいこと
発表を見て気持ちが動いた人ほど、一度だけ玄関の内側を眺めてから決めるのがおすすめです。次の点を確認しておけば、購入後に「ここに付かなかった」を減らせます。
- 自宅の鍵が回転式か、上下・左右に動く引き戸用か
- 鍵の周囲に本体やユニットを置けるスペースがあるか
- サムターン中心からドア枠までの距離
- 鍵を何度、どの方向へ動かす必要があるか
- 賃貸住宅で貼り付けやアダプターの使用が許可されるか
- 使いたいセサミタッチ/フェイス/Hubとの連携条件
- 充電池で運用する場合の充電方式と、交換用電池の用意
2026年7月28日現在、CANDY HOUSE公式ストアではセサミ6 Pro miniとSESAME 6 Pro SlidingDoor(引戸)をそれぞれ税込4,928円で案内しています。価格、在庫、セット内容、対応条件は変更される可能性があるため、購入直前に公式ページで再確認してください。
まとめ:小型化だけでなく、引き戸のスマート化を広げる発表だった
CANDY HOUSEは、新型スマートロック「セサミ6 Pro mini」と、引き戸向けの新製品を発表しました。
セサミ6 Pro miniは、500日以上の公称電池寿命、充電池対応、1秒あたり3回の回転角度検知、小型・薄型化がポイントです。狭いドア枠まわりや、複数回転する鍵への対応を広げる方向に進化しています。
さらに、回転運動を直線運動へ変える引き戸向けの仕組みを組み合わせることで、従来の後付けスマートロックでは難しかった引き戸への対応範囲も広げます。
引き戸のスマートロック化を待っていた人にとって、今回の発表は素直にうれしい内容です。ただし、満足度は自宅の鍵に確実に設置できるかで決まります。購入前に鍵の写真、寸法、可動方向を確認し、迷う場合はCANDY HOUSEへ相談してから選ぶ。それが、いちばん遠回りに見えて失敗しにくい進め方だと思います。









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